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風葬のシルヴァ  作者:
第五章 魔王軍隊長
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第72話 神の風

 魔王城最奥。


 崩れた玉座の間。


 炎が燃え上がり、大地が裂け、侵食の闇が床を覆っている。


 その中心に立つのは――


 魔王。


 リベリオン•ゼノア。


 そしてその前に立つのは――


 シルヴァ。


 風が渦巻いていた。


 ティナが呟く。


「……シルヴァ」


 クジャも感じていた。


「風が変わった」


 ミルスが静かに言う。


「それは」


「神が作った力」


 シルヴァの周囲で風が爆発する。


 ドォォォォォン!!


 巨大な竜巻が広間を覆う。


 ゼノアが笑った。


「いい」


 魔王が腕を振る。


 炎。


 巨大な火柱が落ちる。


 第五魔王の力。


 だが風がそれを吹き飛ばす。


 次の瞬間。


 地面が隆起する。


 岩の柱。


 第二魔王の力。


 シルヴァが剣を振る。


 風刃。


 岩が砕ける。


 さらに侵食が広がる。


 黒い闇が空間を覆う。


 第三魔王の力。


 だが。


 風が闇を吹き散らす。


 ゼノアが目を細めた。


「やはり」


 シルヴァの足元で風が渦巻く。


 まるで生きているように。


 ゼノアが言う。


「神の風」


 その瞬間。


 シルヴァの瞳が光った。


 ドォォォォォン!!


 巨大な竜巻が天井を突き破る。


 魔王城が震える。


 ティナが思わず言った。


「……覚醒」


 クジャが笑う。


「主人公モード入った」


 シルヴァが剣を構える。


 風が刃を包む。


 静かな声。


「行く」


 その瞬間。


 シルヴァが消えた。


 風速。


 ゼノアの背後へ回る。


「天風創断」


 斬撃。


 魔王の背中を切り裂く。


 血が飛ぶ。


 ゼノアが初めて大きく後退した。


 クジャが叫ぶ。


「入った!」


 だがゼノアは笑っていた。


「いい」


 次の瞬間。


 魔王の魔力が爆発する。


 炎。


 大地。


 侵食。


 雷。


 闇。


 すべてが同時に暴走する。


 ゼノアが言う。


「なら」


「こちらも本気だ」


 闇がさらに膨れ上がる。


 魔王の翼が広がる。


 魔力が空間を歪ませる。


 ミルスが呟く。


「……まずい」


 ティナが聞く。


「何が?」


 ミルスが答える。


「魔王は」


「まだ本気じゃない」


 クジャが苦笑する。


「え」


 ゼノアが言う。


「神の子」


 その瞳が輝く。


「どこまで耐えられる」


 シルヴァが剣を握る。


 風がさらに強くなる。


 そして静かに言った。


「倒す」


 風が唸る。


 神と魔王。


 本当の最終決戦が始まる。

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