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エピソード5 奴の手口

奴の手口は実に巧妙でずるがしこい。

まず、女性を口説くときに直接本人を誉めないのである。必ず第三者から遠まわしだ。


遅刻したのにもかかわらず鼻歌交じりに第一声だ。

「昨日紹介してくれた子面白かったなあ、今度食事でも誘えんかな?ワシが言ってたって伝えてくれる?」


(自分で誘えよ!)と思いつつもその後友人への誉め言葉を連発である。悪い気はしない。

(ちょっとこれは本気だぞ、どうする?)


人は自分自身については疎いものだが、とかく他人(友人)については敏感に察知する。

自分の身に起こる事は慎重に熟慮するが、友人の、特に恋愛は煽りたくなるものである。


「エイコのことベタ誉めだったよ!また会いたいって。ずっと話題にしてる。」

早速のメールである。

「そうかな〜、テヘッ!(笑い)照れるなぁ。いったいどこを気に入ったんだろう?」

(ガンダムの歌かな?宇宙刑事シリーズの歌かな?それとも痛がってたマッサージ?)


いろいろ頭を廻らせるが思いつかない。それもそのはず、自分自身口説かれていない。

誉められないし、次も約束してないし、パチンコの話も途切れてるし…。(なぜだろう?)


なぜ?なぜ?と思っているうちに頭の中に顔が浮かんでくる。そして記憶とともに感触も。

頭の中で危険な妄想が渦を巻く。(警戒警報!おかしい、自分でコントロールできない。)


まぁ、いっか。飲んだ席では良くある話だし。(会社の先輩から聞いた話を思い出す。)

男なんてそういうものだよね。

頭の切り替えは早いもので、全てはうたかたの夢だったのだろうと納得しかけたところだった。


<不意に携帯が鳴り響く!>


「ア、もしもし、ワシ覚えとる?今日は仕事が早めに終わったから飯でもどうかな?」

奴が動いた。


「残念!今日はもう夕飯済ませちゃったの。また今度機会があればみんなで行きましょう。」

やんわりと断る。(一応親友の上司だから言葉に気をつけなきゃね。)

お断りの上等文句、「また」と「今度」は2度とない。そう思っていた。


「そうかー、じゃぁまた電話しまーす。」


(あれ、意外にアッサリしてる。聞いた話とは違うなぁ。)

人づてに聞いた話では大きく伝わるものだし、気のせいね。

結婚してる人だからそう頻繁には誘ってはこないでしょ。


しかし、甘かった…。

それ以来毎日、メールと電話が続きいつのまにか待ってるのが楽しみになってきた。

と同時に不安である。何せ相手は既婚者。


そんな困惑している彼女の状況を知ってか知らずか、相変わらず奴は職場で暴走する。

「ワシあの子に気に入られとるかなぁ?今度ホテルに誘ってみようかなぁ。」


知るかボケ!!仕事しろ!パチンコばかりしてるので仕事の書類はたまる一方だ。

エイコとのメールのやり取りを一部始終声を出して読んでいる。

奴にとって今1番気になるホットな情報なのだ。しかし、メールの感想を求められても…。


「ワシちょっと外回り行ってきまーす!後よろしく。」

もちろんパチンコだ。


案の定、1時間ほどして電話に出た奴の後ろから軽快な音楽が聞こえている。

「えーっ、新規の客?誰もおらんの?すぐ帰るわー。」


とはいえ出てるときには止められない。連チャン中はあてにならないのだ。

誰か奴に仕事をするように言ってくれる人は居ないのか…。


だがこんな奴にも弱点はあった。





毎日暑い日が続いてますね〜。最近PCに向かうことすらためらいがちで…。パーッとビアガーデンにでも行きたいな!同感してくれる方、メッセージお待ちしております。

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