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第1章:おもちゃみたいなボタン

結婚5年目のラブラブ夫婦がある日、過去に戻るボタンを押してしまう。記憶を頼りにまた出会えるよう、一度目の人生を再現するが、なかなかうまくいかなくて…!?

2人はまた出会って夫婦となることができるのか!?やり直し結婚生活の第1弾開幕!

「えぇ!?開発部のはずじゃ!?」


思わず口に出してしまい、周囲からの目線が痛い。


「どれどれ〜せっちゃんは何部だ〜?おっ私と同じだZE★」

私の配属結果を覗き込むと、同期の卯月ちゃんは嬉しそうに私の顔を見る。


「あっ、そうなのね!おっけー…おっ…けー…。」


私、瀬川春子、23歳。

今予想外の展開に頭が追いついていません。


たしか一度目は、配属希望調査の第2希望を開発部にしたはず。

それで開発部に配属になった。


だから今回は第1希望を開発部にしたのに、なぜかまた第2希望に配属されてしまったようだ。

生産技術部って開発部と全然建物が違うじゃんよぉ…。第1希望の方が通りやすいと思ってたのに、どこで選択を間違えた…。


私が何故こんなに開発部に入りたかったかというと、私の愛する人と出会うことが決まっているからだ。


あ、もちろん開発部の仕事も楽しいので、それだけが理由ってわけではない。それに愛する人だなんて…と危ない人間とも思わないでほしい。ここは分かってほしい。


私は二度目のこの人生、正直ここに賭けていた。だから今相当にショックを受けている。少なくとも1日は立ち直れそうにない。


そう、私はこの人生を経験するのが二度目だ。やりたくて二度繰り返しているわけではない。

私のちょっとした好奇心と不注意のせいでこうなってしまったことを、私の愛する人には詫びたい。


今貴方はどこにいるのだろうか…。

私のことは忘れて楽しく暮らしているのだろうか。

だとしても私は一目でもいいからまた貴方に会いたいし、

あわよくばまた貴方と惹かれ合って、結婚して幸せな生活を送りたい。

だから私はなるべく一度目の人生をトレースするようにしている。


…とはいえ、同期の卯月ちゃんと同じ部への配属というのは正直かなり嬉しいし心強い。


そういえば一度目の人生のときも、卯月ちゃんは生産技術部に配属されていた気がする。二度も第1希望が通るなんて羨ましい限りだZE★


生産技術部のオフィスへ到着すると、まるで開発部とは違う賑やかさだった。


「あ、新人の瀬川さん、卯月さんね。生産技術部で教育担当の袴田です〜よろしゅう〜。」


京都弁を話す、人の良さそうな初老の男性が教育担当者のようだ。


互いに軽く自己紹介を終え、配属初日に行う各種手続きや今後携わる業務の説明を受ける。


前回の人生と同じ開発部に配属されたのであれば、前回の知識を使ってスムーズに業務を進められたのだろうが、

経験したことがない部署の業務だとそうはいかない。


私の目論見が外れたことへのショックはいったん置いておいて、まずは袴田さんの話に追いつけるように必死に食らいつく。


袴田「〜ということだから、まずは各々自席でPCのセットアップからよろしくね〜。」


「かしこまりました!」


PCのセットアップをしながら、なんとかして開発部の建屋に潜り込めないかを考える。


「まぁ会えるとは限らないよなぁ…。」

思わずこぼした本音にもすかさず卯月ちゃんが反応する。


「はいはーい、愛しの彼に会う計画のリスケについてはまた今夜付き合ったげるからさ!とりま今日を乗り切ろーZE!」


持つべきものは信頼できる友だね…本当にありがたい。

女子寮に帰ったらお酒とつまみを持って卯月ちゃんの部屋に行こう…。


そこでまた計画を立て直せばいい。

二度目の人生、13歳の頃からずっとそうやって計画を立て、実行しては撃沈を繰り返してきたのだ。

いくら期待していたとはいえ、この10年の重みに比べれば他愛もない。


私はそう自分に言い聞かせた。

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