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継母に私は呪いの魔剣で突き刺されました

ルードに完全に拒絶された聖女はあまりのショックのためか静かに退場していった……

しずしずと……


いや、違う、そんなわけはなかった。


去る瞬間、私を燃えるような赤い目で睨み付けて行ったのだ。

一瞬だったが、怒り狂った瞳で睨んでくれたのだ。

その瞳は後で覚えていろよと明確に叫んでいたんだけど……


どうしよう?!

変な人に目をつけられてしまった……



「ポピー嬢、ヘレナ嬢、いろいろ迷惑をかけたね」

ルードが二人に話しかけていた。

「いえ、とんでもございません」

「親友を守っただけですから」

二人とも皇子に声をかけられて心なしか顔を赤くしていた。

ヘレナなんかめちゃくちゃ格好つけてくれていた。


「クラウは抜けているところもあるから、これからもいろいろ迷惑をかけると思うけれどよろしく頼むよ」

「お任せください」

「抜けているのは良く存じ上げてますから」

ちょっと、誰が抜けているのよ!

私がむっとして3人を睨み付けたが、3人は全く動じていなかった。


「昔からクラウはこんな感じなんですか?」

「そうなんだ。だからしっかりした君たちがついてくれて良かったよ」

「お任せください」

3人で勝手に話しているんだけど……


「じゃあ、ここからもよろしく頼むよ。じゃあ、クラウまた放課後迎えに来る」

ルードは二人に挨拶して、私には手をあげただけで去って行った。


うーん、なんか私に対する扱いが雑じゃない!

と思わないでもなかった。


それと食堂の皆からは多くの驚きとやっかみとほんの一部の憧れの視線を向けられているような気がした。

というか、女たちからは妬みしか感じなかった。



「クラウ、凄いじゃないか」

「本当だよな」

「あなた、ルード様の婚約者だったんだって」

「クラウ様、あなたライゼマン公爵家の人間だったのですね」

クラスに帰ったら今度はベルナールやエグモントだけでなくて、私に反抗的だったイルマやユーリアからも祝福を受けたのだ。

Eクラスはクラスメートが皇子の婚約者だと知って大いに盛り上がっていたし、皆、私を祝福してくれていた。

でも、私、まだ、心の準備ができていないんですけど……

私はとても戸惑っていた。


私は少し慢心していたのかもしれない。


次の授業はランベール先生の地学の授業だった。

なんかランベール先生は来たときから機嫌が悪かった。

「クラウディアさん。あなた、巷では私たちが住んでいるこの地球が太陽の周りを回っているという説がありますが、どう思われますか?」

いきなり当てられたのだ。

私はいろんな事がここ数日で起こって頭の中が対処できなかった。

そして、勉強は前世の受験脳で答えていたので、前世の知識で普通に答えてしまったのだ。


「えっ、地球が太陽の周りを回るなんて当たり前のことじゃないですか」

「はい?」

「「「ええええ!」」」

皆の驚きの声で私は悟ったのだ。

そうだった。昔は地球の周りを全ての天体が回っているという天動説が当たり前だった。

確か、ガリレオ・ガリレイは地球が太陽の周りを回っていると言って魔女裁判にかけられたんじゃなかったっけ?

私は青くなった。


「何を言っているのですか。畏れ多くも我が聖なる大地のこの地球が他の星の周りを回るなんて事が許されるわけはないでしょう。あなた、教会の教えに反するんですか?」

「いえ、あの、その」

私はもう、蒼白だった。

「すみません。間違えました」

「間違える、なんて普通はありません…………」

それから私は延々怒られたのだ。

なんかめちゃくちゃ理不尽だ。

何で間違った知識で怒られないといけないんだろう?


「それでも地球は回っている」

そんな私でも、有名なその言葉を呟いて皆のひんしゅくを買うなんて出来なかったんだけど。


「あなた本当に馬鹿よね。ラノベの世界で地球が太陽の周りを回っているなんて言うなんて。下手したらそれ見たことかと宗教裁判にかけられるところよ。注意しなさいよ」

その後散々ヘレナに馬鹿にされたのだ。


そして、6時間目の授業が終わった時だ。

また、来なくていいのに、ランベール先生がやってきたのだ。

ええええ! 私宗教裁判にかけられるの?

私はすかさず、コンスの後ろに隠れたのだ。


「何をしているのです。クラウディアさん。あなたに面会です」

「えっ、私にですか?」

誰だろう?

オイゲンさんだろうか?

エルザ様だろうか?

でも、その辺りの方々は何故か面会室と言うよりはいつも直接やってくるんですけど……

私には判らなかった。


でも、この前の授業で怒られていた私は誰かは聞けなかったのだ。


「先生、誰がクラウに面会なんですか?」

「さあ、私は事務から呼んで来てほしいと頼まれただけで、聞いていません。何故私がこのような異端の生徒を呼びに来なければいけないかよく判っていないのですが……」

ランベール先生はとても不機嫌そうだった。


「ちょっと行ってくるわ」

私は仕方なしについて行ったのだ。

もう少し注意すべきだった。


「こちらです」

扉を開けて中に入った私はそこに二人の女性がいるのを見た。

ここにいるはずのない二人を


「お継母様!」

そこには継母と義妹のカミラがいたのだ。

何で?

「クラウディア、よくも鞭打ちの刑の上に私達を鉱山送りなんてしてくれたわね」

継母は怒りに満ちていた。


「それ言うなら、虐待していた貴方たちが」

「クラウディア!」

私は蛇に睨まれた蛙のようにその声を聞いて固まってしまった。


「あなたのせいで悲惨な目に遭わされたわ」

「わ、私のせいじゃ……」

「今更何を言っても許さないわ。死ね」

いつの間にか継母にはなんかおどろおどろしい呪いのこもったような剣を持っていたのだ。


そして、それがズブリと私に突き刺さったのだ。


パリンッという大きな音とともにルードのお守りが砕け散る音がしたのだ。


ここまで読んでいただいていありがとうございました。

突き刺さったクラウのお守りがはじけました。

クラウの運命やかに

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