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太陽は学園都市で恋をする  作者: いつきのひと
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孤独な教師は学園都市で恋をする

 常々思っているのだけど、学園の教育方針は滅茶苦茶だ。

 教科ごとに教師や講師が付いていて、授業の度に教室を移動するのは普通の学級のみ。

 僕の担当、特別学級は全教科を受け持つのだから、大変なんてものじゃない。


 加えて、学級の生徒はなにひとつ統一できるものがない。体力も魔力も背丈も年齢もバラバラ。学園は普通の人間社会でいうところの初等教育を受けているのを前提としたカリキュラムが組まれているが、そんな基礎教育を受けていない読み書きさえもできるか疑いたくなる外見の子供までやってきた。

 基本以前の基礎から教えないといけないが、一番遅れている子に合わせるわけにもいかない。学園としてではなく、個人で面倒を見る必要が出てくる。



 僕自身は呪文の短縮や圧縮や省略の分野を主にしている。簡単に説明するなら応用。何かに例えるならば、スイッチを押すと機械が全て連動して動き出す操作盤だ。


 [自分の魔力を一定のサイズの炎の玉に変換して杖の先から〇個射出する]という一連の流れを全て言葉で読み上げて魔法を作り出すのが呪文。毎回やるには効率の悪い詠唱を、[火の玉を出す]だけで済ませられるようにしたのが僕の研究成果で専売特許だ。現在これを使えるのは理事長しか居ない。


 決まっている型を引き出すのだから、場合によってはゼロからイメージを組み上げて形にする無詠唱魔法よりも早い。と、思っている。僕自身は無詠唱では魔法が使えないし、そういう相手と相対することも今まで無かったから、実際やってどうなるかはまだ未知数。


 基本の型を大きく崩すため、先達からの評判はすこぶる悪い。今更考え方を変えることのできない老人に何を言っても聞き入れる耳を持っていないので、その辺はもう諦めた。隠居当時の古い考え方で口を出しに森の中から出てくるハゲの言い分など現代には通用しないのだ。無視していい。


 老人たちの計らいにより就職先も行く当ても失って、学園を出れば即座に野垂れ死ぬ予定だった。僕の先生、今の理事長がそれを止めてしまった。

 先生は理事会と委員会の不正や腐敗を全て明るみの下に晒し、学園都市の運営と管理から老人を全て追い出してしまった。改革という名の大ナタを筋力でぶん回した。


 色々あって、現在は職員の末席に居る。

 老人たちに育てられた者達も多いので、変わってきてはいるが昔ながらの性質はまだまだ根強い。

 先生が理事長を辞める事態になれば、僕も今の立場を追われることになるだろう。



 特別学級の担任は確かに大変ではあるものの、その問題児たちに大いに助けられている。

 様々な悪戯や校則違反で僕が処理に追われることも多いのだが、僕に対しては反抗したことが無い。あまりにも残念な教師が担任だから玩具にする気にもなれないのか、僕よりもまともな大人に出会えなかったのか、どうしてなのかはわからない。それでも言える。皆いい子達だ。

 こんなに情けない担任で、到底扱えないであろう個性的な五人なのに、学級崩壊も無い。


 つい先日、教師の一人が書置きを残して消息を絶った。自分には教職は荷が重すぎたとのこと。

 彼女が受け持っていた学級は今、とある貴族の子息がリーダーとなって統率を取っている。彼の主導で授業のボイコットやストライキをはじめ、教師への暴言や反抗が日常となってしまった。幸いなことに関わりはないのだが、講師達からも授業の担当を嫌がられる始末。そんな生徒達となんとか折り合いを付けろという上層部との板挟みに耐えれなかったのだろう。

