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法則遊戯  作者: 栗夢ジジ
2/3

第2話  不思議な男

「次はお前の番だ」


「え、、どういうこと、、、、」


「そのうち分かる」


、、、また今朝と似て変な夢を見た。そしてゆっくりと目を覚ます。今度はうるさい目覚まし時計の声は聞こえない。代わりに機械音がする。視界一面が白い。どうやら病院に送られたようだ。あ、、あのあとどうなったんだ?瑠南とあの女が無事なのは分かったけど、、、そういやあの声、、、


「気分はどうだい。昭吾君」


いきなり聞こえたその声に俺は困惑する。そして声のする方を見るとそこにはグレーのスーツを着た長身の男が立っていた。


「あの、、どちら様でしょう?」

「初めまして。僕は文縄優斗モンジョウ ユウト。しがない大学教授だよ」


そう言って男は柔らかな笑顔を見せ、俺のそばにある椅子に座った。その笑顔に謎の安心感を感じたが、俺の困惑は止まらない。


「えっと、、教授の方が僕に何の用でしょうか、、」

「君が新たな『則者』になったと聞いてね。こうやって様子を見に来たんだ」


則者、、、あの時の声が言ってたやつか、、


「その、、則者ってなんですか?」

「うーん。法則適合者って言った方が分かりやすいかな」

「法則、、適合者?」

「そう。君が女の子を助けようとしたとき、目の前のトラックが意味不明な動きをしたでしょ。」

「あ、、あの瞬間、トラックがいきなり宙に浮いて、、」

「それはね、君がある法則を使ったからだよ」


俺が、、法則を使った?この男が何を言っているのかまるで分らない。


「そもそも法則って何ですか?」

「良い質問だね。まあ物理法則とかっていうのは聞いたことがあるかもしれないけど、僕が言ってるのはそれじゃなくて、主に『経験則』ってやつだよ。生物が日々生活していく中で無意識に起こる法則のことさ」

「はあ、、、」

「こいつ何言ってんだぶっ殺すぞって顔してるね。例えば、自分が行った悪いことが何らかの形で自分に返ってくるっていうの聞いたことあるかい?」

「あ、、『カルマの法則』ってやつですか?(フーチューブで見たな)」

「そうそれ!そういうのが経験則っていうんだ。で、則者はそういった現象を自分の意思で好きな時に発動させることができるのさ」

「え、、そんなこと出来るんですか?」

「そんなことが出来ちゃうんです。まあ、君が何の法則を使ったのかはまだ分からないけどね」


、、、現実的に考えてあり得ない。ラノベとかに出てくる超能力とかとは違うのか?


「何で出来るんですか、、」

「、、、、それは僕にも分からないんだ。ただ仮説はある。謎の女の無機質な声、、君にも聞こえたはずだよ。その声の主がこの世界の管理者かもしくは神で、この現象の全てを裏で仕組んでるっていう説」

「、、、また現実味の無い話ですね、、」

「君もそう言うと思ってたよ。だけど、これ以外この不可思議な現象を説明する有効な説は無いんだ」


この男の言っていることは何となく分かった気がする。だけどそれを信じるられるかどうかといったら答えはNO。何かの怪しい団体の勧誘かもしれない。そのためにトラックを誰かが裏で操作していたり、女の声も催眠術のようなものを使ったのかもしれない。でもだとしたら何で俺なんだ?てか一人の子どもを病院送りにさせるなんてさすがにやりすぎだよな、、。あれ?もしかして俺何かの犯罪に巻き込まれてる?


「あの、、、」

「何だい?」

「警察呼んでもいいですか」

「、、、、何で?」


結局その文縄という男はその後も俺によく分からない話をして満足気に帰っていった。また明日も来るらしい。謎が多すぎて探偵にでもなった気分だ。とりあえず今は休むとしよう。てかこのベッドなかなかに良い、、、難しい話聞いたから眠くなってきたな、、、


「昭吾おおおおおっっっっ!!お見舞い来ちゃったよーん!!」


、、、、しばらく寝られそうにない。


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