終章【終わりの願いと始まりの選択】
なんと書けた!
というね。
もはや驚きを隠しきれない、私ですが。
今回は時間もあり、構想も固まっていたので、速かったのかなーーと思います。
では最終章お楽しみください。
《少年》
「んん? そんな思い詰めた顔で呼び出されるとは、思っていたより早い呼び出しだね。さて、君の願いをどうぞ」
悪魔さんはいつも通りふざけて浮かびながらそう言う。
「…………」
僕は黙って沈黙する。
「あれ? 君元気ないね? どうしたの?」
「いや。なんでもないです」
「ふーん。そうかい。じゃあ。願いをどうぞ」
悪魔さんは、そう言い、自分の耳を突き出す。
「願いは、悪魔さんの解放だよ」
僕は、本当によく悪魔さんと話していた。そしていつものように話していた時の事である。
僕は、悪魔さんの願いが気になり、聞いてみた所、答えてはくれなかったが、壺から悪魔さんの過去が流れてきたのだ。
それを見た僕は悪魔を解放しようと思ったのだ。
「な、なにを言ってるのかな? 冗談言っちゃ駄目だよ」
「冗談じゃないです。悪魔さん、いえ、プロメテウスさん」
「…………!!」
悪魔さん、いやプロメテウスの顔が驚愕に変わる。
「どこで、それを知ったのかな?」
「寝てたら勝手に記憶が流れ込んできたんです」
「同情してるのかい?」
「同情じゃないです。今まで人間のために尽くしてきたあなたに、お礼がしたいんです」
「同情してるじゃないか」
「確かに同情してるかも知れません。でも僕はこんな事を許したくないし放置したくないんです」
「…………願いには対価がいるんだよ?」
「あ、そうでした。何がいいですか?」
「君が決めなよ」
「え? 僕ですか?」
「たまには自分で決めないと」
「えっとじゃあ」
僕は間をおいて言った。
「僕の体とかどうでしょう?」
「え?」
プロメテウスが固まる。
「あれ? 釣り合いませんか? なら……やっぱり悪魔さんが考えて下さい」
僕はおどおどしてそう答えるとプロメテウスはため息をつき、適わないなーと言う。
「いいよ。じゃあ対価は君の体にするよ」
「そうですか」
「何か言うことある?」
「ないです。むしろこれは、悪魔……じゃなかったプロメテウスさんに言って貰いたいですね」
僕は胸を張ってそう言った。
「あははは。そうだね」
「ありがとう」
そうプロメテウスが言うと置いていた壺が割れた。
■□■
「あれ? なんで僕の体のまま何だ?」
僕は体を見下ろしても、服が変わっていない事が分かる。
「あれ? 僕、確かプロメテウスさんに体をあげた筈……」
(うん。ちゃんと、貰ったよ)
突然、頭の中からプロメテウスさんの声が聞こえて来る。
「え? え? どういうこと?」
(僕は君の中の人格として君の体を貰う事にしたんだよ)
「あ、そうなんですか」
(だからこれからも一緒に生きることになるけどよろしく)
「はい。よろしくです」
(でも、一ついいかな?)
「なんでしょう?」
(僕、君が女の子なんて聞いてないんだけど!)
「え? プロメテウスさん。僕の事なんだと思ってたんですか?」
(え? だって君、格好と体型がどう見ても女の子じゃないだもん)
「それは、どういう意味ですか?」
僕は声にドスを聞かせる。
(え? ひょっとして怒ってる?)
「…………」
(え? 無視? 無視? ガン無視? 君やっぱり超怒ってよね!)
「うるさいですよ。黙ってください。ってか喋るな」
(うわ。やっぱり超怒ってる。ねぇ。ごめんよ。謝るから。許してよ。ねぇ。ねぇってばーーーーーーーー)
共に生きることになった二人、彼らは、これから共に助け合い生きていく事だろう。
夕焼けの中、一人の少女が笑顔で歩いていた。
さて、この話はこれで終わりますが、続編を書こうか実際迷っているところもあります。
なので、続編を読みたい方は是非感想と共に送ってください。よろしくお願いします。