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償い
最後の銃弾によって彼女の意識は完全に無くなった。
彼女からは血と汗と涙のいずれかが体から流れていく。
それから発せられるなんともいえない匂いがこの部屋を包むように充満しておりその中心に俺がいる。
どうもこうもこうしたのもこうなったのも全部は俺のせいでもあり彼女のせい。
だからこうなったことに誰も文句は言えないし言わせないに言う権利もない。
かわりに俺達は否定も肯定も文句も言い訳もしない。
それだから俺達にはこうなった責任をとらなきゃいけない。
弁護士も検事も裁判官もいらない、罪は俺達が一番よく知っているから…。
じゃあ時間がないから始めようか…。
俺がこの人生最後の大仕事を…。