交渉
「あんたSになにしてるの!早くSを自由にして!」
Uは声を抗えながら叫んだ。親友があんな姿にされているのだ、誰でもそうなるはずだ。
「それはダメ、彼女は地球ために頑張っているのよ。」
「地球のため…?」
それからUは彼女から今この地球に何が起きてるのか教えてもらった。この現象のこと、特異体質のこと、そして自分とSがその特異体質だってこと…
「だいたいのことはわかったわ、でもなんで特異体質ではないあなた達がその現象のことを知ってるの?」
「最初にこの現象を発見したのは幸いにも特異体質の政府の人間だったの、だからその人のおかげで記録することができて私達も知ることができた。」
「でも特異体質ではないと消えたことを忘れる、なのにあなた達は覚えてる、それはなぜ?」
「それはね、私達があなた達特異体質からその能力を貸して貰ってるからよ。」
その回答でUはSが今どういう状況に置かれてるかわかった。
「あんた達Sになんてことするの!Sはモルモットじゃないのよ!」
「特異体質の人から能力を具現化して私達に取り入れないと私達はこの現象も全て忘れる、けど安心して、特異体質の人はいくら能力を抜き取ってもすぐに復活するから大丈夫よ。」
「けどSの気持ちはどうなるの?こんなの可哀想…」
Uは涙ながらにそう言った…。
「それは事情を知ったSが自分から進んでそうなりたいって言ったのよ。」
「え…」
Sは心優しい性格だ。自分が人類のためにできることになるなら進んで犠牲になるだろう。
「だからあなたの友達の家族も私達日本政府が保護してるから安心して、それでここからが交渉よ。」
「交渉?」
「新しい特異体質の人間を見つけて来てほしいの?そうすればあなたのお友達を解放してあげる。」
「なんでそんなことを私に頼むの?そんなのあなた達がやればいいじゃない!私達を見つけたみたいに。」
「あなた達を見つけたこと事態が奇跡なのよ、あなたのお友達がいろんな人に聞いてまわったおかげで私達のもとに情報が入った。そして確保」
まさか自分たちの行為がこんな事態を招くなんて思いもしなかった。自分たちはただ不安だっただけけなのに…
「わかったわ、でもどうやって探すの?」
「私達の研究で特異体質の人がいると逆にその周りに起きる現象の発生が加速することがわかったわ。そして今特異体質がいると疑われる街はここ」
そういうと壁に地図が映りある街が赤く光っている。
「あなたはこの街で暮らしながら特異体質の人間を探してほしい、同時にここで起きてる現象について記録もってきてほしいわ。もちろんその間の家族の安全は保証する。」
「本当に見つけたらSを解放してくれるのよね?」
「もちろん日本政府は嘘をつきません。」
「わかった、行くわ…」
こうしてUは特異体質の行く街へと赴いた。




