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ユメにみたユメみたいな異世界で  作者: 大路地さん
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1話 夢みたいな異世界(?)

 感情が、ない。

 理由もなく私はそれを実感した。

 温度を一切感じない石の床に横たわり、薄暗い魔石ランプの光で照らされた檻の外を延々と眺めていた。まばたきするのも忘れ、今も変わらない檻の外をただただ眺めている…


 という夢を見ている。

もっと分かりやすく説明するなら、そういう“物語”を体験しているに近いだろうか。


 上記の事象は間違いなく私が今体験していることであり、私のここ“最近”の記憶である。


 私の名前は…なんだっけ?思い出せないけど、それも“物語”の主人公としては最高の設定だよね~。って主人公からしたらとんだ迷惑だよな。あれ、でもその主人公は私だし…ま、いっか!難しいことを考えるより、今はこの状況楽しもう!いうて、寝ながら檻の中で外眺めるだけなんだけど…でも意外とずっと見てられるんだよね~。ほんと夢みたい。

 じゃあこの辺で過去の話いくか。


 私は何かがあって夢のような異世界に飛ばされました。たぶん、神様かなんかのせい。でも、やりとりをした記憶もないし、なんなら正確にいつまでの記憶があるって訳じゃないんだよね。一応高校生だったんだけど、眠って夢を見るって素晴らしいなあとか思って毎日おふとぅんで寝てたんだ。内容がどうであれ、夢って現実とはまた違った魅力があってずっと見ていたいって思うんだよね。たださ、なんか今回の夢は長くね?って思って起きようとしたんだけど、なんか起きれないんだよね。なんなんだろうね。不思議とね起きれないことに恐怖はないんだ。そこはこの夢の中の私と同じなんだ~っておもった。


 なんかさ、予想なんだけど、これ私が軽く思ったことができるようになってないかな?


 異世界漫画読みまくってさ、異世界行きて~って思ってたしさ、現実の自分の感情と切り離して考えるもうひとつの人格が欲しいとかさ、いろんな性癖とかさ、などなど…


 なるほど、でも起きたいって思ったのに起きれないのはなんで?


 …さあ?


 てか、今こうやって話してるのも私が思ってたやつじゃない?

 ほら、私三日坊主だから日記とか続かないから、その瞬間に頭の中で文章にしたのを自動で記録する能力。役立つかわかんないけど、欲しいなぁって思ってたんだよね。


 ほら、考えるだけで振り替えれる。


『上記の事象は間違いなく私が今体験していることであり、私のここ“最近”の記憶である。』


 ………


 もうこの口調は残ってねぇな。

 かっこいいんだけど、続かないんだよね。

 いいよ、どうせこの記録みれるの私だけだし。


 にしてもほんとにここなんなんだろうな。んで、私は何者なんだろ。


 …!こんなとこに「主導権変更」と書かれたボタンが…押してみよ。


 って押してみたけど、一瞬指先が動いたかどうかした変化がなかったな。さては長押し…


 お、やっと自分の姿が…ってこれ、タコかイカの脚…。数は…めんどくさくなってきたな…。うん、いっぱいあったよ。たぶんイカと同じくらい。

 …私10本も数えられなかったんだ。めんどくさがり屋過ぎん?

 えっと、腕は…わあ透明だぁ。スライムかなんかかな?なんとか反射で顔が見えないかな…ってさすがに光量が足りんか。


 はあ。


 なあ、これが物語ならそろそろ誰か来てもいいと思うだけどな~。

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