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人形使いの付喪神  作者: 穂積
第一章
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第六話 誰が為の決闘

思わぬ形で始まった前日祭の決闘は

フィア達が有利に進めていると思われたがミハイルが

本気をだした瞬間に形成は大きく変わっていく

前日祭当日ー闘技場前の控室にてー

フィアはミハイルからじっと見られ緊張から汗をかきはじめていた

『人の魔法人形をジロジロ見るなよ』

ルカの注意を無視しミハイルは視線を上げると礼儀正しくお辞儀をした

『お初にお目にかかりますイースマキナ第一王子のミハイル・シュトラウスと申します、此度の模擬決闘、不肖弟のルカに協力して頂き感謝致します。』

『何言ってんだ、そいつは唯の…』

『執事から人形の少女が弟を訪ねて来たって話を聞きましてね、魔法人形の活用を推進している者として一度会ってみたかったんです』

フィアはキョトンとした表情を浮かべ固まっていた

『今回の決闘は最新鋭の魔法人形と説明しておいたので全力で向かってきていいですよ』

ミハイルはルカを見つめながら続けた

『貴女がルカを助ける度に魔法人形の評判は上がりますからね…それに二人係でようやく五分五分でしょうから、勝ちたいなら周りの目など…ん?』

その時控室の扉がノックされ会話は中断された

衛兵の案内に従い闘技場を出たフィア達を熱狂的な拍手が出迎えたその後

指定の位置に着きフィア達は向かい合っていた


『これより時祭り前日祭を行う!』

『イースマキナを継ぐ2人のシュトラウス家の王子よ前へ』

向こうの魔法人形が一緒に並んだ為遅れて並んだ

『この一年で得た物学んだ事全てを見せてくれ!』

『それでは…始めっ!!』

フィアは後ろに下がり一面を見渡せる一に移動しルカは切りかかった

『タイムボム』ミハイルは剣を捌きながら空いてる方の手で魔法を放った

チッチッチッと音を立てながら3つの時計が出現した

(長針が時間で短針が炎がでる方向…)

冷静に時間と咆哮を確認し安全な場所に移動する

ルカは視線だけ動かしフィアの位置確認するとそこに避難して魔法をやり過ごした

『兄貴はああ言っていたけど取り合えず最初の作戦通りに行動しよう』フィアは小さく頷くと定位置に戻った

『以前よりもずっと腕を上げたな、だがこれならどうだ?』

ミハイルは『タイムボム』を放つとルカとの距離を一気に詰め剣を叩きつけた、剣が地面に突き刺さり土煙が舞った

ルカは剣を引き抜こうとしているミハイルを突進で突き飛ばした煙の中から飛び出したミハイルを炎が襲ったが傷一つついていなかった

(効いていない!?)

『なるほど…サポート魔法か攻撃系のバフなら動くな、防御系なら避難か…考えたな。』称えるミハイルに対し

ルカは作戦を一回で見抜かれムッとしていた

『控え室でも言ったが全力を出さなければ勝てないぞ?』

『くっ…それなら【フルス!】』『スロウ』

ルカは雷の魔法を使うが減速の魔法を使われ避けられてしまった

『タイムボム』素早く把握し安置からルカに合図を送った

『2度目はない『火時計』『クイック』』頭上に巨大な時計が出現し倍の速さで周り始めた

(まずい…っ!)ルカに起爆のタイミング伝える

『大丈夫だ流石にあの馬鹿でかい時計は見えてるからな』

火時計の発動に合わせ移動しタイムボムの発動に合わせ炎の中かと外から一気に距離を積めた。

『そこだっ』視界外からの奇襲にもかかわらずルカの剣は防がれてしまった『いまだ!』

フィアが炎の中から飛び出して蹴り上げた『なにっ?!』

体勢を整える前に跳武三連撃を空中で喰らわせ地獄落としを飛び上がり挟み撃ちにし跳武三連撃から地獄落としで地面に叩き落としルカはずっと溜めていた魔法を0距離から放ち『フルス』雷の魔法で追撃した

2人の攻撃によってミハイルの鎧は割れていた


ルカはそれを見て声を上げた

『その装備じゃ戦えないだろ?ここは俺の勝ちって事でどうだ!?』

審判は悩んでいたがミハイルが口を開いた

『私は…まだ戦えますよ』

『もし怪我をすれば国政に支障を来してしまうでしょう?』

『私はこの装備のままでも構いません、続けさせてくれないでしょうか?』

審判はミハイルの案を採用し戦いが再開した

『政治を私に丸投げした奴が支障を来たすなどふざけた事を…』そう言うと魔法人形に魔力を送った人形は両手を剣に向け何かを詠唱し始めた…詠唱が終わると人形は動かなくなった

