昔話
Uは昔こことは遠い場所で暮らしていた。家族は父と母と弟1人の4人家族でとても裕福とはいえないがどこにでもある普通な家族だった。Uが中学2年になったある日Uが暮らしていた街から唯一あったスーパーが消えた。だが街のみんなはそれをなんとも思わなかった。Uは不思議に思いその事を母親に尋ねた。だがその回答はUが想像していたものとは全く違うものだった。
「なに言ってるのU、こんな田舎にスーパーなんてあるわけないじゃない。だから昨日も車で隣街まで買い物したじゃないの。」
不思議に思い父親と弟にも聞いたが答えは母親と同じだった。Uはなにを行ってるか分からなかったがこれ以上いうと家族との関係が崩れるような気がした。なのでこれ以上はなんにも言わなかった。
UにはSという幼なじみがいた。Sとは小さいころから仲良しで昔からよく遊んでいた。小学校と中学校もこの街には一校ずつしかないので登下校も一緒にしている。
翌日登校中にUはSに昨日のことを話した。UはSから変な目で見られるか心配だったがSは
「私もそのスーパー覚えてる。けど家族も近所の人も誰も覚えてないの。」
「よかった~、ちゃんと覚えてる人がいたんだ。」Uは少しホッとした。さすがは幼なじみだ。
そして中学校ついた時そこには異様な光景が広がっていた。なぜがランドセルを背負った小学生が続々と校舎に入っていく。UとSは思わず互いの顔を見合わせた。
「ここ中学校だよね?」
「そうだよ…でもなんで小学生がいるんだろ…」
頭を悩ませてる二人の前にある小学生が駆け寄ってきた。
「お姉ちゃん早くしないと学校に遅れちゃうよ。」
来たのはUの弟Vであった。
「あんたこそここでなにやってるの!小学校はここじゃないでしょ。」
「なに言ってるの、この街には小学校はないよ。だから中学校の校舎借りて勉強してるじゃん。」
二人はなにが起こっているのがわからなくなった。
その時校舎から始業の鐘がなった。
「お姉ちゃん早くしないと遅れちゃう!早く!」
そう言ってVはUの手を引っ張る。
「Uは先に行ってて、私ちょっと先生に聞いてくる。」
この時の二人は正常な判断ができていなかった、だからそのまま身に任せた行動しかできなかった。
UはVを校舎まで送り届けると自分の教室に入った。
そこにはいつも見ていた光景がある。
「よかった、ここは変わってなくて、」
しばらくしてSが教室に入ってきた。その顔はどこか悔しそうだった。
昼休みUとSはクラスメイトにスーパーや小学校のことを聞いたが皆答えは一緒だった。
放課後学校の図書館でこの街の過去記録を調べたかが小学校があったという記録はどこにもなかった。
「いったいみんなどうしちゃったんだろう?わたしがおかしいのかな?」
「そんなわけないじゃない。ちゃんと私達覚えてる。明日また調べて見よう!」
「そうだね!」
こうして二人は約束をして別れた。
翌日Vは学校に来なかった。