第68話 三人の連携
ミルスが崩れ落ちる。
「ミルス!」
ティナが駆け寄った。
ミルスの胸の光は消えている。
第四魔王の核。
それはもう――魔王の手の中だった。
ミルスはかろうじて意識を保っている。
だが立てない。
「……戦えないわ」
その言葉は、静かだった。
クジャが顔をしかめる。
「それは困るなぁ」
ティナが言う。
「無理しないで」
ミルスは小さく笑った。
「そうする」
その代わり。
視線が三人へ向く。
「任せたわ」
シルヴァが剣を握る。
「ああ」
魔王ゼノアがそれを眺めている。
手の中で第四魔王の核を転がしながら。
「いい光景だ」
その声は楽しそうだった。
「仲間が倒れ」
「残った者が戦う」
ゆっくり歩く。
魔力が空間を歪める。
「だが」
ゼノアが言う。
「三人では足りない」
その瞬間だった。
ズドォォォォォン!!
地面が裂けた。
巨大な岩柱が突き上がる。
第二魔王。
大地操作。
シルヴァが跳ぶ。
「散れ!」
風が爆発する。
岩が砕ける。
だがその直後。
炎。
爆発的な火柱が広間を覆った。
第五魔王。
炎支配。
ティナが光を放つ。
「光断!」
光の刃が炎を切り裂く。
クジャがカードを投げる。
「♠︎」
爆発。
煙が広がる。
その煙の中から黒い影が広がった。
侵食。
第三魔王の能力。
床が腐り始める。
クジャが叫ぶ。
「これ嫌い!」
シルヴァが風を放つ。
竜巻が侵食を吹き飛ばす。
だがその瞬間。
雷が落ちた。
轟音。
ティナが驚く。
「雷!?」
ミルスがかすれた声で言う。
「……第四魔王」
魔王はすでに核の力を使い始めていた。
炎。
大地。
侵食。
雷。
四つの力が同時に襲いかかる。
ティナが歯を食いしばる。
「めちゃくちゃね!」
クジャが笑う。
「ラスボスっぽい!」
シルヴァが言う。
「行くぞ」
三人が同時に動く。
ティナが前へ。
光が爆発する。
「閃光連撃!」
光の嵐。
ゼノアが腕で受ける。
その瞬間。
クジャが横へ回り込む。
「♦︎」
爆発カード。
死角から直撃。
煙が広がる。
そして。
風。
シルヴァが突っ込む。
「天風創断」
風の斬撃。
ゼノアの胸へ直撃した。
轟音。
魔王の身体が数メートル吹き飛ぶ。
広間が静まり返る。
ティナが目を見開く。
「入った!」
煙の中。
ゼノアがゆっくり立ち上がる。
胸に深い斬り傷。
血が流れている。
ゼノアはそれを見下ろす。
そして笑った。
「いいな」
次の瞬間。
炎が傷口を覆った。
ジュッ……
血が蒸発する。
第五魔王の炎。
ゼノアはそのまま剣を構える三人を見た。
「だが」
魔力が膨れ上がる。
第六魔王。
魔力増幅。
ゼノアのオーラが一段階強くなる。
地面が震える。
炎が燃え上がる。
侵食が広がる。
雷が空間を裂く。
ゼノアが言う。
「これが」
「魔王だ」
シルヴァが剣を握る。
風が唸る。
ティナが光を纏う。
クジャがカードを構える。
三人。
対。
魔王。
第一形態。
戦いはまだ始まったばかりだった。




