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ここはどこ?

ここはとある部屋。


そこには誰もいない。


すると一人の人物が部屋に入ってきた。



「新作待ってたぜ!」


ゲームを持って部屋に入ってきた彼の部屋のようだ。


彼の名は佐藤太郎(さとうたろう)


いやふり仮名はいらなかったか。


誰もが読める普通の名前だ。


普通の名前に普通の学力。


普通のルックスに普通の日常を送ってきた高校三年生。


普通すぎる自分が嫌いで何か変わりたいと思った彼は趣味を持つ事にした。


そして彼は素晴らしい世界に出会った。


それは二次元。


人間には一生出来る事は無いことを当たり前にやってしまう二次元に彼は魅力を感じた。


もちろん人間の日常を描く作品もあるが。


普通から変わりたかった彼が二次元にのめり込むのは時間の問題で彼は……ニートになった。


「二次元は素晴らしい!二次元は俺を救う!いや、世界を救う!」


彼は元々こんな事を言う人物では無い。


テンションも高くは無く低くも無くで本当に普通だった。


だが二次元の世界にのめり込めばのめり込むほど彼のテンションは普通から少しは高くなったのかもしれない。


しかしその代わりの代償としてニートになってしまったのは人間としてマイナスだろう。


普通からプラスの点もあればマイナス点もある。


だが彼は変わりつつあると考え気にはしなかった。


新作のゲームをしていた彼は時間を忘れ熱中している間に夜になり、睡魔に負けて眠りについた。


そして彼は目を覚ます……が彼が目を覚ますと同時にこう言った。


「知らない場所だ」


何か聞いたことがあるような事を言うが彼の視界に広がっていたのは全く身に覚えの無い場所だった。


その場所はまるで二次元の世界にでもいるような場所だった。


「ここはどこ?私は誰?」


記憶喪失か!、とツッコミたくなるが彼は記憶喪失にはなっていない。


自分の名前も歳も分かる。


だがここにいる理由だけは分からなかった。


しかし二次元を愛し過ぎてニートになった彼はこの状況を喜んだ。


「俺は異世界に来たのか?二次元の世界に?」


もしそうだとしたら彼ならもっと喜んでもいいと思うが、彼が二次元でテンションが上がるのは自分の部屋だけだった。


「目が覚めましたか?」


彼は驚き声の聞こえた方向を見ると羽が生えた女性を確認した。


「ここはどこですか?二次元の世界ですか?あなたは天使ですか?」


女性は二次元?と疑問を持ったが自分は天使である事を認めた。


「目覚めたら天使がいる……俺は死んだのか?」


お決まりの流れだと思ったが天使は否定した。


「いえ、私達天使はあなた達冒険者のサポートをする存在です」


へぇと思った彼だがすぐに疑問が浮かぶ。


「ん?今冒険者とか言った?」


「はい。言いました」


冒険者……彼はこの言葉に心を打たれる。


彼の中での冒険者の認識はRPGと言うゲームジャンルの主人公達が呼ばれる言葉だと彼の中で考えたからだ。


「それじゃあダンジョンとかあるの?」


「もちろんです。ダンジョン攻略があなた達冒険者のお仕事ですから」


他にも色々伝える事はあると言うがそれは今から向かう場所に行きながら伝えると天使は言った。


彼の表情からは察する事は出来ないが彼の心の中はこれから自分がする事への期待で昂っていた。


(どうせなら俺は主人公になりたい!こんな平凡な俺だけどなってやる!)


普通が大っ嫌いだった彼が普通では無い世界にやってきた。


これから彼に待ち受ける出来事はプラスかマイナスか。


佐藤太郎の物語が、佐藤太郎の仮想(リアル)RPGが今始まる。

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