時を駆ける物語24
頂上に運ばれたガラスの棺の周りの小人達は。
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第24話:白馬の若者
「白雪姫、可哀想に…。」
小人達はワンワン泣きます。
(トコトコ、トコトコ。)
馬の足音が近付いてきます。
「ここは、どう行けば抜けれるんだ…。」
白馬に乗った若者が近付く。
「お主達、この森の拔け方を知らぬか?」
その若者が尋ねるが、小人の後ろの棺に気付く。
「そこの女性は亡くなったのか?」
小人達は頷く。
その若者は馬を降り。
「見ても良いか?」
小人達は頷き棺を開ける。
「なんと美しい女性だ!」
小人達はソニアの話をしました。
「うむ、可哀想に…。」
その若者はソニアにキスをした。
小人達は驚き顔を赤くした。
すると、ソニアの口から林檎の欠片が落ちた。
「ん、林檎?」
センセーイが林檎の欠片を摘み上げる。
「うーん、ここは?」
ソニアが目を覚ました。
小人達は大喜び、ソニアの周りに集まる。
「私は何で棺の中に?」
小人達はソニアに経緯を話した。
「お婆さんから林檎を貰ったのは覚えてる…。」
若者が話し掛ける。
「貴方はもしや、ハルミア国ではの姫では?」
ソニアは頷く。
「はい、ハルミア国第一王女のソニアです。」
ソニアはスカートを摘まみお辞儀をする。
「たしか、行方不明と聞いていましたが…。」
小人達が間に入り、経緯を話す。
「そうでしたか、良ければ城へ戻られますか?」
ソニアは首を横に振る。
「いえ、今帰っても、母上が…。」
若者が、城の内情を伝える。
「母上が!?」
若者は頷く。
「今、戻られても安心ですよ。」
ソニアは小人達を見る。
「私達は大丈夫、また遊びにでも来てください。」
センセーイが答える。
「それでは、城へ戻って父を安心させに。」
若者は頷くと、ソニアを馬に乗せ、城へ向かうのだった。