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合格発表

「うー...緊張してきたよルークぅ...」

「いや、どうして俺の合格発表でそんなにシャルが緊張してるんだよ」



俺はシャルと王都の街を歩きながら合格者発表がされている騎士学校を目指していた



「えーでもやっぱり緊張しちゃうよ、もしルークが落ちちゃってたら私やだもん」

「まったくどうしてこの娘さんはこんなに可愛いのか」

「わわ、やめてよ髪乱れちゃうよ」



とりあえずシャルの頭を撫でまくって愛でまくっておく


シャルには一応合格確定っぽいことは黙っておいた

万が一落ちてたら恥ずかしいしね




そして道を進むにつれてだんだんと俺のような受験者がちらほらと増えてくる



そして騎士学校につくてシャルが走って合格掲示板へと走っていった


そしてしばらくして走って戻ってくる


「私ルークの受験番号知らなかった」



うん、俺もわかっていたけどあえてシャルを行かせてました


そしてシャルを連れて合格発表の掲示板元へと行く



「ルークは何番?」

「173番だけど...」

「173…173…あ!あったよ、ルーク!!173番!!」

「おー、ほんとだな」


俺の受験番号である173番はシャルが指さすとおり掲示板にあった


「やった、やった!!ルーク合格だよ、やったー!!」

「あぁほんとによかったよ」

「ルークもっと喜ぼうよ、合格したんだよ!!」



シャル気づいてくれ、お前すごい目立ってるぞ


そしてどうやらそのおかげで落ちたであろう奴らの恨み言がちらほら聞こえてくる


まぁ受かったんだしこれくらい軽く受け流そう



「ルークももっと喜ぼうよ!!」

「いや、これでも結構喜んでるんだぞ?」

「えー、もっと喜んだ方が楽しいよ」




シャルが楽しいということをアピールしたいのか、「やったー!」といいながらかけていく


そして俺の方を振り向く



「これからもずっと一緒だね、ルーク!!」

「............あぁ」



なんというか...本当に受かってよかったと思う






「合格された方はこちらでーす」





合格掲示板のその先で合格者に対する入学受付が行われていた


シャルの方も自分の入学受付をしなければならなかったので、俺が合格したことを確認した後に別れた



「すいません、合格したものなんですが」

「はい、それでは受験の番号札を見せてください」



俺は言われた通りポケットから受験票代わりになる受験番号173が書かれた木札を取り出す



「受験番号173番ですね...はい、確認できました。ご入学おめでとうございます。こちらが入学の案内と入学式などの日程でございます」



俺は用紙を何枚か受け取り、カバンにしまう



「あなたは寮の希望をされてるみたいですが、一応の確認ですがそれでよろしいですか?」

「はい、それでよろしくお願いします」

「では、もうこちらの準備は済んでおりますので今日からでも利用できますよ」

「本当ですか?」

「はい、入学金の振込だけ今日中に行っていただければかまいません。寮の場所は先程渡した資料にのっておりますので」



俺は礼をいい、その場をあとにする


そして速攻で銀行に行き入学金を振込、これから自分の生活の場となる寮へと向かう



「なるほど、ここが俺がこれから住む場所か」



目の前に見た寮の建物を見据える



なんというか規模がでかい、庭が広がり生徒であろう男子達がそこかしこにいる


「.....よく考えたら学校の方も馬鹿みたいに広かったな」



国が力入れてるだけのことはあるみたいだな

まぁここにいるほぼ大半が未来の国の軍事力となるわけだ


そりゃ国も力入れるわけだ




そして俺は寮の建物内へと入り、自分の名前と受験番号を教えて管理人さんから鍵を受け取る



どうやら寮は個室ではなく相部屋らしい


俺はルームメイトはどんなやつだろうか、出来れば面白いやつがいい


だって最低でも1年は一緒にいることになるんだろうしな



そして俺は自分の部屋のドアを開く



「.............なんじゃこりゃ」



ドアを開いて呆然とする



なんというかそこかしこにガラクタが広がっていた



「.........これは図面か?」



そして床にはちらほらと何かの図面が広がっていた



「んー...なんだ客か?って見ない顔だなお前...ってもしかして今日からここに住むやつか!?」

「あぁそうだ」

「おー!おー!よく来てくれたぞ兄弟!!俺は技術科2年のカイラッドって言うんだ、よろしくな!」

「技術科...?2年...?」

「ん、あぁすまない。新入生にはまだわからないかもな。俺は技術士学校の2年生なんだ。学生達のあいだじゃ騎士学校は騎士科、魔術師学校は魔術科、そして技術士学校のことを技術科って言うんだ」

「なるほど...」



この国には騎士学校、魔術師学校に加えもうひとつ学校がある。それが技術士学校だ


ていうかこの人2年だから先輩か、てっきりルームメイトは同級生かと思ってタメ口きいちまった



「お前、見たことないから新入生だろ?名前はなんて言うんだ?」

「俺は騎士科に入学するルークって言います、よろしくお願いしますカイラッド先輩」

「いいね早速使ってるじゃん。ルーク、お前に気に入ったぞ俺のことはこれからカイでいいからな」


カイラッド...いや、カイ先輩はニッと笑う


見た目はチャラいが、悪い人ではないのはわかる


どうやら俺はかなりいいルームメイトにあたれたのかもしれないな


「ここにあるものってカイ先輩が?」

「あぁそうだ、春休みの間はしばらく一人だったからな。すまん、数日したらしっかり片付けるから今は我慢してくれ」

「いや、全然気にしなくていいっすよ。しかしこれ自分で作ったってすごいですね」

「まぁな!これでも技術者の端くれだからな。大抵は暇つぶしで作ったものだから大したことはないが、学校の方にある工房だったらもっとすごいものがあるぞ」



暇つぶしでこんな精巧なもの作るとかこの人実はすごい人なんじゃ?

