第57話 魔女の眼帯
魔王城・東塔。
赤黒い絨毯が敷かれた広間。
その中央で、一人の少女が立っていた。
クジャ。
そして――
その前に立つのは。
魔王軍第三隊長。
ベルフィリア。
長い紫髪。
鋭い目。
そして狂気を含んだ笑み。
「へえ」
ベルフィリアが言う。
「あなたがクジャ」
クジャは肩をすくめる。
「そうだけど」
「あなたがベルフィリア?」
ベルフィリアが軽く笑う。
「ええ」
「魔王軍第三隊長よ」
ゆっくりと歩き出す。
「あなた」
「可愛いわね」
クジャが眉をひそめる。
「気持ち悪い」
ベルフィリアが笑う。
「強がらなくていいのよ」
「あなたみたいな子」
目を細める。
「何人も壊してきたから」
クジャの目が少しだけ変わる。
「……そう」
ベルフィリアが剣を抜く。
「でもね」
「今日は少し楽しめそう」
次の瞬間。
ベルフィリアが消えた。
ドン!!
斬撃。
クジャが後ろへ跳ぶ。
床が裂ける。
ベルフィリアが笑う。
「速いでしょ?」
クジャはカードを取り出す。
ヒュン!!
数枚のカードが飛ぶ。
ベルフィリアが剣で弾く。
キン!
キン!
キン!
だが。
一枚のカードが爆発した。
バァン!!
煙が上がる。
ベルフィリアが後ろへ跳ぶ。
「……爆発?」
クジャが笑う。
「トランプは色々できるんだよ」
ベルフィリアの目が細くなる。
「面白い」
その瞬間。
闇のオーラが広がる。
ベルフィリアの背中から黒い翼が生えた。
魔神化。
空気が重くなる。
クジャが小さく息を吐く。
「やっぱり来た」
ベルフィリアが笑う。
「ここからが本番よ」
闇の魔力が広間を覆う。
床から黒い槍が突き出す。
クジャがカードを投げる。
「爆札」
ドォン!!
槍が爆発する。
だが。
闇は止まらない。
ベルフィリアが言う。
「あなた」
「まだ本気じゃないわね」
クジャは少し黙る。
そして。
ゆっくりと手を伸ばした。
眼帯に触れる。
ベルフィリアの目が鋭くなる。
「……それ」
クジャが小さく笑う。
「見たい?」
ベルフィリアが笑う。
「ええ」
クジャは静かに言った。
「じゃあ」
眼帯に手をかける。
「後悔しないでね」
次の瞬間。
眼帯が外れる。
その瞬間――
広間の空気が凍りついた。
凄まじいオーラ。
ベルフィリアの顔から笑みが消える。
「……何よ」
クジャの右目。
そこには。
深い闇の力が宿っていた。
クジャが言う。
「ここから」
カードが宙に舞う。
「本気」
次の瞬間。
カードの嵐がベルフィリアを襲う。
戦いは一気に激化する。




