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人形使いの付喪神  作者: 穂積
第三章
20/24

第二十話 裏切りの代償

フィアはダンジョンに入る為にオレイアスの冒険者ギルドへ来ていた

そこでローグギルドの先輩であるセリアとフラウと出会う

セリアの提案で4人でダンジョンを攻略する事になった

セリアが聖騎士になりタンク役を担うとリュールは回復

フィアとフラウは攻撃担当になった

道中ではオレイアスの独特なダンジョンの仕組みを説明してくれた

鉱石が取り放題な分受注料が高い事

発光するのが魔鉱石でしないのが鉱石などの知識を教えてもらい。

最後のエリアではフラウと一対一の戦い方を見せてもらった。

ダンジョンを出ると採掘した鉱石を使い装備を作成、強化した

装備を新たにフィア達はローグギルドでマスターであるヨルダを含めた5人で食事を楽しんだ。

5人での食事が終わりフィアとリュールは帰路ついていた


人気の無い夜道を歩きながらフィアはヨルダの言葉を考えていた

昨日戦った相手は本気じゃ無かった

しかしフィアには動きが全く見えていなかった

(本当にローグを学んだだけでやり合えるのでしょうか…)

学んでもなお縮まらぬ差にフィアは落ち込んでいた

『何か悩み事ですか?』

リュールはフィアのカバンを見つめながら言った

『精霊が心配そうにフィアさんの事を見ているので』

フィアはカバンから顔を出している人形を撫でた

『ありがとうございます、でも大丈夫です』

無理に明るく振る舞うフィアを見てリュールもまた考え事をしていた

(…問題なのはフィアさんと組織の関係性が見えてこない事、各国で立て続けに事件が起こっている以上組織だっての仕業には違いないでしょう、しかしヴィクターとフィアさんからは知り合いの様な雰囲気は感じられませんでした。)

フィアは人形と戯れ合っていた

(同じ異能者がいる時に事件を起こし関係性がある様に見せかけ捜査を撹乱しようとしている可能性もありますがそうなると宿でフィアさんが誰と会っていたのか…)