するとミハイルの剣が姿を変え巨大な剣に変貌していった。

『【トラキア】をお前に見せるのは始めてだったな..この際だから言っておく』

『お前は知らないだろうが、お前の事件があったせいで村一つが滅んでいるんだ。』

『へっ?』

『鈍いな兵士を街に呼んだんだよ、それでダンジョンの見張りを別の兵士がやる事になったんだ!そして…』

ルカは俯いていた

『別の道があるだと?期待されている?!冗談じゃない!お前みたいないい加減な奴がいるから何の罪もない民が被害に遭うんだッ!』


ミハイルはルカに近づくと肩に刃先を向けた

『襲われたのだって身から出た錆だろうな』

そう言うと刃先に赤い光が集まって行った『

『ルカさん!』(ダメだ間に合わない!こうなったら…)なんとかルカを蹴りとばして回避させる事が出来たが…

『ごめんなさい…』蹲り(うずくまり)左腕を押さえるフィアの目には涙が浮かんでいた

多少距離が離れていたがそれでも剣圧だけで左腕が切断されたと錯覚するほどの威力と衝撃だった。

(…フィア)


ルカの脳裏には一緒に戦うと言ってくれた時の記憶が甦っていた

『それでも…今回はお兄さんを救うためにも必ず勝たなきゃいけないけないんですよね?』

ルカは暫く考えたのち答えた

『…そうだな、いまさら負けることを考えてる場合じゃないな!』

『その意気です!』


(後悔なら後で死ぬ程すればいい今は目の前に戦い集中するんだ!)ルカは剣を握りしめ立ち上がった

『フィア…ごめん』

『大丈夫です…私も…戦います』


『トラキアに挑む勇気はあるか』ミハイルは手に炎を集め地面に叩きつけた『埋火』地面から火柱が立ち上がりルカは飛んで回避したが地上でミハイルが剣を構えた

『フルスッ!』雷はルカの剣に当たり雷を纏って切りかかる

『クソッ!』しかしミハイルの武器トラキアには歯が立たず吹き飛ばされ、剣を地面に突き立てなんとか踏ん張った

(なんとかして隙を作らねえと…)

『フルスクラッカー』ミハイルに雷の魔法を放つが剣で弾かれてしまった

(半端な攻撃じゃ弾かれちまうし床からは炎が吹き出してるから迂闊に近づけねぇ…)

思案するルカに『火車』剣を横に構え魔法を耐えるルカの腕を掴むと炎が噴出する亀裂の上に叩きつけ首を素早く抑えつけた炎に焼かれ絶叫するルカにミハイルは言った

『戦いや病気で亡くなるのならまだいい、だがあの村の人達や兵士は私達の怠慢で死んだんだ…』

『クイック!…ぐっ』ルカを押さえつけているミハイルの目には涙が浮かんでいた。

その瞬間、背後からフィアが飛び出してきた

察知したミハイルがフィアを弾こうとするが床から噴出した炎に阻まれた、その一瞬の隙をフィアは見逃さなかった

(さっきのクイックは埋火に使ったのか?!)

ルカは素早くフィアにクイックの魔法を放つと

加速したフィアは蹴り上げを放った

寸前でガードされたが跳武三連撃を右腕左腕と喰らわせ空中でガードを解いた

(加速した分一撃一撃が重い…ッ!だが)

ミハイルは空中『クイック』を使い体制を整えたミハイルは三連撃の最後を回避し剣を振り下ろした…

(私だって無傷で勝てるだなんて思ってません!)

(すまない…)フィアの左腕は宙を舞った


激痛に顔を歪めながらもフィアは右腕でミハイルの腕を掴むと腹部に地獄落としを決めた

(これで終って!!)願いを込めた全力の一撃を放った

加速したルカの踵落としを喰らったミハイルは一瞬で地面に叩きつけられ土煙が大きく舞った。

(これで…)


土煙の中から人影が表れると剣を振るい霧払いをした

ミハイルは血を吐き出すと言った

『まだだッ!!そこで威嚇しているだけか?ルカ!』

(まだ戦えるの!?でも、こんな状態で戦ったら…)

フィアの視線の先には傷だらけのミハイルと雷を纏ったルカが剣を向け合っていた

ルカの技はフィアの攻撃が防がれた場合の保険だったがミハイルの鎧は拉げ(ひしゃげ)叩きつけられた衝撃で頭から流血していた

『その傷でまだやるのか…?』

『当たり前だ、ここまで来て棄権するつもりか?』

そこに審判が割って入ったが兄が制した

『次の一撃で決着だ…』

ルカは話すのをやめミハイルと向かい合った


(兄貴はそれだけの決意と思いで戦いに挑んでいるんだ)