 なんとか更正させなければと会議の度に議題に上がるのだが、先は長そうだ。


 一人の生徒が取り仕切ってしまっているのは僕の特別学級も同じ。

 その子が僕にものすごく懐いている。彼女の行動基準の一番に僕が居る。

 色んな感情が混ざり合ってしまっているが、本人曰くこれは恋なんだそうな。


 アサヒ・トゥロモニ。いや、この名は捨てたというのだから、アサヒ・タダノが今の名前。彼女の事情は受け持っている生徒の中では最も暗くて重い。

 家庭内で日常的な育児放棄とも言える激しい悪意に曝され、挙句の果てに自分達では扱えないと学園都市に放り出されてしまった。実の親からの家庭内暴力で負った心の傷は、まだ顔も声も理解できぬ赤子のうちに親を焼き殺された結果里子となり、里親の家庭で同じように育ったクロードよりも深いだろう。


 僕の大事な生徒であり、絶対に失いたくない愛する人の話をしよう。





 他の四人、特にクロードの事については事前に情報を得ていた。

 クロードは自分の弟子が行った行為で不幸を被ったこともあり、理事長がずっと目にかけている存在だ。全力でサポートするという言葉を信じて請け負った。


 それゆえに、列車で魔法が使われる騒ぎが起きるまで、まさか彼と同じ状況にある人物が増えるとは思ってもいなかった。


「よし、任せた!」


 僕の目の前に置いておくことで道中はなんとかなったけど、またいつ暴発するかわからない爆弾をその一言で任せられてしまった。

 目の前が真っ暗になったという表現はこういう場面で使うものだろう。二人目の家庭の事情こそ知り得たものの、こちらの彼女は理事長によるサポートを期待できない。どうするんだコレ。


 連れ去られる入学生が居たという通報を理事長が受けたのはちょうどそのタイミング。

 「跳んだ」理事長を追いかけて、遺留品が届けられたという駅舎に僕も向かう。



 短縮と圧縮を駆使して、学園都市全体を視る魔法を使う。隅々まで、裏通りの袋小路まであらゆる場所に張り巡らせる。全周十キロメートルの広大な面積に対して一人でそれをやれと言うのだから無茶苦茶だ。

 それができてしまうのが僕の魔法だ。こういう非常事態の為にあると言っていい。


 どんな姿をしているのかは覚えていた。確かに小さい身体だったが、それでも見つけられない。巧妙に隠されてしまっていた。

 クロード達を迎える為に別れたのだが、あそこで目を離すべきではなかった。宿舎まで送り届けていれば親に捨てられた上に行き着いた見知らぬ土地で誘拐などと憂さ目に遭う事もなかったのだ。



 見張り塔の一つの付近で爆発が起きたのは、時間だけが過ぎて焦りと苛立ちの中で差し入れの食事を手に取った時だった。

 都市で魔法を使うのはご法度だ。そんなバカはよそ者か、この都市のルールをまだ知らない者以外に他ならない。探査の魔法を爆発地点に集中すると、朝焼けのような髪色の、小柄な少女が捉えきれない速さで逃走していた。


 捕捉できたのは彼女が走り抜ける瞬間に見える明るい髪と、後に放った魔法と、その結果。

 身体強化、物質の変形、イメージの具現化と、様々な魔法を呪文も魔法陣も無しに駆使している。


 短縮と圧縮は無詠唱にも引けを取らないと自負していたが、考えを改めた。負けを認めるしかなかった。形にする為のプロセスを呪文や魔法陣を使わずに形状や出力を頭の中で練り上げる為にタイムラグがあると思っていた。

 僕の探査の魔法すら潜り抜けていくアサヒにはそんなものは無かった。常識外れもいいところだった。

 踏み込んだ足跡が泥沼に変わって追跡者の足を絡めとり、角を曲がる為に掴んだ標識の支柱が茨の壁に変わって行く手を阻む。狭い道は塞がれ、街灯の明かりが閃光に変わり、目くらましになった。

 手をかざして指向性を持たせる事すら行っていなかった。なんだこれ、僕は今何を視ているんだ。


 暴発かとも思ったが、それならば無関係の住人も巻き込んでいる。それが無いことから全て彼女の意思によって魔法が使われているのは見て取れた。自分を探している人物がいるところまでは想定してなかったようで探査の魔法まで破壊されてしまったが、それは仕方ない。



