違和感
次の日俺はいつも通り学校に行く。
いつも通る通学路は学生や会社に通う社会人など多数の人が通る。
しかしこの日は人が少なく感じた。いつもなら交差点はスクランブル交差点ほどの数ではないがかなりの人達が待っていて行列ができているはずだった。
がしかし今日はすんなり先頭に行くことができたのだ。
その時の俺は「ラッキー!!」程度にしか思わなかった。そりゃそうだ例えるなら都会の通勤電車で座れるくらいのありがたみがあるのだから。
そしていつもの場所でそのままGと遭遇し学校に向かった。
「ここの問題はテストで出す予定だからしっかりやっとけよ~」
数学の先生よく学園ドラマで言いそうな台詞を言い出した。
そう、もうすぐ中間テストが近い。学生の最大の試練であり地獄のあれだ。高校2年となるとどの教科もハードになっていきついていくのがやっとだった。
そして昼休みGといつも通り学校を脱け出しハンバーガー屋に行く。当然委員長の忠告なんて無視だ。もはや委員長も分かって言ってるいるのだろう。
俺とGはいつものセットを頼む。
「お前テスト大丈夫かよ?授業中もずーと寝てたじゃん。」
「大丈夫大丈夫、俺やればできる子だし!」
Gがウキウキで答える。だかこれは決してふざけて言ってるのではない。Gは本当にやればできる子なのだ。教科書を見ただけで大抵の内容は把握できる。テストもいつも高得点だ。こいつはまさに天才肌なのだ。
「いいよな~。お前が羨ましいよ。ちょっと脳ミソ分けろよ。」
「悔しかったら勉強しろ。」
「へいへい、ん?あれ…」
俺は違和感に襲われた。
「どうしたY」
「ナゲットの数が少ないなと思って、いつも5個なのに今日は4個しかない。」
「お前なに言ってるの?ナゲットはもともと4個じゃん。」
そんなことはないナゲットは昨日5個食べたのだ。
「いや絶対5個だって!」
「しつこいな~、お前昨日ナゲット4個少ないっていってばっかりじゃん。それにほれ」
そういってGはカウンターの上にあるメニューを指差した。
俺はがく然とした。確かにメニューに載ってるナゲットは4個だったのだ。
「だろ」とご満悦な表情のGをみて俺はなにも言い返せなかった。やっぱり俺の記憶ちがいだったのか?そんな違和感を持ちながら学校に帰って言った。
「お前らまた脱け出して~!」
今日も委員長が仁王立ちで待っていた。
「そんなことより聞いてくれよ委員長、今日Yがいきなりナゲットの数5個だって言ったんだよ~、おかしいだろ~?」
「おいやめろって、って委員長どうしたの?」
いつもの委員長がどこかおかしい。いつものきりっとした表情が今日はうつ向いている。始めてみる表情だった。
「…いや…なんでもない…」
そう力のない返事をして委員長が自分の席に戻った。
「俺なんか変なこと言った?」
Gがくがくしながらこっちをみた。そんなGを俺はそんなことはないとたしなめ席に座った。
確かにあの委員長はある意味怖かった。いつもよりずっと…
そして放課後いつもように帰ろうとするその時
「…昼の話してことほんと…」
後ろから囁くような問いに俺は氷ついた。俺は恐る恐る後ろを振り向いた。
そこにいたのは昼に見せたあの表情をした委員長だった…。




