第69話 圧倒的魔王
魔王の魔力が膨れ上がる。
空間が震える。
ゼノアの周囲で炎が揺れ、床が軋み、闇が蠢く。
ティナが小さく呟いた。
「……桁が違う」
クジャが苦笑する。
「これが本物の魔王か」
シルヴァは何も言わない。
ただ剣を握る。
風が静かに揺れていた。
ゼノアが一歩踏み出す。
その瞬間だった。
ズドォォォォン!!
地面が隆起する。
巨大な岩壁が三人を分断した。
第二魔王。
大地操作。
「くっ!」
ティナが跳ぶ。
だが次の瞬間。
炎が爆発した。
巨大な火柱。
第五魔王。
炎の力。
クジャがカードを投げる。
「♦︎!」
爆発。
炎が弾ける。
だがその直後。
床が黒く染まった。
侵食。
第三魔王の能力。
床が腐る。
石が崩れる。
クジャが叫ぶ。
「うわこれ本当に嫌!」
シルヴァが風を放つ。
「飛べ!」
風圧。
三人が同時に宙へ跳ぶ。
その瞬間。
雷。
轟音と共に落雷が落ちた。
ティナが驚く。
「また雷!?」
ミルスの声が遠くから聞こえる。
「第四魔王の……魔法」
ゼノアはすでに使いこなしていた。
炎。
大地。
侵食。
雷。
四つの力が同時に襲う。
クジャが呟く。
「無理ゲー」
シルヴァが言う。
「連携だ」
三人が動く。
ティナが先に飛び込む。
「閃光斬!」
光の斬撃。
ゼノアが腕で受ける。
その瞬間。
クジャが横から回り込む。
「♠︎」
爆裂カード。
ゼノアの足元で爆発。
バランスが崩れる。
そして。
風。
シルヴァが突っ込む。
「天風創断」
斬撃。
ゼノアの肩を切り裂いた。
血が飛ぶ。
だが。
次の瞬間。
魔王の拳。
ドォォォォン!!
シルヴァが吹き飛ぶ。
壁に叩きつけられる。
「シルヴァ!」
ティナが叫ぶ。
だがゼノアは止まらない。
地面が裂ける。
岩槍が突き出す。
ティナが回避する。
その瞬間。
炎。
ゼノアの腕から巨大な火球が放たれる。
クジャがカードを投げる。
「♦︎」
爆発。
だが衝撃波でクジャが転がる。
「うわ!」
ティナが光を放つ。
「光撃!」
ゼノアの身体に直撃する。
だが魔王は動じない。
第六魔王。
魔力増幅。
ゼノアのオーラがさらに膨れ上がる。
ミルスがかすれた声で言った。
「……まずい」
シルヴァが立ち上がる。
血が流れている。
だが剣はまだ握っている。
ゼノアがそれを見る。
「立つか」
シルヴァが言う。
「当たり前だ」
ゼノアが笑った。
「いい」
次の瞬間。
ゼノアの背後に巨大な魔力が集まる。
炎。
大地。
雷。
侵食。
すべてが一つに集まる。
クジャが顔色を変えた。
「……あれは」
ティナも気づく。
「まずい」
ゼノアが言う。
「終わりだ」
巨大な魔力が三人へ放たれる。
その瞬間。
風が爆発した。
ドォォォォォン!!
竜巻。
巨大な風の壁が魔力を受け止める。
ゼノアが目を細める。
シルヴァだった。
風が渦巻いている。
いつもより強い。
クジャが呟く。
「……来た?」
ティナも感じていた。
風が違う。
シルヴァが静かに言う。
「まだだ」
だが。
ゼノアは笑っていた。
「面白い」
魔王の魔力がさらに膨れ上がる。
空間が歪む。
ミルスが呟く。
「……次で」
「来る」
魔王の本当の姿。
第二形態。
その兆しが、すでに現れ始めていた。




