時を駆ける物語25
森を拔け城に辿り着いた。
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第25話:釈放と処刑
「そこの者、ここから先はハルミア城内、何用だ?」
兵士に止められる。
「白雪姫様をお連れした。」
若者は、馬からソニアを降ろす。
「白雪姫様!?」
兵士の一人が慌てて城の奥へ走って行く。
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「サモア王!白雪姫様が若者に連れられ戻られました。」
サモアは立ち上がる。
「ソニアが!?
若者と中へ連れてまいれ。」
兵士は走って城門へ向かいました。
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瞬く間に城中に広がり牢屋にも…。
「白雪姫様が戻られたらしいぞ。」
兵士の話し声が聞こえる。
「白雪姫が戻った!?」
ロゼッタは驚く。
「あの時、林檎を食べて倒れた筈。」
ロゼッタは動揺が隠せないでいる。
「白雪姫様、ご無事だったか。」
狩人は胸を撫で下ろす。
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兵士に連れられ2人が入って来る。
「お父様!」
ソニアがサモアに駆け寄る。
「ソニア!無事で何よりだ!」
サモアはソニアを抱き締める。
(こほん!)
大臣が咳をし王は気付く。
「すまない、取り乱した。」
ソニアを椅子に座らせ、自らも座る。
「そなたが、ソニアを連れ帰ってくれたそうだな。」
若者は頭を下げる。
「そなたは何者だ?」
若者は立ち上り。
「私は、マリン公国王子、ミラでございます。」
サモアは首を傾げる。
「マリン公国?聞き覚えのない名前だが。」
兵士達も顔を見合わせる。
「西方の小さな国ですので。」
サモアは頷く。
「うむ、でわハルミア国には何をしに来られた?」
ミラ王子は。
「各国を巡り、自国の発展の為、立ち寄った所、ソニア様と出会いました。」
ミラ王子は、小人から聞いた事をサモアに話しました。
ソニアも、付け加える感じで話しました。
「ロゼッタの方が嘘を申していたのか。」
サモアは手を握り締めた。
「狩人を釈放し、ロゼッタを連れてまいれ。」
兵士は走って牢屋に向かった。
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「狩人さん、貴方を釈放します。」
狩人を牢から出し、城門へ連れていく。
「ロゼッタ、サモア王が呼んでいる。」
手錠を付けたまま出される。
「私は女王よ!
口の聞き方を弁えなさい!」
兵士はロゼッタを無視して連れていく。
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「ロゼッタを連れて参りました。」
サモア王の前で押さえつける。
(白雪姫…。)
「ロゼッタ、お主の嘘は暴かれた。
処分を言い渡す。」
ロゼッタは首を横に振る。
「いや、いや、死にたくない!」
サモア王は立ち上がり。
「一時は女王だった事を考慮し、ハルミア国東方の海域にある『ゲザン島』への遠島を処刑とする!」
ロゼッタは牢屋に連れていかれた。
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その後、ロゼッタはゲザン島へ送られた。
そして、ミラ王子は暫くの間、滞在する事になった。