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風葬のシルヴァ  作者:
第五章 魔王軍隊長
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第71話 風の目覚め

 瓦礫の中から、シルヴァが立ち上がる。


 血が流れている。


 呼吸も荒い。


 だが剣はまだ握っていた。


 その周囲で、風が渦巻いている。


 ティナが小さく呟いた。


「……シルヴァ?」


 クジャも気づく。


「風、変わってない?」


 ミルスがかすれた声で言う。


「それ」


「ただの風じゃない」


 その瞬間だった。


 ゼノアが動いた。


 消える。


 次の瞬間。


 シルヴァの前。


 拳。


 ドォォォォン!!


 衝撃。


 だが――


 風が弾いた。


 ゼノアの拳が、見えない壁に止められている。


 ゼノアが目を細めた。


「ほう」


 シルヴァの足元で、風が渦を巻いている。


 まるで生き物のように。


 ゼノアが言う。


「神の風」


 シルヴァは答えない。


 ただ剣を構える。


 その瞬間。


 炎。


 巨大な火柱が降り注ぐ。


 第五魔王。


 炎支配。


 だが風が爆発した。


 ドォォォン!!


 炎が吹き飛ぶ。


 ティナが驚く。


「今の……」


 クジャが笑う。


「やば」


 ゼノアが腕を振る。


 地面が隆起する。


 巨大な岩壁。


 第二魔王。


 大地支配。


 シルヴァが剣を振る。


 風刃。


 岩が砕ける。


 ゼノアがさらに魔法を放つ。


 雷。


 侵食。


 炎。


 すべてが同時に襲う。


 だが。


 風がそれをすべて弾く。


 ゼノアの目が輝いた。


「いい」


 ゼノアが一歩踏み出す。


 次の瞬間。


 拳と剣がぶつかった。


 ドォォォォン!!


 衝撃。


 床が砕ける。


 シルヴァの身体が後ろへ滑る。


 だが倒れない。


 ゼノアが笑う。


「やっとだ」


 ティナが飛び込む。


「光裂斬!」


 光の刃。


 ゼノアが腕で受ける。


 その瞬間。


 クジャがカードを投げた。


「♠︎」


 爆発。


 死角から直撃。


 ゼノアが数歩後退する。


 ティナが言う。


「シルヴァ!」


 シルヴァが頷く。


 三人が同時に動いた。


 ティナが正面。


 クジャが側面。


 シルヴァが上空。


 ゼノアが笑う。


「いい連携だ」


 だがその瞬間。


 侵食が広がる。


 黒い闇が三人を囲む。


 第三魔王の力。


 空間侵食。


 クジャが叫ぶ。


「これ来た!」


 床が崩れる。


 だが。


 風が爆発した。


 竜巻。


 侵食を吹き飛ばす。


 ゼノアが目を細める。


「やはり」


 シルヴァの周囲で風がさらに強くなる。


 白い髪が舞う。


 空気が震える。


 ミルスが呟いた。


「……目覚める」


 ティナが聞き返す。


「何が?」


 ミルスが答える。


「神の力」


 ゼノアが笑った。


「そうだ」


 魔王の魔力がさらに膨れ上がる。


 炎。


 大地。


 侵食。


 雷。


 闇。


 すべてが同時に渦巻く。


「来い」


 ゼノアが言う。


「神の子」


 シルヴァの剣が光る。


 風が唸る。


 覚醒の瞬間が、近づいていた。

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