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【完結】どくはく  作者: 春風由実


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あなたの告白③


 幼い彼女?

 いやぁ、可愛かったよ。


 そういうことではない?

 どういう子どもだったか、か。


 大人顔負けの辛辣な言葉を並べる少女だったね。

 つんと澄ました可愛い顔をしてさ。

 静かに毒を吐いていく。


 その言葉がまた胸に刺さるんだよ。

 ぐさぐさと来て、痛いんだけど、これが嬉しかった。


 何者にも迎合せず、自分の意見を言う姿は、堂々たるものだったね。

 いやぁ、惚れ惚れしたなぁ。


 誰にも頼らずひとりで立っていられる子どもでもあった。


 だけど人を頼らないというわけではなくてね。

 自分のすべきこと、他者がすべきこと、その線引きをあの幼さで理解している、そういう賢さにも惚れていたなぁ。


 振舞いから自分に求められている役割をしっかりと理解していることも見て取れていたよ。


 少し話せばその聡明さも簡単に明るみになって。

 会話もよく弾み、あの日の楽しい気持ちといったら、いつでもありありと思い出せるね。


 長くなるけどすべて語ろうか?

 初日からもう全部がとても好きになっていたんだ。


 彼女がくれた最初の言葉は──。


 え?惚気話は聞きたくない?


 それは残念。



 そうだな、彼女は今とそう変わらないのかもしれない。

 だけど人の本質なんて、幼い頃から変わるものでもないと思わないか?


 私もそうだし、君だってそうだ。


 つまり彼女も元からそういう人だということだよ。



 なのに多くの者はそれが分からない。

 いや、認めたくないのだろう。


 優しくしたら泣いて喜んでくれるものだと期待して、善人の皮を被り彼女に近付く者たちは後を絶たず。

 憐れな少女なら好きに出来ると思い寄って来たものだから、彼女の本質に触れるやその期待が外れたことを悟るだろう?

 すると今度は批判する側に回るのだよ。


 自分の間違いを認めないためにね。

 時には自分の凡庸さを認めないために。


 今だって彼女が言われているのは知っているね?


 愛情に飢えていたせいで、酷く捻くれて育っているとか。

 愛を知らないから、冷酷なのだと言うものもいたな。

 逆にそういう子どもらしくない子どもだったから親に愛されないんだと言ったものもいた。


 うん、その筆頭が彼女の乳母だよ。


 私はね、彼女の両親や妹、祖父母たちよりもずっと、あの乳母が憎らしいし、許せていない。






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