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最終話

 それからリルは俺達に顔も見せずに去って行った。


隊長もストラさんも大怪我だったが命に別状は無かった。地下にはトルチャーの死体と捕らわれていた魔法使いが発見された。捕らわれていた人達に別段、異常は無く。その、ことを隊長に報告すると、そうですか、と少し悲しそうな表情で笑った。


ストラさんはリルのことを大体は気づいていたらしい。何でも、リルの産まれた村はストラさんの産まれた村と同じらしい。もっともリルの産まれる前に違う村に移ってしまったため、2年前、たまたま寄った時に耳に挟んだらしい。「あの子の親は子供を手放したことを凄い後悔してたよ」としみじみと語った。


事件の後、いろいろな事が一気に起きた。

まず、ヨハネ殿下が正式に国王になられた。それに伴って隊長はトルチャーの席だった宰相になった。あの人達ならこの国を正しく導いてくれるだろう。


ストラさんは利き腕を失ったことで軍を止めた。今、何をしているかと言うと主婦をやっている。何と隊長がプロポーズ。それに、ストラさんは「この腕の責任とかじゃ無いなら、喜んで」と受けたらしい。個人的には二人はお似合いだと思う。


リルは今回の功績で黒と言う色を与えられた。しかし、授与式には、やはり、リルの姿は無かった。どこに行っちまったんだよ。


そして、俺は……


「ライ隊長、ちょっと来てください」


部下の呼びかけにライオネルは筆を置くと日記を閉じて、槍を持つと扉を出て行く。


(リル、お前が守った街は俺が守っていくよ。……だから、いつかまた顔を見せに来てくれよ)


とある港町の酒場で黒髪、黒い瞳で右手に手袋をつけた少女が給仕をしている途中、ふと、何かを感じたように窓の外を見つめる。


「どうかしたの?」


甘栗色の髪をツインテールに結った同業の少女が黒髪の少女に声をかける。


「ううん、何でも無い」


黒髪の少女は窓の外を見ながら答えた。

最後までお付き合いしてくださった方、ありがとうございます。次の作品は今回、ほとんど出番の無かったシルフィを中心にしたものです。題名は{緑の魔法使い}です。

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