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異世界で生きよう。  作者: 579
2.彼はこうして異世界で育つ。
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Ex1.神様と天使。

 とある男子高校生の魂が、異世界へ送られた後、二人の女性が会話をしていた。

 二人とも金色の髪をしているが、一人は背中に羽が生えていて、もう一人は手に宝石が埋め込まれた杖のようなものを持っている。


「彼、行きましたね。」

「えぇ、そうね。それより景品の入荷をちゃんとしておいてくれるかしら。」

「いや、残り景品が2つくらいになった時に発注はかけたんですよ。ただ仕入先と少しトラブルがあって入荷が遅れてしまいました。」


 そう言って羽の生えた女性が頭を下げると、杖を持った女性は溜息を吐く。


「はぁ、それならば仕方ありませんね。次からはもうちょっと余裕を持って行ってください。」


 そもそもこんなことをしなければ良いのにと羽の生えた女性は思うが、無論そんなことを口に出せるはずがない。


「幸い私の方でフォローして、彼にも納得してもらう形でおさめることができましたし今回は良しとしましょう。」

「閻魔様には納得してもらえるんでしょうか。」

「ばれなきゃいいんですよ。」


 羽の生えた女性は、地獄で怒鳴り声をあげる閻魔大王を想像し頭が痛くなる。

 そして話題を変えるように話しかけた。


「ところで彼、どうなりますかねぇ。」

「どうなるんでしょうね。要望の方はなんとか通すことができましたけど、あちらの世界でどうなるかはちょっと干渉しきれないんですよね。私が管理している世界じゃない上に何分遠いですから。」

「変なことにならなければいいですけど。彼にとって景品がもらえた場合と、今回の場合とどちらがよかったんですかね。」

「んー。どうなのかしら。あれがあれば、閻魔大王の沙汰も緩くなりますし、天国には行けたでしょう。ただ、地獄にしろ、天国にしろ、結局は消えて存在しなくなるものね。」


 魂というのは器の中にエネルギーが貯まっている状態だ。

 この世界での管理体制として、生きている間に器にたまったエネルギーを世界の運営に利用している。

 天国と地獄ではそのエネルギーの抜き取り方に違いがあるだけだ。


 そうして、エネルギーが抜かれた器は、また再利用される。


「幸せな夢の中と、苦楽の伴う現実と、どちらが良かったのかという話ね。彼はどちらだったのかしら。」

「どっちだったんですかねぇ。」

あなたはどちらが良いですか。

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