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殺気
「ね…ねえ…委員長どうしたの?そんな怖い顔して…」
「いいから質問に答えて…」
俺は冷たくいい放つ委員長になにも抗うこともできないまま質問に答えた。 ここで何か行動を起こしたらなにをされるかわからない。
「そ…そうだよ…。」
教室にはりつめるなんともいえない空気が俺を締め付ける。
「可哀想…」
可哀想…今委員長は可哀想と言ったのか?なにがなんだかわからない。今まで殺気をとばしていた人間にむかって可哀想なんて普通は言わない。
「どういうこと…?」
返答を委員長に求める。
だが返事はない。
俺は振り返る、このままだとなにも始まらない。正面から向き合って話さないと明日からの学校はどうなる?なにより俺の気がおさまらない。
だが振り向いた時すでに委員長はいなかった。