 捜索の網が破られた事に加え、彼女の魔力の限界で騒がしかった街が静まり返る。位置が特定できない状態で迎えたあの瞬間は最悪の事態が頭をよぎった。目の前に居たのに救いの手を伸べることすらできないだなんて、こんなに酷い人間が教師なんてやっていけるのか。


 打ち上げ花火は本当に最後の一発だったと、後で当人から聞いた。

 土壇場であんな魔法を思いつき、すぐに実行に移せる。無詠唱魔法とはこんなにも便利なのか。


 大輪の花火は彼女自身の生存と、居場所を教えてくれた。そしてなにより、綺麗だった。

 ずっと逃げ続けて限界なのはこちらでも視ていた。それでいて何もできなかったのは本当に申し訳ない。

 理事長を追い、倒れる前に抱きかかえた彼女の身体は見た目通り細くて軽かった。この小さい身体を一度は手放してしまった事を反省した。救えたことが嬉しかった。

 魔法の指導を受けていないにも関わらず、今まであれだけの逃走劇を繰り広げたのも素晴らしい。駅前で無防備に寝てしまった事など些細なことだ。誰が責めようと僕は褒めてやろう。この娘は絶対に凄い魔法使いになる。




 事態がひと段落し、自分の部屋に戻ってきた頃には夜も更けていた。

 アサヒは救助後すぐに意識を失ってしまっていたが、外傷もなく、ただの疲労と診断された。ならば安心だ。


 明日はどんな姿を見せてくれるだろうか。どう声を掛けたらいいんだろうか。

 もう居ない妻だった人にも聞いてみる。答えは返ってこない。


 そんな折に呼び鈴が鳴った。

 開けてみると、理事長とアサヒが向かい合って二人で跪いていた。


「おおなんということか! 愛しい相手と引き裂かれた上に戒律の厳しい場所に押し込められるとは! 酷いという言葉しか思い浮かばぬ!」

「どうか、どうかご慈悲を!」

「救いの神は現れた! さあ神に願うのだ!」

「おお神よ! わたしをお救いください!」


 人の部屋の前で何やってるんだこの二人。



 食事を摂りながら話を聞けば、アサヒは宿舎の登録を行っていないので今夜寝る場所がないとのこと。それで女性の教師を宛がって病室をそのまま利用させようとしたのだが、彼女を言い負かしてしまった挙句、どういうわけか僕を指名してきたんだそうな。


