妹の主張
どうして私が責められなければならないの?
悪いのは我が家の色を持たずに生まれてきたお姉さまの方じゃない!
私はただ、お姉さまに相応しくないものを取り上げて、正しい形に戻しただけ。
お父さまもお母さまも言っていたわ。
おじいさまおばあさまだって言っていたのよ。
正しく伯爵家の子である私が、家を継げたらどれだけ良かったかって。
そうしたらずっと一緒にいられるのにねって。
どうして異質な色をしたあの子が家に残るのだろうって。
そうね。
物心ついたときから、私とお姉さまの間に交流はなかったわ。
お姉さまは次期当主としての教育に忙しくて、私の相手なんてしている暇はないといつも言っていたそうだもの。
妹と一緒に過ごす時間も取らないなんて。
冷たい人でしょう?
そんな人だから、お姉さまは婚約者にも冷たかった。
次期当主だからって、お姉さまには早いうちから婚約者がいたの。
それも公爵家からの紹介よ?
しかも相手は侯爵令息だって言うじゃない?
お姉さまには相応しくないと思ったわ。
お父さまだって、お母さまだって。
公爵家から勝手に相手を決められることを怒っていたもの。
でもいくらお父さまたちが反対していても、その人は家に現れた。
もうびっくりしちゃったわ。
後から私も、お母さまの娘なのだと思ったわね。
目が合った瞬間に、もう分かったの。
この人が私の運命の相手だって。
もちろん、お姉さまの相手ではないわ。
私の運命の人よ!
それでね、うふふ。
運命の相手同士って、惹かれ合うものでしょう?
お父さまとお母さまもそうだったように、私たちもすぐに愛し合うようになったわ。
あの人はね、将来のお勉強のために、しばらく我が家に滞在することになったの。
女伯爵の夫として覚えることは沢山あるんですって。
それなのにお姉さまったら、忙しいからってあの人とも一緒にいる時間を取らなかったのよ?
だから最初から私がお相手をしていたの。
彼もそれをとても喜んでくれていたわ。
それである日、お母さまが言ったのね。
お互いに好き合っている同士で結婚した方が上手くいくのではないかしらって。
私は大賛成したわ。
でも、お父さまとおじいさま、それにおばあさまが、すぐに頷いてくださらなかったの。
公爵家からのお話だったから、こちらの都合で簡単に婚約相手を変えられないのですって。
公爵家と言ったって、お母さまの実家じゃない。
そんなの、お母さまがお願いしたら、どうとでもなるでしょう?
あちらのおじいさま、おばあさまとは、ほとんどお会いしたことがなかったけれど。
可愛い娘と可愛い孫の頼みを聞いてくれないわけがないわ。
だから、お母さまと一緒にお願いに行こうと思ったのよ。
それなのにお母さまったら、実家には帰りたくないんですって。
おばあさまがとっても厳しい人で、お姉さまみたいに冷たい人だから、会いたくないんですって。
せっかく彼も冷たいお姉さまより、私と結婚したいと言ってくれているのに。
どうして我が家のことなのに、公爵家が決めるのかしら?
それでね、おじいさまが言ったの。
結婚相手を変えなければならない事態になれば、誰であろうと文句は言えないだろうなって。
おじいさまは凄い人でしょう?
天才なのよ。
なのにどうして?
私たちが悪いように言うの?
悪いのは私たちではなく、お姉さまでしょう?
お姉さまが意地悪をして、婚約を続けていたのよ?
愛し合う私たちの仲を知っていたのに、婚約を辞退しなかったんだから。
本当に酷い人よね。
せっかく運命の相手と出会えたのに。
私たちの悲劇は、お姉さまがいたこと。
お父さまとお母さまの子どもとして、私だけが生まれていたら良かったのに。
え?お姉さまは、お父さまとお母さまの子どもではなくなったの?
そうなの!それは嬉しいわ。
ねぇ、良かったわね。
これであなたと結婚出来るわ!




