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Ex6.母と彼。
とある部屋の中で、一人の獣人女性が昼寝をする少年を笑顔で見つめている。
「ふふ、草原で動き回るだけ動き回ってこれだものね。」
先程まで元気に動き回っていた少年はスヤスヤと眠っている。
『あ・・、そのフォルダは開いちゃ駄目だよ父さん・・・』
だがふと、眠っていた少年は聞いたこともない言葉を喋り出す。
女性は疑問に思いつつもその場は優しく見守り続けた。
それ以来、女性は少年が眠っている時に度々謎の言語で寝言を呟くのを目撃した。
やがて女性は、少年が夢の中でこことは違う別の世界に居るのではないかと考えるようになる。
夢の世界にいるときの少年は、彼女が見たことのない表情をすることも少なくなかった。
だが、だからといってそれがどうという話でもない。
彼が夢の中で何を見ていようと、どんな表情をしていようと、どんな世界にいたのだとしても、全て愛しい息子であることに変わりはないのだから。
母の愛とは偉大です。




