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異世界で生きよう。  作者: 579
2.彼はこうして異世界で育つ。
37/159

Ex2.閻魔大王と部下。

「なんだと!?」


 とある広い部屋で男性の怒鳴り声が聞こえた。

 子供が見たら確実に泣き出しそうな怖い顔をしているため、その迫力には一層凄みがある。


「おかしな力を観測したため調査したところ、人間の魂を1つ遠い世界へと送ったようです。経緯は今お話した通りですね。」


 部下が質問にそう答えた。


「あの女・・・。魂を強化するのにエネルギーまで使いやがって・・・!しかも、俺が干渉できないような世界まで送ったから馬鹿にならない量だ。」

「勝手に天国に送って確実にあなたに文句を言われるより隠れて異世界に送って文句を言われない方を選んだんでしょう。結果的に私達に観測されてあなたのお耳にこうして入っているわけですが。」


 部下は冷静にそう返事をする。


「おい・・・。そろそろあいつを引きずりおろさないか。」

「難しいでしょうね。あの方、部下からの信頼はかなり厚いんですよ。」

「俺からの信頼は地に落ちているがな。」


 怖い顔をした男はそう言って深い溜息を吐く。


「だいたい、何で俺はこんなことをやらされているんだ・・・。全員地獄の方法でエネルギーを回収すりゃいいじゃねぇか。」

「そういう方だからこそ、部下からの信頼があるんですよ。」

「そうか・・・。お前もそうなのか?」


 そう尋ねた閻魔大王に部下は頷く。


「えぇ。もちろんあなたのことも尊敬していますが、あの方のことも同じくらい尊敬しています。」

「そうか。だったら尊敬する俺からの頼みだ。仕事を変わらないか?これはお前が尊敬するあいつから任された仕事でもある。尊敬する2人の役に立てるんだ。うれしいだろ?」

「ご冗談を。私にそんな力はないですよ。務まるのはあなたくらいなものです。」


 2人が会話しているところに、別の誰かがやってきた。


「そろそろ仕事を再開して頂いてもよろしいでしょうか。」

「あぁ・・・。わかった。」

「次の者ですが、閻魔様につぶあん饅頭を持参したそうです。」

「あの女の・・・。いや、今日は疲れた。甘いものが食べたい。受け取っておいてくれ。」


こうしてつぶあん饅頭は配られ続けるのです。

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