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【完結】どくはく  作者: 春風由実


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あなたの告白⑤


 もう何も聞きたくないって?


 そう言わず、まだ少し付き合ってくれよ。

 今日は彼女がいなくて寂しいんだ。


 それに君とは、よく分かり合っておきたいからね。

 ほら、彼女も言っていただろう?


 側に置く者の本質を知っておきたいのだと。

 そういうことだよ。


 君が彼女を害さない本質にあることは分かっている。

 だが人は誤認から、計らずも予期せぬ行動をして、結果誰かを傷付けてしまうことがあるだろう?


 だから信用のおける者たちとも、日頃から積極的に意思の疎通を図っておくことを、私は重要視しているんだ。



 話し相手が欲しいだけでは?

 そう言うなよ。



 そうだ、彼女のいない間に今回の件の情報も共有したい。

 君もここに来る前に調書は読んだね?


 まず聞こう。

 気になった点はあるか?


 両親や妹、祖父の言動は分かりやすかった。

 しかし祖母については分からないことが多いか。


 いきなりこちらも明確な答えを持たない質問を投げてくるのが、君らしいな。

 うーん、かの人たちも夫人のすべては理解出来ていないような気がしている。

 私も直接会っているけれど、挨拶をしたくらいで、結局その為人は分からず仕舞いだ。


 感じたことならば話せるから、これを共有しておこうか。


 分からないところの多いあの夫人の振舞い方として最も気になった点は、息子、そう彼女の父親のことだった。

 大事な息子をもっと真面に育てることも出来たであろうに、それをしなかったところには、深い闇を感じたよね。


 あぁ、やっぱり君もそこが気になったか。


 愛情なのか、憎悪なのか。保護か、復讐か。

 もっと別の、私たちが思い至らないような何かだったのかもしれない。

 

 しかし検証はいいが、勝手に想像し決め付けることは良くないからね。

 この件については話が終わってしまうな。


 彼女?私たちと同じように分からないと言うだろう。

 祖母はよく知らない人だったのだから。


 だが彼女に害をなすことはないだろうとは思えている。

 問題は夫人以外の者たちだ。

 あれはまだ彼女に関わろうとするだろうから、油断せずよく見張っておくよう、定期的に指示しておいてくれ。



 他に質問は?


 うんうん、いいね。そこを聞くか。

 君にも是非かの人たちに伝えて欲しいものだよ。


 あの令息は要らなかっただろうってね。


 違う?

 自分はあの令息が必要だったかと聞いただけだって?


 でも君だって、あいつは要らなかったのではないかと思っているから、聞いたのだろう?



 もちろん私は、あんな男はこの件に要らなかったと思っている。




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