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悪役令嬢がやらなそうなこと

『酒カス悪役令嬢ゆかりちゃーん!!!(タイトルコール)』


「あ゛あ゛ぃ(うめき声)」


酒カスのゆかりちゃんは29歳、ニートだよ!

家族構成は、父・母・妹が一人いるよ!

趣味はないし、罪悪感に苛まれてする時間もないよ!(無慈悲)

好きなものはお酒、漫画だよ!

だけど、この前推しがモブにやられちゃってとっても鬱だよ!


「あ゛〜疲れた……今日はもうやけ酒だね!(『は』×『も』◯)」


現在、深夜2時。自分の部屋。

まだ寝なくていいか……、と思いながら布団でゴロゴロする。

あ!「プロレスラー田西」の最新話更新されてる!


でも、山西(推し)死んだんだよな……。


……いやいや、他にも面白い漫画あるし!

推しだけでその漫画見てないしね!


でも、推し死んだんだよな……。(2回目)


「ああ゛〜鬱。叫びたい気分〜〜、ゲームしよう!!!(唐突)」


と言うことで、今回私がやるのは「ヒヤシンスに祈る者」という乙女ゲー!

私これやるの三週目なんすよね(自分語り)

そう思いながら、カセットを起動しOPをきく。

明るい……眩しい……!


OPが終わって、ぽちぽちとボタンを押してストーリーを進める。

まあ、簡単に言えば学園乙女ゲーである。

主人公が、平民だけどある令嬢の代わりとして入学して……。

それで王子様に会って、結婚する。これが大まかなストーリーだ。

……王子の顔覚えてねえ!!!


「私が、エアリア・フィン・マーズレウン侯爵令嬢ですわ!」


うわぁあ……出たよ。

今話題の悪役令嬢のテンプレ。王子の婚約者になりたいからって主人公に嫌がらせばっかするんだよね。

嫌なやつ………だね。(カバー失敗)


ていうか、やばい……こいつの顔を見てたら眠たくなって来た……。

やっぱり……食わずの三徹目は無理だったか……。

うつらうつら、視界がぼやけてくる。


私が最後に見たのは、美形の二人のイチャイチャが表示されているゲーム画面だった……。


「ん、うう〜」


「あ、起きられましたか」


目覚めたら、目の前にメイドがいた。


「?どうしました。そんなにジィーっと見つめて……」


お嬢様?誰のことだ?

ベットから降りて、姿見の前に立つ。

そこには、『エアリア・フィン・マーズレウン』その者が写っていた。


「もしや、服がお気に召しませんでしたか?すみません。今別のものを持ってまいります!」


そう言ってメイドさんは出ていく。

……ええー!これ、異世界転生って奴!?

わぁ……とりあえずお酒飲みたい。

ドレスとかとっても綺麗で……すっごい美人だし。お酒飲みたい。

おつまみ、お酒、飲みたい。(おつまみは飲めない)


お酒飲みながらゲームしようとしていたから、喉が酒の気分。

部屋を出て、キッチンに向かう。

……なぜだろうか、ゲームではエアリアの屋敷なんてなかったがなんか体が覚えている。

キッチンに、第一村人発見!(メイドはカウントしないものとする)


「たのもーですわ」


「おお。エアリア様!どうされましたか」


「酒ですわ」


「いや……そんな居酒屋みたいなノリで……第一あなた学生でしょうが!」


「成人してますわ。(この世界の成人は17歳、成人したら酒を飲んでも良いという世界)酒!」


「いえ、ですから……学生のうちはお父様からダメと……」


「酒っ!!!」


※未成年飲酒は絶対にいけないことだよ!みんなはやらないように!酒カスとのお約束だよ。


「やったですわ」


「だからその取ってつけたような『ですわ』はなんですか……?」


お父様に持って行くやつだから、絶対そうだから!お父様も飲みたいと思うから!(願望)

とお願いしたら、料理長が折れて高そうなワインをもらいました。まあ、今の気分は酒ならなんでも良かったので、V。

お父様が飲むとは一言も言ってませんけど(笑)。


「イェイ!晩酌ですわ!」


そうと決まれば、おつまみですかね……。

好きなのはチーズいか。まあ、この世界には……ないですわね。


「んー。ステーキ作らせましょう(唐突)」


と言うことで、夜……私の部屋。

*ここからはダイジェストでお送りします。


「いぇーい!高級そうなワインで乾杯ですわ!」


「カットステーキうめえ!」


「うまい……うまい……」


「ここって屋上あんのかな〜〜行きてぇな(願望)」


「あ〜〜歯磨きしなきゃ……おやすみ(明日への不安)」


次の日……。


「ヤッベェ……二日酔いですわぁ゛ぁぁぁぁぁぁ」


「お嬢様!?今日始業式ですよ!?」


いやちょっと、そんな揺らされると……ちょ、ほんと。

悪役令嬢がやったらいけないことランキングベスト1位やっちまうから……うっぷ。


「ぎゃあアアアーー!!お嬢様!?大丈夫ですか?」


「おめぇ、まじふざけんな……!(ですわも吐いて消えた)」


全国の悪役令嬢へ、ごめんなさい。

その後、ベットで寝かされていたら、お父様が来た。


「何をしとるんだお前は……せっかく王子との婚約ができるかも、と言うところなのに……」


「……いや、ただの二日酔いなんで」


「それがダメだって言ってんだよ!酒飲むなっつたろ!どーすんだよ侯爵令嬢が二日酔いで始業式休むって!?」


「だって……プロレスラー太郎が、『飲んじゃダメだぞ』って言うから。反発したくなって」


「誰だよプロレスラー太郎!っていうか余計なことすんじゃねえよ太郎!?」


「失礼な!プロレスラー太郎は……王家の弟の友達のいとこの元カレに浮気されたやつが育てた子供の友達の甥っ子で、王家の血なんか全然引いてませんよ!」


「お前のほうが失礼だよ!!って言うか途中の『浮気が……』のとこが一番気になるよ!?」


「まあそれは置いといて……」


「置いとけないけど……まあ、いいや(諦め)」


「明日からはちゃんと行きますから……」


「……うん、頼んだよ?(もう何を言おうとしたか忘れた父)」


という感じで、難を逃れたぞ!

そういや……王子ってどんな顔だっけ……


「ねえお父様、王子ってどんな顔だっけ?」


「ん…こんな顔だが?」


そう言って、写真を見せてくる。

……………………………………………………。


「ん。どうした?」


「こいつ、今からぶん殴ってくる」


「え、ちょっと?娘ー!国家反逆とかなんとか怖いからやめて!!まじで!!!娘ー!」


王子……!

あいつ、私の推しを殺した奴と遺伝子レベルで顔一緒だよ……!

つまり、あいつが殺したんだ(違います)。

ぶん殴ってやる!!!!!(すれ違いは怖い)


と言う感じで、酒を飲み、ぶん殴る悪役令嬢の物語、よーいスタート。

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