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お金が欲しい

「勝利の宴だ!」


「「「カンパーイ!!!」」」


彼達は初めてのボス討伐を祝い、酒場で宴を上げていた。


「お前らそれ酒だろ」


「この世界では違法なんてないよ!そもそもどんだけ長く過ごしてもこの体から成長する事は無いらしいしな!」


彼はなるほどと思った。


「体が成長しないのは最悪ですよ!一生幼い顔と体とか不愉……最悪です!」


何を言おうとしてやめたのかは彼は理解した。


すると他の冒険者達が彼達を囲む。


彼は理解出来ず身構えるが冒険者達は一緒に食べたいと言ってきた。


彼はそう言う事ならと思い承諾した。


「あんたらすげーな!そのLvで5層を攻略するなんてよ!」


「全てはこの太田雄一が居てこその功績です!」


「あんたマジで一度死ねば?佐藤さんがいるから5層クリア出来ました!」


飯村がそう言うと冒険者達は彼の周りに集まる。


「やっぱあんたすげーな!選ばれし者は伊達じゃねーな!」


今までの人生で経験がないほど彼の周りに人が集まるので彼はついついその場を離れてしまう。


その後を太田が追うとしたが飯村が制止して飯村があとを追った。


「佐藤さん!」


飯村は彼を見つけたようだ。


「飯村か。ごめんな俺はこの世界に来るまではニートだったんだ。だから自分の周りに人が来たことが無くてな。少し怖くなって逃げてしまった」


「なら今日からいっぱい色んな人と喋りましょうよ!佐藤さんは凄い人なんです!凄い人に人が集まるのは普通ですよ!」


彼は人と仲良くしたくない訳ではない。


だがどうすれば仲良く出来るのかが分からなかった。


でも今はこの世界で得た自分の力を発揮すれば自然と人が集まる。


冒険者達は彼を放置する事は無いだろう。


「ならこんな事で逃げてちゃいけないよな」


飯村は少し疑問が浮かんだが。


「そうですよ!戻りましょう♪」


しかし祝福してくれていた冒険者達から彼は逃げてしまったのだ。


心の中では先程のように話しかけてくれる事は無いと思ったがそんな事はなかった。


「おお佐藤!便所すんだかー?」


「佐藤さんおかえりなさいです〜」


「選ばれし者よ!色々話しをしようじゃないか!」


パーティのメンバーと他の冒険者達は彼を暖かく迎えた。


その後たわいない話しをして彼は宿舎で一晩過ごした。


〜翌日〜


「そう言えば今日は酒場に集合とか言ってたな」


彼は酒場へと向かった。


酒場に着くと他の三人は到着していた。


「おはよ!さぁて今後の話しでもしますか!」


またしても仕切る太田に飯村がまた反論する。


「とりあえずこのパーティのリーダーを決めませんか?」


太田と飯村の喧嘩を無視して内田が話しを持ちかける。


「そうだな!んじゃ誰がリーダーがいいかせーので指を指そう!」


すると三人が指を指したのは彼だった。


「俺?」


「当たり前じゃん!お前が一番強いし俺がなっても飯村が許さないだろうし」


「当たり前でしょ!あんたがリーダーとか絶対嫌!佐藤さんお願い出来ますか?」


「私も佐藤さんがいいと思います〜」


さすがに三人共が彼を選択したのであれば彼も断る訳にはいかないと思い承諾した。


「んじゃリーダー!これからどうする?」


「お金が欲しい……だからダンジョンに行こう」


「うわぁ当たり前の事を(笑)」


「マジ黙れ!確かにお金は大事ですよね!ちなみに何かに使う予定はあるのですか?」


飯村の問いかけに彼は答える。


「俺はもっと強くなりたい。太田がこの前話した人が消滅した話し……それがこのパーティで起きない為にも強く。だからスキルや装備を買うお金がいる」


太田は彼が自分達の為にお金が欲しいと言った事が分かり、申し訳なさそうにした。


「それなら〜クエストをクリアしたらダンジョンで敵を倒すよりも効率よく稼げると思いますよ〜」


内田がそう言うと彼はクエストを受ける事にした。


クエストは二種類あり、この世界からのクエストと冒険者からのクエストがあり、酒場で確認する事が出来る。


すると飯村がある提案をする。


「あの〜、まだ早いかもしれませんがお金を稼ぐなら一層の事私達四人が住める場所を買いませんか?」


この世界には住居があるらしい。


さらに住居を購入すればその後、家賃みたいなお金は発生しないらしい。


「一応調べたんですけど四人が住める所だと50万くらいかかるみたいです!」


彼達はそれぞれ手持ちのお金を見せた。


彼が4万5千円、太田が2万円、飯村が5万2千円、内田が10万8千円で全員合わせると26万5千円だった。


すると彼は提案する。


「とりあえず今の手持ちは計算に入れないでおこう。今日から一人で15万貯めよう。」


あとお金の使う、使わないは個人に任せる事を決めた。


「あんた絶対金遣い荒らそうだから無駄遣いしないでよ!」


「わ、わかったよ」


とりあえず彼達の今後の活動はお金を稼ぐ事に決まった。


「んじゃ!クエスト探そうぜ!」


「だから!……もう怒り疲れた。いつかあんたの口を縫うからね」


彼達はクエストを探しに行った。


そして少しずつ彼は変わっていく。


今の彼はこの世界に来た事はプラスと言っていいだろう。



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