2人は武器を構え同時に奥義をくり出した

『噛み砕け【フルスラグナァ!】』

『燃やし尽せ【ティタノマキナ】』

雷を纏った獣と炎の歯車が激しく絡み合うと爆発を起こしその衝撃で二人は吹き飛ばされた


覆っていた煙が晴れたとき立っていたのはルカだった

『魔力を貯めた奥義でも兄貴の奥義には負けるのか…』

ルカは傷だらけになっていたがなんとか立ち続けていた

フィアは駆けつけ回復魔法を唱えた

『…必ず直してやるからな』

ルカはフィアの腕を見て言った

『それよりも…王冠を…』小声で伝えると

ルカは思い出した様に壇上に駆け上った

『授賞式の前に頼みたいことがるんだ!!この王冠の鑑定を…』

言い終えない内に爆発したが…その衝撃は非常にゆっくりだった、ミハイルが顔だけ上げて言いった

『罠だと思っていたなら少しくらい警戒しろ』

爆発はスロウの魔法を受けゆっくりと広がっていった。


衛兵がすぐ舞台に集まりルカとミハイルを下げると

騒ぐ民衆を王が落ち着かせた、その後王冠を用意した執事レーテを呼び出すと真偽を問いただした。

『私はその様なことは断じてしておりません!シュトラウス家に使え数十年いまさら裏切るなど…』

『レーテ…』ルカとミハイルは救護室で治療を受けながらレーテの話に耳を傾けていた。


『そうだっ!金細工師を問い詰めて…』レーテが王にそう言うと王の背後の空間に亀裂が入り割れると角の生えた黒褐色の肌をした女の子が現れゆっくりと降りてきた。

『罪状は国家反逆罪…レーテ・アルスティン貴方を拘束します』少女の手に紫の光が集まるのを見た男は必死に続けた

『証拠は!?』『臭い』レーテと言われた男はクイックを自身に使うと少女にスロウをかけ闘技場の入り口に向かって走り出した。

『【タナトス・ドーラ】』少女がそう発すると共に無数の光が飛んで行きフィアの眼前でレーテを貫いた

光の光線はレーテのあらゆる部位を貫いたが血が流れることもなく炎だけがその場に残っていた

少女は炎を掴むと空間に亀裂が再び入った。

『裁定の結果は後日お伝えします。』

王が頷くと少女は一礼をして亀裂に炎と共に消えていった。


『…遅れてごめんな』

唖然としているフィアに声を掛けたのはルカだった

傷が回復した姿を見て安心したフィアは戦いの疲れからそのまま気を失ってしまった…。


ルカは控え室でフィアを寝かせた後ミハイルに頭を下げていた

『頼むッ!フィアの腕を直して欲しいんだ!』

『当然だ、それよりも考えは変わったのか?』

『俺は…やっぱり人の意思を尊重したい…事業が難しくてもサポートして続けさせてやりたいんだよ』

『そのサポートが民の税から出ているのはわかっている筈だ何度も言うが優しさは正しさじゃない…無慈悲でも発展し続ける事が正しい姿なんだ』

『…わかってる、だからこれからは…広い視野で見て事業も発展させていくんだ』

『出来るのか?』真剣な眼差しで問うミハイルにルカは笑顔でかえした

『そもそも俺は兄貴のサポートがしたくて仕事を手伝い始めたんだ、事業のアドバイスは兄貴がサポートしてくれよ』

ミハイルは一呼吸置いた後答えた

『周りを頼りにするとはな今回の決闘で変わったなルカよ』

ミハイルは軽く微笑んだ

『そうえいば俺の乖の目も最後まで変わらなかったな、レーテは善人のままだったし…レーテ…』

*乖の目:人の心を色で見ることが出来、善人と悪人を見分けることができる瞳

『乖の目も万能ではないという事か、だが』

ミハイルはルカの肩を叩いて言った

『落ち込んでる暇はないぞ、単独犯と分かれば通常通り開かれるだろうからな、寧ろそっちが本番だ。』

『わかってるよ…でもディアニモも最初から来てくれたら良かったのにな魔族は嗅覚に優れてるんだろ?』

『奴らは個人の味方ではなくアステリスの均衡を守っているだけだ、個人のいざこざや魔物の件は国の解決する問題と考えているんだろうな』

外からざわつき声が聞こえてきた

『そろそろ調査が終わった頃だろう、私は彼女の修復をしてこよう』

『俺は明日の祝祭について話してくるよ』


不安な気持ちで始まった決闘は思わぬ形で幕を閉じた

二人の王子は決意を新たに結託し歩み始めるのだった。

『ルカ・シュトラウス』LV25 マキナ族 職業:第二王子 ジョブ:剣士 武器:決闘用の剣

装備:決闘用の装備一式

ステータス:HP:500 STR:120(30) DEF:220(60)

INT:60(30) MEN100(30) AGL:40(±0) LUK:20

イースマキナの第二王子にして聖典の一つ乖の目の持ち主

幼い頃から周りから愛されてきた彼が一番慕っていたのは兄のミハイルだった

兄がイースマキナの政治に関わりだすと同時に兄を支えるために営業不振のお店を手伝い問題点や改善策を兄に伝えていたがやがて人の気持ちを優先するようになり兄と対立することになる。

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