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消失
普通の生活に戻れない…それは俺が誰かに追われているのではなく、誰かに拘束されるのでもなく誰からも忘れ去られていることだった。
「お前なに言ってるんだよ、Yだよ、幼なじみの
…」
「俺はそんなやつ知らないし元のクラスに戻れよ。」
「何の冗談だよ!ちょっと学校来なかったくらいで忘れるわけないよな!ちゃんと机だって…」
俺は目を疑った。今まで自分が使っていた机と椅子がない。俺は教卓にあったクラス名簿をみたがやはり俺の名前がない。
「な…なんなんだよ!!」
俺はわけもわからず教室を抜け出し走りだした。クラスメイトがざわざわしていたのが俺が久しぶりに学校に来たことではなく俺が誰が判らなくてざわついていたのだ。俺はやっと委員長が言っていたことが理解できた。
俺のことをみんな忘れてる。
それが現実…
ならどうして委員長は俺のことを覚えていたのか?それにどうして俺の拘束されてることを知って助けに来たのだろうか?
やっぱりあのときに全部聞いておくべきだった…。
「やっと現実を知ったようね。」
どうやらその疑問はすぐに解決しそうだ。なぜなら俺の前に委員長がいたから…