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Whose pride is this horn?

作者: k5

 角は角人の命だ。

 僕たち角人は、角が生えている。僕ならインパラの。友人はシカやヤギ。水牛なんて人もいる。皆立派な角だ。

 角の無い角人は、未完成だ。命のない人形だ。だから角の生え代わりの時期、角人は眠りにつく。深く、深く、意識を閉ざす。そうすることで、誤魔化している。自らの命が角であることから目を背けている。滑稽だよね。角に誇り持つ角人が、角から目を背けているんだから。

 ん? 僕? ああ、僕は例外。片角の角人なんて、ほんとは存在しちゃいけないんだからね。角が命の角人が、角を失ったらどうなるかなんてわかるだろう? それでも僕はここにいる。誰に何と言われようとも、僕はここにある。誇りを汚す紛い物なんて言われたところで、僕の誇りは角と一緒に置いてきた。そもそも誇りの方が紛い物だよ。僕は片角になってわかったのさ。

 角人は種に帰りたがっている。一種の帰巣本能と言い換えてもいい。彼らは皆、その種の原点に戻りたがっているんだ。シカの角を持つ者はシカに。ヤギの角を持つ者はヤギに。回帰したいという潜在的無意識を持ち合わせている。角に誇りを持つということはそう言うことだ。母なる種への回帰意識をすべて詰め込んだ、ただのマザコンの表れなのさ。だから誇りは紛い物なんだ。断言しよう。角人はただのガキさ。乳離れできずに大きくなってしまった、ただの子供さ。

 角の生え代わりの眠りについている時、角人は夢を見るんだ。母なる種の夢だ。四肢を漲らせて草原を翔け回り、縦横無尽に跳ね回る夢だ。彼らは命の角を失っている間だけ、真なる命に触れられるのさ。滑稽だろ? これ以上の笑い話は無いよ。

 角人の命は角だ。

 その命を片方落としたからこそ、僕は知っている。角人の幼さを。角人の滑稽さを。

 僕は角を落としたから、そいつがうまく働かないんだ。僕は種に帰りたいと思わない。僕は夢を見ない。それでも僕はここにいるんだから、やはり僕は紛い物なのかもしれないね。

 君も食べるかい? 美味しいよ、このハムは。味はそこそこだけど、懐かしい味がするんだ。ん? 何の肉かって?

 インパラの肉さ。そう、僕の母なる種さ。共食いさ。僕は肉を食らうことでしか、幼さを、滑稽さを、感じることができないのさ。

 片角の僕の背負った呪いさ。瑠璃を飾った所で、麦酒を呷った所で、消える事の無い呪縛。それでも僕は角人として生きていく。彼らの誇りをあざ笑いながら、彼らにあざ笑われて生きていく。それが僕の生き方なんだよ。


 さて、長々と話してしまったね。角人のことを教えてほしいと言われたところで、僕にわかるのはこれぐらいだ。

 それじゃあ、もう一度聞こう。

 君は角人になりたいのかい?

 そうか、それなら歓迎しよう。

 安心していい、片角の魔神の名は伊達じゃない。次に目が覚めた時、君には立派な角が生えているよ。立派な誇りが芽生えているよ。

 ようこそ、角の街へ。



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k5にはインパラの角が生えていて、そこに瑠璃の石を飾っています。瞳は蜜柑色で髪はココア色。厚切りのハムを炙り、麦酒を飲みながら囓るのが至福のひと時です

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