表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人形使いの付喪神  作者: 穂積
第二章
12/23

第十二話 新たなる目標

少女の作り出した人形は何度も回復し続けクロエ達の体力は徐々に削られていった

永遠に続くかと思われたが洞窟の崩壊によって戦いは中断された

フィアは少女を庇い崩落に巻き込まれてしまう

少女の回復魔法によって目を覚ましたフィアは

壁画を見つける事になる

そこには祀られた人形と真下には燃え盛る炎それに祈りを捧げる人々が彫られていた。

少女は自身の考察を話した

石碑の文字の【姿形を変え人々を導き人間の業を背負い罪を浄化する】

『もうわかったでしょ?付喪神は人間の罪を背負わされて生贄にされるんだよ』

言い返せなかったフィアは少女に名前と過去を聞いた

夷隅真那いすみまなと名乗った少女は

異能によって家族に虐待を受けていた過去と

人を助け続ければ世間に感化され、家族の見る目が変わると信じていたが周りの助けは得られ無かった事を話した。


少女が何者なのか聞こうとした瞬間フィアの足元に魔法陣が浮き上がり気がつくとフィアは洞窟の外にいたのだった。

次の日の朝

三人はそれぞれの支度を整えているとクロエがフィアに言った

『付喪神の事はもういいの?』

フィアは調べた情報を頭の中で整理した

洞窟の下には壁画があり人形が沢山の人に祀られ人形の真下には炎が描かれていた

石碑の文字の【姿形を変え人々を導き人間の業を背負い罪を浄化する】

図書館では【人と共にいた記憶を持ち恩返しをしにくる】話がありましたね…真那まなちゃんは付喪神は生贄と言ってましたが…やはりそうなのでしょうか、そう考えると胸が張り裂けそうです…)

(この事は二人には秘密にしておきましょう…それよりも)

思案した後、フィアは胸に手を当てて言った

『結局,わかりませんでしたが、私が付喪神でもそうじゃなくても誰かを助けたいという考えは変わりません』

『私の為に協力してくれたのに、ごめんなさい!』

フィアは頭を下げて謝った

『あっ謝らないでよ、それよりもあたしだって…イースマキナで聖典の事を黙っていて…ごめん』

深く謝罪をするクロエだったがニーナがわって入った

『この魔物とかいいんじゃないか!?』

2人で話している間にニーナは本で魔物を調べていた

前日の夕飯で、改めてどうするかを三人で話した結果、中級冒険者を目指すことになり昇級試験に備え防具や武器を作るための素材となる魔物をニーナが吟味していたのだった。

『このタイミング言うこと?』

クロエがいぶかしげな表情で言った

『なんだか不気味ですね』

フィアが本を見ると描かれていたのはと【わいら】書かれた魔物だった

牛の頭と体を持ち両手が鎌になった不気味な姿をしており

地中に住み人を襲う魔物と書いてあった。

『毛皮は防具に鎌は武器に…良いと思わないか?』

『良いわね、修行にもなりそうだし!』

わいらの依頼を探すためギルドへ向かった


ギルド【アステリア】

『そういうことなら集団での昇級試験もありますよ

まだ出来て間もないのですが…あっ』

言いかけて受付の人は言葉を止めた

『フィアさんがまだ受けれないみたいですね、昇級試験を受けるには初級の人形使いの技を全て習得している必要があります』

三人はテーブルに座ってどうするか話してると

受け付けの人が小走りで近づいてきた

『お話中のところ失礼します』

『フィアさんの冒険者カードが発行出来ましたのでお渡し致します。』

『あっありがとうございます!』

フィアは緊張しながら受け取るとまじまじと見つめた

(これが私の…これでやっと)

嬉しそうに見つめるフィアを見て受付嬢は頭を下げると戻って行った

『それじゃあさっきの続きだけどフィアが人形使いギルドにいる間に私たちが素材を集めてくる…それでいい?』

『はいっ!直ぐに追い付きますから!』

『二人で中型の魔物か…うん!あたしもそれでいいよ』

意気揚々と席を立つフィアをクロエは呼び止めた

『こっち人形使いにのギルドに入る場合も初めて入った時と同じ様に声をかけて学んだ事を素直に言ったら良いよ』

(最初にギルドに入った時もクロエは大きな声で挨拶してましたね)

『終わったら宿に集まりましょう』

『わっわかりました!』


フィアがギルドを出ると二人は依頼を受け馬車に乗った

道中ニーナはクロエに疑問を聞いた

『なんでクロエは後ろの方の依頼を受けたんだ?』

クロエは盾を磨きながら言った

『それだけ長く放置されてるって事だからね』

『でも九頭龍大陸には結界が張られているんじゃないのか?鳥人族わたしも自由に戦えるからシラヌイに修行に来たんだけど』

『元々いた魔物は結界の外には出れないけどダンジョンみたいな地中からくる魔物はどうにも出来ないんだよ、警察が対応してくれてるけど巡回の人員や回数を増やしても被害は少なくないんだ。』