探る様に言われていたが、正直もう疑いたくは無かった

『リュールさん!』

フィアに呼びかけられ視線を向けると獣人族が倒れていた、昨夜宿を覗いていた男だった。

『お願いしますっ!私では…ダメみたいです』

リュールは真剣な眼差しまで男を見た

外傷はない…これは『…寝ているだけですね』

リュールが揺さぶると男は眠そうに目を開けた

『あ、アンタ達は…』

目を覚ました男は自身について語り始めた


『俺は元々は元々雑貨店で働いていたんだが役職を手に入れる為にローグを学んでいたんだ』

『結局、決闘には負けてリーダーにはなれなかったんだけど問題だったのは…』

『リーダーは俺が一番お世話になっている先輩だったんだ。』

『それが原因で仲間からは恩知らずと罵られ店長からは退社を言い渡されたんだ』


『それでローグの練習をしている時にあの男、ヴィクターと出会ったんだ、異能者はいないかと聞かれてつい案内してしまったんだ…すまん!』

『気にしてないので大丈夫です、それよりも何故こんなところで寝ているのですか?』

男は身体を起こすと身体を掻きながら言った

『泊まれる宿も無いから野宿してたんだ、こんな事なら俺も最初から冒険者を目指していれば良かったよ』

リュールが半ば呆れた様に言った

『冒険も楽なことばかりでは無いと思いますよ、ギルドの受け付けの私が言うのはなんですが…』

『それでも、上の気分次第で急に放り出されたりはしないだろ?』

『それなら一緒にダンジョンに入りませんか?、私もローグは始めたばかりなので!』

フィアの提案にしばらく考えた後に言った

『それならローグの練習に良い場所があるんだ、明日行ってみないか?』

フィアはリュールを見た

『まだ規制は解除されなそうなので私は構いませんよ』

『そうと決まれば、明日中央広場で待ち合わせな』

『俺の名前はエヴァン、アンタは?』

『私はフィアです』『リュールと申します』

その後エヴァンと別れ宿に着くとシャワーで汚れや汗を洗い流した後ベットに入った。


翌朝フィアは待ち合わせ場所に向かった

『来たな…リュールはどうしたんだ?』

『出掛けて行きましたが…なにか用があったのですか?』

『いや、その逆でついて来てもやる事ないからさ』

エヴァンはフィアを案内した

『こっちだ…』

徐々に人の往来が少なくなり建物は古めかしくなり錆びついた看板が増えていった

『こっちで本当に合っているんですか?』

鞄の中で人形が激しく動いておりフィアも不安を口にしたがエヴァンは薄暗い路地裏へ入って行った。

『ここを通り抜ければすぐだ』

狭い道を通り抜けると獣人族がたむろっていた

『あの…此処にローグギルドの練習場所が本当にあるんですか?』

フィアが振り向くと狭い道に木の板が立て掛けられ雑に封鎖されていた


一方でリュールはローグギルドに来ていた

フィアはエヴァンと特訓しているという話をして店番をしていたセリアと話した

『おかしいですね…彼は脱退させられた筈です』

『フィアさんから聞きましたが謎解きの答えを教えたからですか?』

情報漏洩じょうほうろうえいでは無くローグの練習と称して人から物を盗む行為をしていた為です』

セリアは伝票に伝言を記入すると机に置いた

『ヨルダさんは恩上で追放だけに留めていたと言うのに…許せません!』

リュールとセリアは店を飛び出した

『訓練場…そんな場所聞いた事も無いですが人を攫うのが目的なら心当たりがあります』

『お願いします!』

セリアは店の看板をCLOSEDに裏返すと匂いを頼りに追った


フィアの足元には倒された獣人族が倒れていた

(…急に襲い掛かって来ましたがこの人達は一体…っ!?)

足音が聞こえて来た為フィアはシャドーウォークを使い建物の影に身を潜めた

『それで誘い出した異能者はどうしたんだ?』

そこにはエヴァンと見知らぬ獣人族の男がいた

『コイツらしくじった見たいです』

男は顎に手を当てて考え込んでいた

(こいつらって…エヴァンさんが指示を出していたのですか)

『それで…その異能持ちは?』

『恐らく逃げ出しましたね、此処に連れてくる前もビビってましたから!』

エヴァンは笑いながら言った

『…コイツらを片付けて警察が来たらお前が説明しておけ』

エヴァンは頭を下げ服従を示した

『もう1人の方は確実に送り届けるぞ、上手くいけばお前を迎えにきてやるよ』

(誰か捕まっているのですか、それなら警察に…)

『奴らが来る前に急いで出るぞ』

男は腕を振るい仲間に仕事に戻る様合図をした

(門は封鎖されている筈ですが…別の場所があるのでしょうか?)

建物の影から獣人族の女性が出て来た

『食糧は積み終わりました!船も無事に到着しています』

(…警察に伝えに行く時間はあるでしょうか?さっきの5人は大した事ありませんでしたが…)

『そうか、それなら残りは売った金で整えれば良いか…』

『サツの方は最近ピリついていますから…いま捜査されたらどこまでやられるか…』

女性が心配そうに言った

『これさえあれば奴等は匂いを辿ってはこれまい、予定よりも大分早いが出発を急ぐか』

奥の方から慌ただしく動く音が聞こえフィアは焦りは感じていた

男が去ると同時にエヴァンは男の指示を無視し鉄の階段を登り部屋に入っていった。

(…あの階段を登るなら音を出さない様に注意が必要ですね、逃げられる前に急がないと!)

影から建物の上を見上げた

(ここからじゃ見えない、危険ですが上から…)

人形が鞄から顔を出し胸を叩いた

(見て来てくれるのですね)

外階段を慎重に登り屋上には人形を向かわせた

フィアは半開きのドアから中に入った

中にはシミだらけの洗面台に汚れた食器やゴミが散乱していた

『うっ…酷い臭い』

フィアは手で鼻を覆った、その時人形が屋上から降りてくるとフィアに頷いて見せた

『ありがとうございます』

フィアは屋上から辺りを見渡したが音は聞こえるものの屋上には見張りなどはいなかった。

『行きましょう』

フィアは床を蹴り上げ跳躍した

屋上から屋上に飛び移りながら下の様子を除いた

眼下では建物の入り老人と男が話し合っていた

『出発が早まった、眠り姫の様子は?』

『丁度いま投与したばかりだよ、これなら馬車の中でも起きないだろうさ』

『そうか、何人かそちらに回すから急いで運び出してくれ』

(このままじゃまずい…どうにかして注意を引かないと)

フィアは下からは見えない様に誰もいない場所に向かって魔法を放った

よくわからないオブジェに命中し音を立てて崩れた

『角の像がついに倒れたか…』

『懐かしいねぇ、あの像が出来た頃は此処が貧民街になるなんて誰も思わなかったんだろうね、錆びついてなんの像かもわからなくなっちゃったね…』

『思い出に浸っている暇はないぞ、此処を出て新天地を目指すんだろ?』

男は老人を鼓舞し音には一切動じていなかった

『それじゃあ呼んでくるから様子を見ておいてくれよ』

(今のうちに…)

フィアは屋上から飛び移ると屋上から侵入した

慎重に階段を下りひしゃげて閉まらなくなったドアから中を覗いた

奥には拘束されている人間が寝息を立てていた。

(こんな子供を攫おうとしていたのですか!)

