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虚無世界  作者: 天神
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未来の自分

実はその質問の解答を俺はずっと考えないようにしていた。

けどそれは自分がこの状態になってから頭の中でグルグルとはしゃいでいる子供見たいに騒がしくてうるさかった。

まあそんなこともさっきGに指摘されるまで忘れていたわけで、簡単にいうとそれほど今の俺はヤバいというわけだ。

そんな俺をニタニタ笑って見ているG、とてもスッキリとした表情をしている。今まで言いたかったことを言い切った清々しいそれを俺はどんな表情をすればいいのだろう。

「お前もずっと考えてたんだろ?そしてY、お前にはその答えはだしている。」

Gの言ってることは正しい、俺はその答えをすでに見つけ出した。

答えはいたって簡単、考えれば誰でもすぐにわかる。

そもそも記憶と言うのは人生の塊みたいなものだ。今まで経験してきた出来事、出会い、喜びや悲しみが脳という器に積み重なっていき自我や感情が生まれる。

物忘れや思い出せないっていう現象はその器から取り出せなくなる状況だと俺は考えている。だから根本的には器に残っているということになる。

だけど俺は違う、俺の器には穴が空いている、その穴から記憶が砂のように流れ落ちていく。砂はどんなにすくっても穴が空いている限り永遠に溢れていく。

俺は特異体質だ、現象によって消えることはない。

だけど記憶という砂が全てこぼれ落ちた時俺は全ての記憶を失う。

その時の俺は自分が何者かも分からず自我も感情も無くなってるだろう。

つまり答えは…。

「 ほら早く答えを教えろよY、お前が見つけた自分の未来を」

俺は目を閉じる、別にGを見たくないからではない。気持ちを落ち着かせるためだ。

スゥー ハー スゥー ハー

そのままゆっくりと2 .3 回深呼吸をやり目を開ける。

横には答えを今か今かと待っているGがいる。そんなGに向かって俺は一言こう言った。

「 そんな未来のことはどうでもいい、それよりも今が大事だ。」


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