クロエは盾をしまうと言ったニーナの目を見て言った

『だから魔物の対処くらい手伝ってあげたいんだ』

『そんな問題が有ったのか、イースマキナにも結界があれば自由に戦えるのに…』

『あっちは時魔法の影響で時間の流れがぐちゃぐちゃだからいざ管理しようと考えたら難しいんでしょうね』

『時間に適応し独自の進化を遂げた魔物…一度は戦ってみたいんだけどなぁ』

『諦めなさい、一々マキナ族が時魔法で時間の遅い空間に加速の魔法を使って帳尻を合わせたりしてたら大変でしょ?』

『そうだよな…ん?見えてきたぞ!』

俯いていたニーナだったが奥に洞窟が見えてくると元気になり、俯いていた尾が一気に上を向いた。


魔物の生息地に着くと二人は馬車から降りた

『それじゃあ気を付けてな!帰る時はこの狼煙を上げてくれ』御者ぎょしゃはそう言うと草の束を渡した

御者に礼を言ってから洞窟に入るとクロエは炎で照らした。

【⭐︎4 猥羅わいらの討伐】

『…穴のサイズ的に相当な大きさね』

『奥に何体か小型の獣がいる…既にこっちの侵入に気付いてる』

ニーナの忠告を受け慎重に進むと獣の唸り声が聞こえてきた『来る!』

ニーナの合図で手元の炎を足元に放ち魔物を焼いた

『わいらが掘った穴を巣穴代わりに使っていたのね』

『目的は【わいら】一体なのに…この穴、結構深い上に魔物も相当数いるみたいだ』

クロエは顎に手を当てて考えた後に言った

(エーテルを持ってきたから魔力切れの心配はないけど、これは長期戦の練習に使えそうね。)

『わいらが穴を掘る音もしないし今のうちに周りの魔物を倒しておくのも手だよ』

入り組んだ穴の中で囲まれるリスクを考えたニーナはクロエの考えに賛同した。

少し進むとニーナが手で制した

『ここは私が…』

ニーナが小声で伝えるとクロエは穴の横に移動して淵を剣で叩き音を反響させ魔物を刺激した。

興奮した魔物の群れが向かってくる中、ニーナは槍で突き刺していった

クロエが照らすとそこには固い甲羅を持った魔物が頭部や首をひとつきにされていた。

『流石だね、この調子で少しずつ倒しながら進もうか』

『ふふんっ魔物は私に任せてクロエは温存していてくれ』

『それだとあたしの修行にならないから…程々にね』

……

………

場所変わり 

フィアはシラヌイの人形使いギルドについていた

(『すいませーん!人形使いになりたいのですが!!』

クロエが入った時と同じ様に私も…っ!)

初めて一人で入る場所に緊張と不安で一杯だった。

『すいません…』

(無理でした…)

蚊の鳴くような声しか出せなかったが受け付けにいた二人のうち片方の女性が気付いて近づいてきてくれた

女性に冒険者のカードを見せつつフィアは自己紹介をした

『あ…あの初めましてフィアと言います、人形使いのギルドに入りたいのですが…』

女性はカードとフィアを何度が見比べた後、素早く言った

LV18 HP182 STR50 DEF35 INT50 MEN35

   AGL55 LUK25

受け付けにいたもう1人の女性が素早く紙に何かを記入していった

『付喪神様の冒険者なんて初めて見ましたよ』

『あの…いまのは?』

『フィアさんのステータスだよ、上から順に

LV:レベル HP:体力 STR:力 DEF:防御 INT:知識 MEN:精神

AGL:器用さ LUK:運

『???』

『ギルドの受け付けや私達みたいなジョブギルドが技の習得や依頼の目安にするくらいだから気にしなくていいよ』

(リモンさんはこれを見ずに教えてくれていたんですね)