そこには黒い羽の鳥人族の少女が拘束されていた。

短剣で素早く拘束を解くと抱き抱え屋上へ移動したが

階下から人が慌ただしく入ってくる音が聞こえてきた

(バレる前に移動を…)

素早く屋上を飛び移りその場から離れたが背後から声が聞こえて来たため屋上から飛び降り周りを見渡した

(早く離れないといけないのに!)

路地裏は狭く人を抱えたままでは通る事が出来なかった

道沿いに行けば鉢合わせる可能性が高かった。

そうなると屋上しかないが今登れば見つかってしまう…安全な道を考えている時間など無かった。

(行くしかないっ!)

フィアは屋上へ登り素早く飛び移りながら大通りまで向かった

背後からは怒声が聞こえて来たが全て無視し廃れた道に出た

しかしそこには数十人の男が待ち構えていた

フィアは鞄から飛び出した人形をサイズアップした

『この子を頼み…あっ』言い終えない内に人形は1人の男に殴りかかり、即座に両手から魔法を放ち左右の賊を吹き飛ばした

『こいつ人形使いなのかよ…ここぐあっ!』

後退りする男に人形は魔法を放ち仕留めた

フィアも人形に魔力を送りながら片手で魔法を放ち援護をした

追手を引き撃ちしながら下がっていると背後から聞き馴染みのある声がした。

『メインは子供だ、女は足を切り落としてもいい』

そこにはエヴァンが数十人の仲間を連れて立っていた

エヴァンの言葉にフィアはショックを受けたが、今は子供の事だけを考えた

シャドーウォークを使い背後から近づいて来たエヴァンを思いっきり蹴り上げた『…ごめんなさい』

エヴァンは地に伏して人形も追手を倒し終えていた

背後にいた賊達は言葉を失っていた

戦意を失った人達の横をフィア達は悠々と通り市役所へ向かった


道中フィアを心配して追って来ていたセリアとリュールと鉢合わせになった

『フィアさん…その子は?』

フィアはさき程の出来事を簡単に説明し市役所に向かっている事を伝えた

『私に任せて下さい、両親が探しているかもしれませんから…』

リュールが回復魔法で子供を治療し始めた

『ここなら(中心地)なら奴らも追っては来られませんから安心して下さい』

『フィアさんが無事で良かったです…ですがまさかそんな事になっているとは思いませんでした』

セリア、リュールはフィアを探していた理由を話した

一度裏切られていたとは言えギルドをクビになった事には少しだけ同情した

『…どうしてそんな事を』

『上を目指そうとして失敗する…良くある話です』

セリアは冷たく言い放った

その時鳥人族の少女は目を覚ましたら

『うーん…』

目を擦り何度か瞬きをするとフィアを見ながら言った

『人形の…お姉ちゃん?』

フィアは自身の腕を見た後、手を振った

『良かった、目を覚ましたんですね』

夷隅いすみちゃんから聞いてるよ』

フィアは背筋が凍った

その苗字はフィアの知っている組織の人間のものだった

夷隅真那いすみまな異能を持つフィアを勧誘し拒否すると自身の正体を隠すために襲いかかってきた事がああった、下の名前は知られているが苗字はフィアだけが知っているものだった。

エルフの街、アールヴヘイムではニーズヘックの眷属をそそのし森に混乱を招いたりもした。

『知り合いなのですか?』

セリアの問いに直ぐには答えられなかった

『えっと…はい』

『とりあえず後は警察に任せましょうか』

その言葉を聞いた少女は思い出した様に震えながら言った

『怖いお兄ちゃん達は?』

『大丈夫ですよ、フィアさんが倒してくれましたから』

リュールはフィアを見ながら言った

『お姉ちゃん!ありがとう!』

少女は嬉しそうに言った

『では行きましょうか』

セリアが手を繋ごうとすると少女は走り出した

『1人でもお家に帰れるから大丈夫だよ!』

少女は手を大きく振りながら別れを告げた

『私はアリア…助けてくれてありがとう!』

2人は手を振り返しアリアが見えなくなるまで見送った

『お母さんにいち早く会いたかったんでしょうね』

セリアの言葉にリュールは頷いていた

(あの子も仲間ならこの事を伝えた方が…でも真那ちゃん見たないに何か理由があるのかも知れませんし…)

