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風葬のシルヴァ  作者:
第五章 魔王軍隊長
54/80

第54話 氷と風の魔導士

 魔王城・北塔。


 長い石廊下の奥に、巨大な円形の魔法陣が刻まれた広間があった。


 そこに立っていたのは二人。


 ミルス。


 そして――


 魔王軍第二隊長、ヴァイラ。


 黒いロングコートを揺らしながら、ヴァイラは静かに言った。


「へえ」


「お前が第四魔王か」


 ミルスはため息をついた。


「その呼び方、あまり好きじゃないのよね」


「私は私よ」


 ヴァイラは肩をすくめる。


「だが事実だ」


「魔王の欠片を宿した存在」


 ミルスは氷の杖を軽く回す。


「あなたこそ」


「魔王軍の隊長でしょう?」


「随分余裕そうね」


 ヴァイラはゆっくりと剣を抜く。


 カチン、と静かな金属音。


「余裕ではない」


「ただ」


 目を細める。


「面白そうだと思っているだけだ」


 次の瞬間。


 ヴァイラが消えた。


 ドン!!


 ミルスの横に現れる。


 剣が振り下ろされる。


 しかし――


 ガキィン!!


 氷の盾が出現する。


 ヴァイラの剣を弾いた。


 ミルスはすでに距離を取っていた。


「速いわね」


 ヴァイラは剣を構え直す。


「お前もな」


 ミルスが杖を掲げる。


「じゃあ、少し本気で行くわ」


 魔力が集まる。


 空気が冷える。


「氷刃」


 数十本の氷の刃が空中に生まれる。


 ヴァイラが笑う。


「魔法使いらしい攻撃だ」


 次の瞬間。


 ヒュン!!


 氷刃が一斉に飛ぶ。


 ヴァイラが剣を振る。


 キン!


 キン!


 キン!


 氷刃を弾く。


 しかし。


 その背後。


「火炎弾」


 ボォン!!


 爆発。


 炎が広がる。


 ヴァイラは煙の中から跳び出した。


 コートが少し焦げている。


 ヴァイラは小さく笑う。


「氷だけではないのか」


 ミルスは軽く肩をすくめた。


「当然」


「私は魔法使いよ」


 杖を振る。


「雷槍」


 バチィ!!


 雷の槍が飛ぶ。


 ヴァイラは横へ回避。


 だがその瞬間。


「風刃」


 風の刃が横から襲う。


 ヴァイラはギリギリで受け止めた。


 ガキィン!!


 衝撃。


 床に亀裂が走る。


 ヴァイラの目が細くなる。


「なるほど」


「氷・炎・雷・風」


「多属性魔法か」


 ミルスは笑う。


「やっと理解した?」


 ヴァイラはゆっくり息を吐く。


「いいだろう」


「なら」


 剣を構える。


「こちらも本気を出そう」


 その瞬間。


 ヴァイラのオーラが変わった。


 空気が歪む。


 ミルスの顔つきが変わる。


「……あら」


 ヴァイラが呟く。


「少し面倒な相手だ」


 その時だった。


 ヴァイラの表情が一瞬だけ歪む。


 そして――


「……あー」


 頭をポリポリ掻いた。


「なんやねん」


 関西弁。


 ミルスが目を丸くする。


「え?」


 ヴァイラは肩を回した。


「なんやこの身体」


「久しぶりに出てきた気ぃするわ」


 ミルスは呆れた顔をする。


「……まさか」


 ヴァイラが笑う。


「そう」


「二重人格や」


 剣を軽く振る。


「さっきのは真面目な方」


 ニヤリと笑った。


「今からは」


「俺や」


 空気が変わる。


 ミルスの背筋に寒気が走る。


「へぇ……」


「面白いじゃない」


 杖を構える。


「やりましょう」


 二人の魔力がぶつかる。


 戦いは――


 さらに激しくなる。

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