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虚無世界  作者: 天神
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慣れ

いくらこんな状態でも自分で立てなければ、動けなければ何も始まらない。

もう少し頑張ると決めたのだからこれくらい克服しなきゃならない。

あいにく人間という生き物はどんな状況、状態になってもよほどなことがない限り慣れてしまう生き物である。

暗い所でも最初は暗くてなにも見えないが時がたてば次第に見えてくるし、新しい環境に身を置かれても時がそれを慣らしてくれる。

俺みたいに最初は死体を見るだけでビビっていたのに今は見てもなんとも思わない、死に慣れてしまうこともある。

だから慣れは有難いことだし恐いことである。

まあ前置きはこのくらいにして俺はもう感覚がない感覚に慣れてしまった。

ありえない感覚に、異次元の領域に踏み入れてしまった。

もう壁も支えてくれるものもいらない、だって自分で立てるのだから。

この足で少しずつ踏んばってゆっくりでいいから立ち上がる。

転んだり吹っ飛ばされたりするのはもうヤメだ。

そんな時間も寿命もないしあとはがむしゃらに立ち向かって最後は盛大に散ってやろうじゃないか。

俺の腹に穴を開けてくれた彼女に今度は俺が穴を開ける番だ。


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