四話目
入ってドリンクバーを頼んで
無言のまま時が過ぎた。
することがなくてつい四季さんの方を見てしまう。
なんだかもっと昔から知ってる気がする。
ついこの間会ったばっかりじゃない気がする。
すると四季さんが振り返る。
目が合う。
気まずい空気が流れる。
・・・
「それじゃあ帰ります。」
四季さんがそう言って荷物を手に取る。
俺は何もせずに座っているままだった。
*
夜遅くにメールが来た。
起きていたのだからいいのだけれど
それでもなぜか苛々した。
件名のないメールにはこう書かれていた
「さようなら。」
と一言。
誰からのメールなのかは分からない。
それを示すはずの場所に
何も書いてなかったのだから・・・
でもなぜか焦った。
*
気づけば息を切らして学校の前まで来ていた。
ここに来るまで誰とも合わなかったのは
夜中だから・・・
という理由だけじゃないと思う。
ここに来るまで出れとも合わなかった。
そう
ここに来て今夜、初めて人と会った。
人は語りだす。
「たとえ違う世界であっても
同じ命が存在することはできない。」
あまり聞き覚えがないが、
確実に聞いたことのある声。
「わたしは危機に陥っていた。
だから今私はここに存在できた。」
だんだん目が街灯の明かりに慣れてくる。
「でも私が存在していてはわたしは助からない。
後に煎じられた薬は消えるしかない。」
今日やっと知り合った。
「もうこの世界は崩れる。」
四季さん・・・
いや、俺・・・
俺のオリジナルが書いたシキを
オリジナルとした存在。
「恨むなら書き手を恨むことだ。」
四季とともに消える。
なら俺は何をすべきか、
どうせなら思い残しがないように
自分のキャラに対する愛着でも
示すことにしようか・・・