『さて…とりあえずイースマキナで会得した技を見せてね』

『あ、はいっ!』

フィアは案内に従い奥の部屋に移動した

……

………

【わいら】の掘った穴を順調に進んでいたが未だに見つけられていなかった。

ランプに灯りをつけ2人は木の根に腰掛けながら休憩していた

『…多分だけど怯えて隠れている可能性があるわね』

『人を襲うって本には書いてあった筈なのに』

ニーナは槍を研ぎながら言った

『強い者を畏れ弱い者を襲う、賢い魔物なのかもね』

『それで長い間放置されてこのサイズまで成長したのか』

『…』

2人の間に沈黙流れやがてクロエは仰向けになり頭上の穴を眺めた

『どうすれば…』

『ん?』

クロエの急な言葉にニーナは疑問浮かべた

『どうすれば…フィアの危険な戦い方をやめさせられるかな』

『あの時の事を言っているのか?確かに人形を使わずに直接殴って向きを変えさせたのは危険だったけど、おかげで私達は無事だったんだから…』

クロエはニーナは真剣な目で見つめながら言った

『私も心では感謝してるけど…』

『そこだっ!』

ニーナはクロエの頭上の穴に槍を突き刺した

クロエは飛び退き頭上から落ちてきた巨躯を見つめた

私達あたしたちが巣穴に入った段階でずっと上から見てたなんてね』

『これが【わいら】か…聞いていたサイズよりずっと大きいな』

その大きさは天井まで届くほどの大きさだった

『埋火!これで逃げられないわよ』

クロエの魔法にもわいらは動じる事なくクロエ達を見つめていた

『逃げ場を防がれても動じずか…』

ニーナは槍を強く握りしめた

クロエは両手の鎌から放たれる素早い攻撃を盾でいなしたが狭い穴の中では振り回される巨体の動きにニーナも攻撃できずにいた。

(この巨大と動き…槍で仕留めきれなかった場合、吹き飛ばされて深傷を負うのは私の方だ)

『大丈夫!ちゃんとフォローするから!』

(私がしっかりしないと…ニーナも攻撃出来ないじゃない)

槍を構えタイミングを伺うニーナにクロエが言った

その言葉は震えていたがそれを聞き深呼吸をした

『ふぅ…』

(こいつの骨格が牛と同じなら心臓は身体の中心…横からじゃ肋骨あばらぼねに防がれるから、斜め後ろから真ん中目掛けて貫く…私も…やるんだ!)

槍を構え全身全霊の一撃を放った

『バッハシュテルツェ!!』

中心に向かって真っ直ぐ突き刺さった

『いまだ』クロエは鎌をギリギリで避けると【わいら】の顔面を思いっきり盾で殴りつけた。

鼻を殴られ一瞬怯んだ隙にクロエは後ろに下がったが

わいらは鎌を左右に広げた

(この距離…避けられない)

抱きしめるように鎌が背中に迫る寸前でわいらは倒れた

『はぁはぁ…良かったぁ』

ニーナの槍が心臓を見事に貫いたのだった。

倒れ霧散したわいらのいた場所には大量のアイテムが残っていた

『青玉だ!当たりだ』

喜ぶニーナとクロエは物思いにふけっていた

(これじゃあフィアの事言えないな…危ない旅や危険な戦闘は極力避けて来たのに…)

『さぁ…拾い終わったから帰ろう!』

ニーナの言葉に頷くと穴を抜け狼煙を上げ馬車に乗り込んだ

宿に戻る頃には夕方になっていた

『ごめん待ったかな?』

クロエは宿にいたフィアに謝ったが

『そんな事ないですよ!それより私も昇給試験まで行きましたよ!』

『それじゃあ、早速コイツを使って良い装備を作ってもらおうかな』

ニーナは青い球を取り出して言った

『お二人も無事に倒せたんですね』

『結構ギリギリだったけどね』

3人は鍛治屋に向かいクロエの武器と盾

その後、呉服屋に向かいフィアとニーナの防具を作って貰った

夕飯を鮟鱇鍋あんこうなべに決めた

店員がトレイに小さな鍋を3つ乗せて来てフィア達の前に並べ鍋に火をつけた。

『そういえば【サラマンダー・アノス】あの魔物を一回で倒せたの?』

『はいっ!先生も驚いてましたが、あの人形の動きと比べたら簡単でした』

『確かに、あの人形と比べたらね』

クロエは頬を掻きながら言った

『懐かしいな、解毒剤を使わずに倒すの凄い苦労したなー』

『そりゃ苦労するでしょうね』

『私は回復魔法もあったのでそこまで難しくは無かったのですが…確かに回復出来ないと大変そうですね』

『フィアが戦いに慣れて来てるのもあるかもね、普通なら魔物の耐久力や毒に苦戦して回復の為の魔力が足りなくなったり初心者の登竜門的な魔物なんだよ』

話しているとぐつぐつと煮だって来たタイミングで食べ始めた

『…なんだか不思議な食感ですね』

『それはヒレだね』

『このスープ、濃厚だ』

濃厚な味噌の味に淡白な白身、新鮮な野菜に三人は舌鼓を打ちながら食事を楽しみ明日の昇級試験に備えた。

最近、仕事が忙しくて後書きまで手が回らず申し訳ないですm(_ _)m

後日、施設の詳細などを書こう考えております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