表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

95/115

ルード視点 クラウにナイフが刺さったのをみて自分がどれだけクラウを愛していたか悟りました

クラウが大司教と聖女に虐められている現場に遭遇して俺は切れた。

俺が聖女と婚約することはないとはっきりと断ったのに、大司教は諦めてくれなかった。

俺が断ったのに、聖女と皇子が結婚するのは恒例だとぬかしてくれた。

俺としてはたまたまそうなっていただけだと周りからは聞いていた。

ただ、俺がそう言っても教会連中はなかなか納得しなかった。

俺が諦めの悪い連中になんと答えようか考えているときに母が現れて、クラウを俺の婚約者にするとはっきりと教会の連中に言ってくれたのだ。


俺がまだクラウに何一つ言えていないのに、母は何を言ってくれるのだ。

俺は最悪の予感がした。


怒り狂った教会連中が消え去った後で、俺の不安は的中してそのまま祖父母のところに連れて行かれたのだ。

そして、祖父母の前で8年前からクラウが俺の婚約者になっていたとクラウに宣言してくれたのだ。


いや、だから、ちょっと待ってくれ!


そういうことは本来俺からクラウに伝えないといけないだろう!

母にそう文句を言ったら

「あなた、いつまでかかっているのよ! 遅すぎるわ」

と母から叱られてしまった。


「判っているの? あなたの名誉のために言わなかったのよ! コンスタンツェちゃんの婚約者になりたくないから、あなたが婚約者はクラウちゃんにしたいって叫んでいたことを!」

母に厳しいところを突かれた。


確かにそうだ。俺は当時よく、皇宮に遊びに来ていたコンスタンツェに剣で散々ボコボコにされていたのだ。

こんな化け物に剣で勝てるわけないだろう!

何しろこいつは自分より弱いやつとは絶対に婚約しないとのたまっていたのだ。

弱ければ強くなるまで鍛え上げると……

そんなの無理だろう!


こんなやつを婚約者にしたら俺の身がいくつあっても足りない。

それに比べれば出来ない子ちゃんのクラウの方が1000倍ましだ。

だから俺はクラウが良いと言ったのだ。


確かに当時はそう言った。

でも8歳の子なんだからそれで良いだろう。

母はそんなことで決めるなんて鬼畜だとか言っているけれど、じゃあ、いくらピザン公爵にせっつかれても、そんな小さい時に婚約者の話を持ってくるなよ。

恋なんて当時はまったく理解できなかったんだから。


凶暴な剣術馬鹿か出来ない子ちゃんかどちらかを選べって言われたら、誰でも生き残れる出来ない子ちゃんを選ぶに決まっている。

自分らは学園で相思相愛で婚約者になったとか自慢しているけれど、俺もその時に選ばせろよ!

俺はそう言いたかった。


俺もクラウに不誠実な事はしたくなかったから、ちゃんと二人の仲を温めてその上で告白したかったのだ。

なのに時間がかかりすぎだとか、再会してからまだ2ヶ月も経っていないんだぞ。

そんな無茶は言うなと俺は言いたかった。


学園に入って判ったのは学園にいる対象者はろくな奴はいなかった。

剣術馬鹿は論外で、ラーラもいまいち、礼儀作法も何もなっていないすぐにベタベタくっつくしか能がない聖女は論外。


どう見てもクラウ一択だった。


クラウは見た目も良いし、出来ない子ちゃんと昔は馬鹿にしたけれど、まともだ。

勉強も別にできないことはない。

礼儀作法もアデライドにみっちりさせれば問題ないだろう。

俺はここ二ヵ月間でいろいろ距離を詰めてきたと思っていた。

それで対応が遅いなんて言われても仕方がないとしか言いようがなかった。


クラウは昔からおませで、喧嘩して怒った時に

「仲直りのキスしないと嫌だ」

と言うからよくほおにキスさせられていたのだ。

その延長線上で、キスしたら、なんか赤くなってとても可愛かった。


自分の中ではクラウに好意もあると思っていたのだ。

クラウにも好かれていると。



その日は聖女に8年前からクラウが婚約者だとダメ出しして、俺を諦めさせたはずだった。


俺は教会の連中がクラウの継母と義妹を鉱山から連れ出して、学園に連れてくるなんて思ってもいなかったのだ。


クラウを迎えに教室に行くと

「あれ、ルード様。クラウは親戚の人が来たとかでランベール先生が連れて行きましたよ」

ポピーの声に俺は慌てた。

「今日は来るなんて聞いていないぞ」

俺は慌てて学園の応接の方に向かったのだ。


その途中でだ。


パリン


俺の与えたお守りが砕け散る音がした。


「えっ」

そんな馬鹿な。俺の与えたお守りが砕け散るなんてどうしたんだ!


俺は慌てて駆けだした。


そして、応接の扉を蹴破ったのだ。


そこにはいるはずのない継母にナイフを突き刺されたクラウがゆっくりと倒れるのが見えたのだ。


「クラウ!」

俺は慌ててクラウを抱き留めたのだ。


そのクラウの胸の真ん中に剣がはっきりと突き刺さっていた。

腕の中のクラウは力もなく腕をたれていて、俺はクラウが死んだと思った。


クラウが死ぬ!

そう理解した瞬間、俺はすさまじいショックを受けた。

俺には信じられなかった。

そして、俺がどれだけクラウを愛していたか、思い知らされたのだ。

クラウがいない世界なんかで俺はいきられないと、こんな時になって初めて判ったのだ!



ここまで読んでいただいてありがとうございます

続きは明日です。

クラウの運命やいかに?

続きが気になる方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾


皆様の応援のおかげで私の小説の第三巻がコミックシーモア様から先行発売されました。

果たして、お義兄様の想いはエリーゼに通用するのか?

山場です。

『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。【シーモア限定特典付き】』

二万字超の新規書下ろし、エリーゼとお義兄様の学園の幽霊竜退治のお話付きです。

シーモア限定SSはエリーゼの護衛騎士セドリックのお話です。

おだやか先生の素晴らしい表紙絵と共に楽しんでいただけたら嬉しいです

https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


10センチ下にはその表紙絵と各リンク張ってます

よろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

次のお話はこちら

『婚約破棄されたので下剋上することにしました』https://ncode.syosetu.com/n0747ju/

私の今一番熱い人気の作品はこちら

『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】

https://www.cmoa.jp/title/1101429725/

■【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://ncode.syosetu.com/n6878ix/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