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風葬のシルヴァ  作者:
第五章 魔王軍隊長
55/80

第55話 氷界の終幕

 魔王城・北塔。


 巨大な氷柱が広間を埋め尽くしていた。


 その中心に閉じ込められているのは――


 魔王軍第二隊長、ヴァイラ。


 ミルスの氷界魔法によって作られた牢獄だった。


 氷の魔力が空間を支配している。


 ヴァイラは氷柱の中心で剣を構えていた。


「えらいもんやな」


 関西弁の人格が笑う。


「ここまで氷の世界にされるとは思わへんかったわ」


 ミルスは静かに杖を構えた。


「終わりよ」


 ヴァイラは少し肩を回す。


「そうやろな」


 だがその目は鋭い。


「せやけどな」


 黒いオーラが膨れ上がる。


「隊長が簡単に終わると思うなや」


 ドォン!!


 魔神化。


 氷牢がひび割れる。


 ミルスの目が細くなる。


「……壊すつもり?」


「当然や」


 ヴァイラは剣を振り上げる。


「斬るだけや」


 次の瞬間。


 剣が振り下ろされた。


 氷牢が真っ二つに裂ける。


 ミルスが後退する。


「やっぱり化物ね」


 ヴァイラは笑った。


「誉め言葉として受け取っとくわ」


 その瞬間。


 ミルスの杖が光る。


「氷界魔法・第二段階」


 魔法陣が広がる。


 床。


 天井。


 壁。


 全てが凍る。


 広間そのものが氷の世界へ変わった。


 ヴァイラの笑みが消える。


「……ほう」


 ミルスは静かに言った。


「ここはもう私の世界」


 魔力が爆発する。


「氷皇結界」


 空間が完全に凍る。


 ヴァイラの動きが鈍る。


「動きが……」


 ミルスは杖を掲げた。


「終わりよ」


 巨大な氷槍が生成される。


 それは先ほどとは比較にならない規模だった。


「氷葬槍」


 ヴァイラが剣を構える。


「ええやん」


 笑う。


「最後にええもん見れたわ」


 剣を振る。


「ほな来い」


 氷槍が落ちる。


 ドォォォォン!!


 衝撃。


 氷が砕ける。


 広間が崩れる。


 静寂。


 煙が晴れる。


 ヴァイラは地面に膝をついていた。


 胸を氷槍が貫いている。


 血が床を染める。


 ヴァイラは少し笑った。


「……強いな」


 ミルスは静かに立っている。


 ヴァイラが続ける。


「せやけど」


 視線を上げる。


「まだ終わりやないで」


 ミルスが眉をひそめる。


「どういう意味?」


 ヴァイラは笑う。


「魔王はな」


「こんなもんやない」


 そして。


 ゆっくりと崩れた。


 ドサッ。


 魔王軍第二隊長ヴァイラ。


 その命は完全に消えた。


 ミルスは静かに目を閉じる。


「……」


 戦いは終わった。


 だが。


 魔王城の奥では――


 まだ戦いが続いている。


 遠くで巨大な衝撃音が響いた。


 ミルスが顔を上げる。


「シルヴァ」


 その戦いは。


 さらに激しいものになる。

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