いや、でも技術科の人だったらこれくらい簡単に作れるのかもしれない


素人目から見たらなんでもすごく見えるな



「だけどな、新入生のお前には歓迎の証として1番すごいものを見せてやるよ」

「1番...すごいもの...」



1番すごいもの...一体なんなんだ

カイ先輩の目はマジだ、本当に何を見せてくれるんだ...



カイ先輩は「ついてこい」と俺にいい


何故か俺たちは寮の裏にある林を歩いていた



「先輩、この先に何があるんですか?」

「ルーク知ってるか?うちの寮の風呂は温泉だってことは」

「それならさっき管理人さんに聞きましたけど」

「実はな、男子寮と女子寮はこの林を隔てて建てられているんだが、女子寮の風呂は林側にあるんだ。そしてここからが大事なんだルーク。30分前にちょうど騎士科のやつらの自主訓練が終わったとこだ。もちろんその中には女子もいる、そして汗をかいた女子はその後どうすると思う?」

「ま、まさか先輩...!!」

「そうだ、そうなんだルーク。お前に桃源郷を見せてやろう」

「先輩...!!」



何故か気づいたら俺と先輩はガッチリと握手を交わしていた


カイ先輩、あんたは最高だよ



つまり俺達が今からしようとしていることはあれだ、風呂覗きだ



そして林をぬけて俺たちは女子寮の外壁と至る



「本当は寮のみんなと今度楽しもうと思ったんだけどな、特別だぞ?」

「先輩、俺先輩に一生ついていくと決めました」

「いいこと言ってくれるじゃないか!!お前ほんとに気に入ったぜルーク!!ほら遠慮しないで見ろ見ろ!!」


そして先輩ありがたいことに先に俺に覗く権利を譲ってくれた


俺は先輩に礼をいって、穴を覗く




穴の先はまさに桃源郷だった

湯気でよく見えないが、素晴らしき新鮮な桃のシルエットがチラホラと見え?



「どうだすごいだろ?」

「まさに桃源郷っすね」

「だろだろ?じゃあ次は俺の番な」


そして先輩と俺は場所を交代する


先輩は「これはたまんねぇなぁ」といかにも反応を見せる


食い入るように見ていた先輩の動きが止まる。欲を出すとそろそろ交代してほしいんだが...




「ま、まずい...」

「え、まずいってどうしたんすか...?」

「リズと目が合った...」

「え、リズって一体───────」



誰ですか?と聞こうとした俺のすぐ真横の壁が吹き飛ぶ




「やれやれ誰か思えばやはり貴様だったか、カイ」

「に、逃げろルーク!!あいつはやばい!!」

「え、ちょっ!!...くそっ!!」



逃げる先輩に1歩遅れて俺も逃げはじめる


壁を破壊してきたのは金髪の女子だった。まずあの壁を吹き飛ばしてる時点でただもんじゃない


というか覗きがバレた時点で捕まったらやばいな......!!


「逃がすか不埒者ども!!雷よ!!」

「いっ!?」


あの人魔法まで使えんのかよ!?


放たれた雷撃が俺の横を掠め通っていく


「馬鹿野郎リズ!!この林に雷魔法打ち込んだら火事になるだろうが!!」

「それならお前が当たればいいだろうカイ!!」



カイ先輩がもっともなことを言うが、俺たちを追ってくる女子生徒は容赦なしだった



「ったく、いちおう用意しといてよかったぜ!!」



カイ先輩は一瞬振り向いて俺の後ろに何かを投げる



「くっ...!!煙幕か小癪な!!」

「いまだ逃げるぞ!!」


そしてカイ先輩がたいてくれた煙幕のおかげで俺たちはなんとか逃げ切ることができた



なんとか逃げ切った俺たちはお互い肩で息をする



そしてお互い向き合って爆笑し合う



「いやー、今のはマジでやばかったな!!」

「やばいどころじゃないっすよ、入学する前に人生終わってましたから!!」



なんかわからんがお互い爆笑していた



命からがら逃げてこれたからこその笑いだ


「しかしさっきの人は誰なんですか?」

「あいつは騎士科2年のリーズハルトだよ。毎回毎回俺たちの覗きを邪魔してくる最大の敵だ。あいつにだけは気をつけろよ?あいつの雷魔法もヤバいが、剣の腕の方もやばい。捕まったら俺たちの大事なものも斬られる危険がある」



なんというかとりあえずあのリーズハルトという金髪女子の先輩はとんでもないハイスペックな人だということはわかった


「そんなにやばい人なんですか?」

「あぁ何を隠そうあいつが当代の騎士科最強の剣士だ」



騎士科最強、その名の通り王立騎士学院最強の剣士


俺がこれから通う学校は生徒一人一人にランキングが課せられる

この国の将軍などの騎士団の実力者たちは皆ランキング上位に入っているらしい



そんなやばい人から俺たちよく逃げれたな...




カイ先輩は軽く「ったく、あいついつも邪魔しやがって...」とさっきのピンチが嘘だったかのように愚痴を言っている



この人もまったく大したもんだよ...



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