たわいもない話
「とりあえずまた場所移動しましょうか。」
こんな道の真ん中(もとは交差点だったけど)でながなが立ち話してるのもアレだから場所移動には賛成だ。俺は委員長の指示に従った。委員長はさっきよりよりも足取り速かったように感じた。俺は気になったがこの状況では言える空気ではなさそうなのでそっとしておこう。
「Y、なんでそんな後ろ歩いてるの?こっちに来なさいよ。」
珍しいこともあるもんだ。委員長が俺を呼ぶなんて。そう思いながら俺は委員長の隣についで歩いた。委員長はほんのり汗をかいており額からでた汗が首筋に流れている。もう夕方とはいえまだ暑い。そんな状況でずっと立ち話をしてたんだ、そりゃ汗だくにもなるだろう。
「少したわいもないしましょう。今までやってきた事が全部無意味だとわかったらどうする?」
なんで今こんな事を思ったがまあとりあえず話を合わせとこう。
「別に無意味だと思わないよ、結果じゃなくて過程に意味があると思うよ。」
「…そうなのかな…」
少し悲しそうだけどどこか嬉しそうな顔で静かに呟いた。
「 けどそれがどこがたわいもない話なの?結構大切な話だと思うけど」
「ほらテストまで近かったじゃない?だからテスト勉強を必死で頑張ったのにテストの点数がよくなかった時にテスト勉強って意味があるのかな~?って思っただけよ!」
「ふーんそうなんだー」
成績優秀お前がなにを言うか。
しかしこんな会話から今までどこかぴりぴりしてた緊張がとけたような気がした。委員長も関係もなにも起きる前の関係に戻ったみたいだ。
それから俺と委員長はなにもなかったころの話をしながらそこにむかって行った。
「よしついた、最後の目的地にようこそ!」
たどり着いた目的地…俺はここを知っている。昨日まで閉じ込められてたあの施設だった。