俺の親友
この男が俺の親友?
なにを言っているんだこいつは?
そんなはずはない、こいつが俺の親友以前にどうしてこんな俺と歳のほとんど変わらないそいつがこんな大がかりなことをやることができる?
資金は?
人材は?
権力は?
すべてにおいて不可能なことは目に見えてわかる。
だからこいつの言っていることは全てうそだ。
こいつが俺の親友ってことも
こいつが黒幕で委員長を拉致したのも
絵空の記憶を奪い実験に利用したことも
そして俺が今こんな目にあってることも
全てはこいつのせいではなく別に黒幕がいる。こいつもマイクロチップを埋め込まれて操られてる被害者なんだろう。
と今までの俺ならそう思っただろう。
「そうかお前が俺の親友なのか…。」
「あれ?以外だな~、てっきり驚いてしりもち着くと思ってたに~?」
確かにこいつのいう通りだ。だけど今の俺にはその行動を取るために必要な材料がひとつだけ足りない、とても大切な材料が。
「俺もそうしたいのはやまやまなんだけどできないんだよな、だって記憶がないんだから…、誰かさんのせいでね。」
「ははは、そうだったねY、君は記憶が徐々に無くなるだっけね~?」
「だから俺はお前を親友だったという記憶がない、けど今はお前の言葉しか判断できる材料がないからな、今は親友ってことにしとくよ。」
本当にそうだ、今はあいつの言葉でしか判断することしかできない。だからあいつの放つ言葉を見極め自分自身で取捨選択をしなければならない。
「Yは覚えてないかも知れないけど俺ははっきり覚えてるよ。あの頃は楽しかったよな~?」
「残念だけど俺は全く覚えてないよ。」
「冷たいな~?小学校からの付き合いだったのに、俺がなんで同じ小学校に行きたいって願ったのかも知らないかった癖に…。」
今少し話方が変わった。俺はその変化にはっきり気づいてた。こいつは時々話し方が変わっている。それは放送越しにもここでも同じだ。その話し方はいつものおちゃらけたものではなく、静かに冷たく、そしてどこか寂しそうな話し方だ。
「ホントに忘れたの?
小学生のころ街の探検とか行って迷子になったり
中学生のころは理科室でアルコールランプ倒して学校燃やしかけて先生に怒られたり
高校生のころは昼休みに学校脱け出してハンバーガー屋に行って委員長に怒られたり…。」
最後の言葉で俺は革新した。こいつは俺の親友で委員長を誘拐した黒幕だってことも…。
「そんなこともあったかも知れないな、けどお前はこんなことを話すために姿を現したわけじゃないんだろ?」
「まあそうだね?けどそれはY、君も一緒だろう?」
「そうだね、今すぐにもお前を殴りたい気分だよ。けどその前にやることがある。」
「そのやることってなにかな?」
「まずは口喧嘩かな、ほらそう言うと親友っぽいだろ?」
「俺とお前は一度も喧嘩したことはないんだけどな~?まあ覚えてないとは思うけど!」
「ふ~ん、それじゃあ始めようか、初めての喧嘩を」
「いいよ、始めよう。最初で最後の喧嘩を」