「もう仲良くなってますし、先生が連れてけばいいじゃないですか。」

「馬鹿言うな。こんな上玉からの指名だぞ。それに元既婚者なら色々突かれても何とかなるだろ。」


 三十路の僕が小さい女の子を部屋に連れ込むという状況は誰が見てもおかしい。事案だ。

 未成年に対する淫行で逮捕された僕を明日の新聞の一面に掲載させたいのだろうか。


「理事長、もっと言ってやってください!」

「嫁さん居なくて夜も一人寂しくシコシコしてるだろ。俺は何も見ないし知らない事にするからな! 恥かかせんなよ!」


 煽らないでアサヒちゃん。この理事長女の子の前でもこんな事言っちゃうような人なんだぞ。


「シコシコってなんですか?」

「そりゃもう、こうやって上下にシコシコと。」


 理事長はその質問に答えるべく、箸を掴んで上下運動してみせます。アサヒはというと、その意味を全く理解してない顔をしている。

 無節操にも程がある。だめだ、まだ何もしらない無垢な少女をこの人に任せてはいけない。こんな人に任せたら、アサヒは明日にはメスガキになってしまう。

 新聞の一面は怖いが、隠語と淫語で大人を誘惑し続けてトラブルを起こすよりはずっといい。



 さて、大問題だ。子供連れ込みが既に大問題だが、もっと問題がある。

 シャンプーもボディーソープも好きに使ってくれていい。

 だが、目の前に居る少女は素っ裸。目の保養とかそんなのはいいからせめて下くらいは隠してほしい。僕が明日の誌面を飾ってしまう。


「恋する少女は無敵なんです!」

「わかりましたので、パンツだけでも履いてください。」


 肉親でもない男の前を裸で出歩くのはどうなのだ。羞恥心どこ行った。そこから教えないといけないのか。

 見えてしまったものはしょうがない。もう居ないけど妻が居た身で、最速で子供ができていればこれくらいの成長はしていただろう。そう思うことにしよう。


「わたしは先生が好きです。そしてここは先生の家。つまりもう家族なので裸でも恥ずかしくありません!」


 何その思考。そしてその結論。無敵だ。恋する少女は強過ぎる。

 知識はだいたい本で学んだそうだ。暇だったから本を読んで時間を潰したり、わざと書庫に閉じ込められることで色んなものを本から得たという。


 僕が受け持つことになるクラスへ入ることは決定しているが、なぜか好感度が限界を振り切っているこの娘も御さなければならないのか。教室でスカートたくし上げとかされてみろ。僕どころか男性教師全員が女の敵としてバッシングされてしまうぞ。


「僕を好きでいてくれるのでしたら、まずはパンツ履いてください。」

「はい! 履きます! 何色がいいですか! しましまですか!」


 前途多難すぎる。




 駅前で昼寝したり魔法の使用で疲れて寝たりで眠くないというので、夜遅くまでアサヒの望むままに身の上の話や亡き妻の事を語った。

 その結果、朝になると、アサヒは年齢に似合わない落ち着きを持つ少女に変わっていた。

 女は化けるとは言ったものだが、こんなに幼い子供でもここまで変わるのかと驚いた。


「おはようございます。昨日は色々と取り乱しました。すみません。」


 朝一番で、列車でいきなり泣き出してしまったり、いきなり泊めろとワガママを言ってしまったりを謝られた。

 昨日全裸で無敵発言をしていた女の子と同一人物とは思えない。


「ところで、朝のお勤めはするべきでしょうか?」


 いや、やっぱり昨日の女の子だ。その意味も分からず小説で覚えた台詞を披露してくれている。

 僕の事を好きでいてくれるのなら、僕も苦労しないように加減して欲しい。



 今は大事な人だと臆面なく言えるが、この出会いの時点では、アサヒの感情を恋と判断することはできなかった。

 幼い子供だ。色々と大きな勘違いしている気がしたのだ。


 彼女は無詠唱の魔法を使えている。昨日は見事に制御していたが、感情の劇的な変化で暴発する可能性は否定できない。返答するにしても慎重に判断しなくてはならない。そう思っていた。





 僕を一番に考えるアサヒの思考と判断は特別学級をひとつにまとめ上げた。

 全員がバラバラな方向を向いているのは間違いない。それをまとめ上げた手腕は、理事長の改革で追い出されずに残った、長い間色んな生徒を見て来た老教師が人の心を操る魔法を使っていると勘違いして告発するほど立派だった。


 問題児なのは自覚していて、その生徒を抱える僕に楽をさせたいと思っての行動。

 出会ったその日に羞恥心ゼロで全裸で部屋の中を歩き回った人物とは思えない立派さを讃えるとともに、子供に気を使わせてしまった自分の不甲斐なさを悔やんだ。


 このアサヒが居なければ、僕一人ではこの五人の統率は取れなかっただろう。

 ナミが全方位に噛み付いて、ポールとマッシュは相手が死ぬまで殴るような喧嘩を続け、クロードはなんとか友人関係を取り持つことはできても、自分の置かれた状況と周囲からの刺激に怯え、どんどん卑屈になっていく。人と積極的に関わり合いを持ちたいと思っていない、僕を好きではないアサヒは十中八九たった五人のクラスで孤立する。


