残りの弾数
これから俺がやることは正直言ってやりたくない。
まあこれがおそらく我が人生最後にやることなるんだから一辺の悔い無しと言いたいんだけど残念ながら最後の最後に一生の悔いを残すことになる。
彼女に俺に化け物と呼ばれて俺はまだ人間の心を持ってることに気づいたが今からは本当の化け物になってやる。
だってこれからすることは人間なら普通やらない…、できないことだから。
「Y、あんたなにそれ…?」
「なにってこれだよ、見てわかるでしょ?」
「いや、だから…、私が言ってるのはそうじゃなくて…。」
「じゃあなんだよー?」
「だからなんであんた銃持ってるのよ?」
今さら彼女はなにを言っているんだろう?
これまでさんざんいろんな目に合ってきてやられてきたというのに今さら俺が銃を持っていることくらいなんもおかしくない。
というのがさっきまでの彼女が考えていそうなこと。
だけど今の彼女はそんなこと考えている余裕がない、もっと危機感を持っているはずだ。
この状態で俺が銃を持ってかまえている、それがなにを意味するか?
そんなのバカでも分かる。
「ああこれ?さっき優歌のところにいった時、彼女の体の下にあったから拾った。」
「それであんたこれであたしを撃ち殺すわけ?私が殺してあの子の銃で?」
「まあそれもいいかもしれないけどきっと優歌はそんなこと望んでない。彼女は優しい女の子なんだ。」
「じゃあどうするわけ?」
「ねえ委員長、この銃に弾があと4発残ってるんだ。」
「あんたなに言って…まさか…!」
彼女頭がいい、まがりなりにも委員長の体と頭脳を持ってるから。
だから俺の言葉の意味と今から俺がなにをするのかすぐに気づいた。
だけど遅かった、それに気づいた時もう彼女は傷ついていた。
パァン!
「ギャァァァァ!!!」
弾が放たれた乾いた音と彼女の悲鳴が暗い部屋に響く。
反響しているからか凄くよく聞こえる。
「な…なんで…。」
「いやだって今から俺動かなきゃいけないけどこの状態で動いたら委員長も動けるじゃん。」
「だから…私の手足を撃ったってわけ…?」
「そういうこと。」
まず初めに彼女の左手の掌を撃った。もう彼女は左腕でしばらく何も持てない。
「さてあと3発、次はえ~と~?ここにしよう!」
パァン!
「ギャァァァァ!!!」
次は右太もも、これで彼女はもう立てない。
だけど俺はこれで彼女から離れられることができる。
「どお委員長、痛い?」
「痛い…に…決まってる…でしょ…。」
「そうだよね、俺もこんな状態だからよく分かるよ。」
そんなの痛覚がなくなった俺に分かるはずがない。
ただ言ってみただけ。
「委員長、俺にこんな目に合わされていまどんな気持ち?」
「そうね…、私をこうした…化け物を…殺してやりたい…わね…。」
「あと2発。」
パァン
「あ…あぁ…。」
もう彼女には叫ぶ力も残っていないようだ、そりゃそうだ、直接死ぬようなところには受けてないがすでに銃弾3発も喰らってる、痛みは強烈なものだ。
「で委員長、これでも俺を殺したい?」
「ハァ…ハァ…ハァ…。」
「ありゃ、もうちゃんと喋れないか。まあ委員長それは無理だよ。だってもう君は何も持つことができなくなったからね。」
「ハァ…ハァ…」
彼女を見ると痛みと怒りに満ちた表情をしてもり顔には血ではなく汗と涙が流れている。
こんな顔になるのはしょうがないないよね。
俺はそれだけのことをしてる。
「さあ委員長、弾はあと一発。なんかいい残すことにはない? 」
「ハァ…ハァ…殺して…やる…。」
おっとまだ喋れるじゃん、これなら少し安心した。
「そう…。」
パァン!
その一発を俺は彼女の左太ももに向かって撃った。