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義妹視点 神に成り代わって義姉に復讐することにしました

100叩きの刑の後、私は気付いたら、お尻を上にして石牢の中に転がされていた。

お尻が熱を持っていて、熱かった。もう感覚もなくなっていた。

それから3日間、私は高熱にうなされたのだ。

でも、泣いても、誰一人助けてくれなかった。

こんな美女が泣いているのに……城の獄卒は冷たかった。



その熱の下がった後に私とお母様は護送馬車に乗せられて、鉱山に送られた。

鉱山は城から遠く、山の中の本当に辺鄙な所にあった。

その牢獄にお母様と別々に繋がれたのだ。


何でこんな所で生活を送らなければならないのよ?

全部あの義姉のせいだ。

絶対にいつか復讐してやる。

私は心に誓ったのだ。



鉱山は朝早くに叩き起こされて、地下深くに送られる。

それがまた遠くて、歩いて行くのは大変だった。

急なはしごがいくつもあり、間違って落ちたら大けがは確実だった。

途中で休みたかったが、監督官がいて、休もうものなら、即座に鞭が飛んでくる。


現場に着くと屈辱的なことに足に鎖を付けられて柱に固定されるのだ。


そして、のみと金槌で壁を掘る。

「痛い!」

でも、そんなことしたことないから、失敗して手を打ち付けたりした。

最初はそれで泣き叫んで見たが、監督官は情け容赦なく鞭で打ちしてきた。

もう手も傷だらけだ。

のみを金槌で打ち付けるのも大変だった。

これは一番軽いやつだと監督官は言うんだけど。

少しでも休もうものなら鞭が飛んでくるし……


私は義姉が鞭打たれていたのを見て笑っていたのだが、これは本当に痛い。

でも、母の鞭なんて絶対にたいしたことは無かったはずだ。

ここでは男の監督官が情け容赦なくむち打ちしてくれるのだ。

普通男なら美女が泣いたら手加減しろよ!

そう思っても鞭打ちは無くならない。

あまりのことに気絶してしまうこともあったが、そのたびに水をぶっかけられて起こされるのだ。

もう、本当に死にそうだった。


そんな仕事が1週間も続いた時だろうか。

私は地上に配置換えになった。

なんか石を砕いた物をざるに入れてドジョウすくいみたいに水につけてゆするのだ。

軽い砂が無くなって金だけが残るそうだ。

私はそれを何回もするのだ。

水は冷たくて本当に大変だ。

でも、鉱山で壁を砕くのに比べればまだましだ。

私は我慢して頑張った。

手がすぐにふやけて大変だったけれど。


でも、こんな生活が一生涯続くのは嫌だ。


そう思っていた時だ。


教会の司祭が慰問に鉱山を訪れたのだ。

こんな囚われの身に落とされて鉱山で働かされているのに神も仏も無いと私は思っていた。

しかし、呼ばなくて良いのに、私はその司祭の所に呼ばれたのだ。

そこは告解をする狭い部屋だった。

神に懺悔するところだとか。


ふんっ、私は神に懺悔なんてするつもりは毛頭無かった。


「カミラよ。神に懺悔することはありますか?」

そこにいた司祭のロメウスと言う男が聞いてくれた。

「なんで私が神に懺悔する必要があるのよ。懺悔するんなら私をこんな目に遭っているのに助けてくれない神でしょ」

私は思わず言ってしまった。

まずい、また、むち打ちされるかもしれない!

と後悔したが、口に出した後だった。


まあ、この優男の司祭が私を鞭打つとは到底思えなかったが……


「ほう、なかなか達者な口を持っていますね」

にやりとロメウスが笑ってくれた。

思わず私はぎくりとした。背筋がその言葉に寒くなったのだ。

この男は見た目と違って何かやばいところがある。

私はそれに気付いてしまった。


「いえ、私は……」

私は思わず言い訳しようとした。


「ふふふふ、良いのですよ。カミラ、私もあなたの落とされた境遇はとても可哀相だと思っていたのです。たかだか前妻の子供を虐めただけで、鉱山送りするなど厳しすぎると」

同情を込めた目でロメウスは言ってくれた。


「本当ですか?」

私はその言葉に喜んだのだ。

この男は私を助けてくれるのだろうか?


「神はあなたに試練を与えたのかもしれません。試練は厳しかったでしょう」

「はい」

私は素直に頷いた。


「でも、あなたをこのような目に遭わせたクラウディアは、今、神の巫女である聖女様に逆らっているのです。神はその事をとても憂いていらっしゃいます。私はその上であなたに問いたいのですが、あなたはあなたをこのような目に遭わせたクラウディアを許せますか」

「いえ、許せません」

私はロメウスの言葉に思わず首を振ってしまった。

その言葉に大きくロメウスは頷いてくれた。


「そうでしょう。そして、神の御不興を買ったクラウディアを許せますか」

「いえ、許せません」

「では神に成り代わってそのクラウディアに天罰を加える役目をあなたに与えましょう」

そう言うとロメウスは私の足の枷を鎖の鍵を外してくれたのだ。

「えっ」

私は鎖を外してくれたロメウスを驚きの目で見ていた。

「何を驚いているのです。私は神から神のために行う力を与えられているのです」

ロメウスは私に笑いかけてくれた。

「さあ、神の子のカミラよ。神の代わりに生意気なクラウディアに天罰を与えに行くのです」

私はロメウスに手を引かれて告解室から出て馬車につれて行かれたのだ。


私は鉱山から解放されて自由になれたのが信じられなかった。

そして、神に成り代わって義姉に天罰を与え、私自身の復讐が出来ると思うととてもうれくなったのだ。


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