 そうなるはずだったものを、アサヒは自ら変えた。

 何度でも言おう。 僕を一番に考えるアサヒの思考と判断は特別学級をひとつにまとめ上げた。


 一時の感情での間違いが崩れるはずだったものを繋ぎとめたとしたら、それは奇跡と言う他ない。

 いいや、成功したのだから間違いではない。これは正解だ。





 色々な事件が起こり、特別学級の生徒達も巻き込まれた。


 その中で、一番危惧していたサヴァン・ワガニンと直接の接触があった。

 しかし相手は因縁のクロードではなく、アサヒだった。


 アサヒの魔法は無詠唱でありながら、願望を全て思いのまま形にできるという規格外のものであり、今までの魔法の常識を覆す新しい系統のものだ。もし悪の魔法使いがその利便性や有用性に気付いて彼女を仲間に引き入れたり、自分にとって危険な芽を育つ前に摘んでしまう事があってはならない。



 アサヒはサヴァン・ワガニンに勝った。勝ってしまった。

 彼の洗脳を受け付けなかった。


 彼の名を口にした者は、サヴァン・ワガニンという名にかけられた人の心を操る魔法によって洗脳され、連れ去られる。それは夢の中でも関係がない。

 僕もその名を口にはできない。洗脳を回避するため、言えない魔法を自らに課している。


 実はそんな魔法なんて存在しておらず、全てが幻想である可能性も考えたが、昔も今も確かめることはできない。大切な人を手にかけるわけにはいかないのだ。


 そんなアサヒの活躍は留まるところを知らなかった。

 特別学級の皆を救うため、サヴァンにその存在を知られるリスクを厭わず願いを形にする魔法を使った。そしてサヴァンの配下だったメルベスに打ち勝ってしまった。


「サワガニさん、わたしの名前間違って覚えてたので訂正させました。」


 大怪我を負い、治癒の魔法でも完治していない痛ましい姿で自慢げに話していたが、これも大事件だ。

 魔王と対面しても恐怖しないどころか、名乗りを上げてみせたという。

 サヴァンは名前を魔法に変える事ができる。偽名で通せば呪われる事もなかったのに、教えてどうするんだ。なんてことをしてしまったのだ。

 彼女には危険なことをしてしまった自覚もないようだった。知らないって恐ろしい。




 僕が好きだという一心だけで魔王すら退けるアサヒでも、やはり一人の人間だ。

 色々と神経の磨り減る事件が重なって、無理をしているのは見て取れたが、僕自身の体調不良もあって何の対策も取れなかった。

 熱で倒れたのはそんな頃合いだった。


 これだけ弱った姿を見せたのは、僕が反省したと言うだけでなにも改善していない結果だ。熱のせいだけではない。


 特別学級を維持して教師としての立場を得ようという打算的なものではない。

 僕はそれ以上を彼女に求めてしまっていた。


 一度失ったからこそ、この娘を失いたくないと思った。

 特別学級の生徒は誰一人欠けて欲しくないが、その中でもアサヒは特別だ。


 アサヒの想いに応えるのが状況を改善する事になるかどうかは分からないし、こんな情けない男が彼女に釣り合うかどうか。ただでさえ人間として弱いとか言われているのに、そういった批判に箔をつけることになるのではないか。


 いや、そんなの今更気にする必要は無い。アサヒの言葉には偽りがない。

 もう居ない妻を忘れた事は無い。もう居ない彼女すら愛すると宣言した。恐ろしいほどの度量がある。

 憧れてる僕に釣り合うように努力した彼女がそうしてきたように、今度は僕が努力しよう。


 生徒に手を出した精神薄弱だとかロリコンだとか色々言われるかもしれないが、外野には好きなだけ言わせておけばいい。

 外野の為に付き合ったり別れたりをするんじゃない。自分達が納得すればいい。


 そういうわけで僕も好きだと伝えた。彼女から熱烈なアタックを受けていて、それを甘んじて受け入れているので今更だとは思ったが、僕から言った事がなかったから言った。




 見た目は小さい。父と娘のような年の差がある。教師と生徒というアンバランスさがある。それがどうした。

 もうすぐ帰ってくる愛しい人は昼食に何を買ってくるのだろう。楽しみだ。

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