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目隠し姫  作者: 紅露猫
1/1

~黒雨~

すみません、あわてて書いたものなのでお粗末でございます・・。

それでも呼んでくださる方はどうぞお進みくださいませ。

時刻は丑三つ時、まだ闇が町を覆っているときだ。

町の中心部。

闇の中に紅い染みのようなものがあった。

それは曼珠沙華、別名 彼岸花ヒガンバナだった。何十何百と咲いていた。

曼珠沙華は紅くぼんやりと光っているようで、どこか不吉だ。

そして、城。

曼珠沙華に守られるように

黒く重たい空気を漂わせた城があった。

その城の最上階には封印の文字が書かれた部屋があり……




さて、この物語はその『城』の中で始まる。

主人公は若くして城の主となった姫。

その名は―――――




小百合さゆり姫様」

一人の家臣が頭をたれた。

「先日の件なのですが…、実はお祖母様の病が悪化して…先ほどお亡くなりになりました」

家臣の先にはすだれがかかっており、先は見えない。

「そうか、お祖母様が…」

簾の奥から響いた声は、まだ幼いものだった。

「では、私がここの城主となるのだな…」

その声には悲しみが滲んでいた。

「は、そのようにお祖母様から承っております。手配はこちらでさせていただきますので、姫様は何もなさらなくてかまいません」

家臣はそういって部屋から出て行った。

「………お祖母様」

簾の奥、小百合姫はつぶやいた。




「さみしくなっちゃった?」



扉の向こうから声がした。

それも若い男の声。

家臣じゃない、聞いたことのない声だった。


「なぁ、さみしいなら俺がいてあげる」


その声は一瞬にして彼女の背後にまわった。

「そなた、どうやって…、一瞬で…?……何者じゃ」

「それとも、さみしくない?」


その声はすぐ耳元に。

熱い息が耳に引っかかる。

「俺のこと――――知ってるくせに」

囁く男の声は優しくて、温かいものだ。

だが、なぜか悪寒と震えが全身を走る。

小百合姫は確かに彼を知っている。

それもいつも近くにいる存在。

だが、そんなはずはない。そんなはず…


「じゃぁ、もう一度教えてあげるよ。俺の名は黒雨くろさめ。死神だよ」





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