くらすめいと
「はぁ...」
入学式のあとのクラスごとの説明が終わり、今日の学校は終わった
俺は帰るために下駄箱へ向かうがため息が止まらない
どうしてあぁなってしまったんだ
俺はつい30分前のことを思い出す
「ということでお前達はしばらくコンビ決定だ。よし、これで問題なくクラス全員コンビが作れたわけだな」
「せ、先生待ってください!!私こんな男とコンビを組む気なんてありません!」
「そう言われてもなぁ...それ以外の選択肢をとると他のみんなに迷惑がかかるぞ?」
「うっ...それは...」
エリシアとしても俺とは組みたくないらしい。俺だってなるべく組みたくない
だけどそれ以外の選択があるかっていわれると、組み直しにという選択しかなくなる
そうなると他のみんなにも迷惑がかかるし、ちょっとしたものではあるが騒ぎをおこした2人と組みたがるやつは悲しいがいるわけがない
たぶんエイシアとしてもそれがわかってるのだろう
「どうやらこれ以上議論は必要ないようだな」
シルビア先生はいかにも満足そうな顔をする
これたぶんコンビが綺麗にできたということに対してじゃなくて話を聞けなかった俺たちにお灸を据えることが出来て満足している感じだった
「はぁ...」
俺は何度も思い出してはため息をついている気がする
入学初日からとんでもないことになってしまった......
「よーっす、待ってくれよルーク!!」
「....ん?」
自分の名前が呼ばれた気がして後ろを向く
だけど俺のことを親しく呼ぶやつなんてこの学校にいないと思うんだけど
「おいマルカス。ほらやっぱり驚いた顔してるじゃないか」
「ん?そんな気にすんなってロイド。クラスメイトなんだからこれくらい気さくに話しかけたって大丈夫だろ?」
ガタイがいい方がマルカス、そして頭の良さそうな方がロイドか
そういえばさっきの自己紹介でいた気がしなくもないな
「すまないルーク。俺はロイド、それでこっちのでかいのがマルカス、ルークと同じくDクラスだ」
「あぁよろしく頼む、ルークだ。すまんいきなりでびっくりした」
ロイドは丁寧にも手を出して握手を求めてきてくれたのでそれに応える
「ロイドのやついきなり話しかけたら失礼とか言うんだぜ?クラスメイトなんだから気軽に話しかけた方がいいと思うよな?」
「あぁそっちの方が嬉しいぞ。なんせあんなことがあったあとだからな...」
またため息が出た気がする
「まっ、俺らもお前が気にしてると思って話しかけに来たからな」
「そうなのか...えっと、俺はお前らをなんて呼べばいいんだ?」
「普通にマルカスでいいぜ。俺なんて勝手にルークって呼んじまってるしな」
ロイドも同様呼び捨てで呼んでほしいのことだ
「しかしお前も災難だったな、入学早々あんな目にあって。どっちかというと男と組まされたあいつ...名前なんだっけ?」
「エリシアだろマルカス。クラスメイトの名前くらい覚えてやれよ」
「そうそうエリシアだ。普通だったら男とは男、女とは女が組むもんだからな」
「あんだけ拒まれると嫌でも困るよ。俺的にも気が楽な男と組めた方が楽だしな」
さっきも説明が終わるなり「ほんと最悪」と言い捨ててさっさと帰っちまったしな
「まっ、どうせ1ヶ月の辛抱だろ?この際女の子と組めてラッキーくらいに思っておこうぜ?」
「そうだな、1ヶ月経てば変わる可能性もあるよな」
実は1年生の最初のコンビを組む期間はお試しと1ヶ月になっているみたいだ
これはエリシアと組まされて後に分かったことだ
正直入学したすぐ組んだコンビが上手くいかない場合がある。だから合わなかった場合コンビを作り直すやり直しがきくわけだ
まぁそれが実現するためには色々条件が必要だし、仮に実現した場合にも問題があるっちゃあるんだが...正直エリシアと組むよりはマシな気がする
毎日罵られる未来しか見えない
「思ったけど、お前達2人でコンビ組んでるのか?」
「あぁロイドとはガキの頃からの友達だからな」
「一緒のクラスで俺たちはラッキーだったよ。久しぶりにマルカスと友達でよかったと思ったよ」
ロイドのジョークにマルカスが「お、おい、ひどすぎねぇか!?」と反応する
本当に2人は仲がいいみたいだな
「お前達みたいに入学前から知り合いでコンビ組むみたいなことはよくあるのか?」
「いや、あんまりねぇな。意図的にそうなる場合を除いてだけどな」
「意図的?どういうことだ?」
「例えばだけどたまに貴族とかは学校に寄付という形で賄賂をいれるんだ。そうやって自分の子供とその子供と組ませるためのもう1人をクラスを一緒にさせるんだよ」
「なるほど、ただの過保護か」
「いや、違うんだよ。優秀なやつをもう1人をいれて息子の成績をあげるんだよ」
ただの過保護ってわけじゃないのか
コンビの片方がいい成績をとれば、それはもう片方の成績にもなるわけか
そしてその成績はこの学校を出たあとに大きく関係するわけで、そりゃ親もお金をかけますわ。よく出来た仕組みですこと
「まっ、俺たちの親は自分の力でどうにかしろって言ってきて賄賂なんかしてくれなかったけどな!」
「おい、こんなとこで話す話じゃないだろ馬鹿」
「なるほど、2人は貴族なのか。なんかロイドはわかるがマルカスは貴族って感じじゃないな」
「ひでぇな、おい!!」
マルカスの反応に俺とロイドは笑って返す
今日はいいことないと思ったが割とそうでもないかもしれない
マルカスとロイド、この2人とは仲良くやっていけそうだ