『私達はこの事を警察に急いで伝えましょう』

『フィアさんも来てくれますか?現場への案内をお願いしたいのです』

『わ、わかりました!』


駐在所に入り会った事を話すと

署員に連れられ別の部屋でこと細かに説明した。

エヴァンを含め彼らは捕まったが…その夜、宿に署員が訪問してきた

アリアと言う名前は間違えはないかと…そんな名前の人が滞在した記録は無かったとの事だったが

リュールもセリアも同じ答えだった為、署員は腑に落ちない顔をしていたが戻って行った。

……

………

『起きて下さい…』

『…』

『ーッ!!』

眠っていたヴィクターの顔面にパンチがめり込み

目を覚ました

『しょうがねえだろ…そう言う魔法なんだから』

ヴィクターの目線の先にはアリアがいた

『渡した耳栓…無くしたんですか?』

『歌魔法で眠らせるので耳栓をしておいて下さいって真那ちゃんから聞かなかったんですか?』

ヴィクターは耳を触ると耳栓が出て来た

『素で寝ていたんですか…呆れますね』

『そう言うなってジジイに夜更かしはキツイんだよ』

2人が話しているとコツコツと廊下を歩く音が聞こえて来た

『こちらの用事は終わりました、お二人は済ませましたか?

影が月明かりに照らされた姿は新しい黒いドレスを纏った真那だった。

2人が頷くと真那まなは背後の人形に指示を出し拘置所の頑強な壁を巨大な鎌で切り裂いた

『早く行きましょうか、ここは臭いが酷いですから』


その夜ヴィクターは脱獄し1人の男が留置所で殺害されているのが発見された

拘置所では全員が眠っており、誰も気付く事は出来なかった、朝型臭いを頼りに追ったが途中で追跡不能になった

貧民街で押収した臭いを消す香料を利用されていたからだった。

この事は他国にも知らされヴィクターは大々的に指名手配された。

『エヴァン』LV5 獣人族 職業:求職中

            ジョブ:脱退した為現在は無

オレイアス育ちの獣人族の男

ごく普通の家庭で生まれ母は専業主婦父親は町内での郵便配達を生業としていた、そんな父の背中を見て育ったエヴァンは冒険者として成功する夢よりも堅実に生きる事を目指す様になった。

学校では冒険科を学ぶことなく商業科を専攻し

雑貨店で働き始めてからは貧民街の人々に廃棄となった食べ物を届けに行く優しさもあった。

それは『上の人が下を支えれば良い』という彼なりの持論に基づいた行動だった。

しばらく年月がたち、経験が傾いていると同僚から愚痴をこぼされたエヴァンは店としての特徴を出す為に手作りの人形の販売や内装をおしゃれにする事を進めるがリーダーによって却下されてしまう。

流行に遅れる事を危惧したエヴァンは貧民街の人間に頼み込みローグギルドへの入り方を探ってもらいエヴァンはローグになる事が出来た。

しかしヨルダからは悪い事には使わない様にと念を押されてもいた。


その後リーダーの座をかけて決闘を行うが敗北してしまう

両親はそれならまた仕事を探せばいいと言ってくれたが

エヴァンはローグのジョブすらも失ってしまう。

そんな時にヴィクターから大金をチラつかされフィアを売ってしまう。

その後、ヴィクターに報酬を要求するが腹部を殴られ気絶してしまう、駆けつけたフィアによって命を助けられるが本人はその事を知らなかった。


エヴァンは求職中に貧民街の男に声をかけられ大金が稼げる仕事を紹介された

食糧の恩があるからと指示を出すだけのポジションにあてがわれたが実際は捜査の目を撹乱する事にあった。

部下には食糧を報酬に手伝えと言われたと言う様に指示が出されておりエヴァンに罪をなすり付けるのが目的だった。


明けましておめでとうございます!

今年もよろしくお願いします!

年内を目指しておりましたが投稿出来ませんでした。

申し訳ないです!m(__)m

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