表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

83/115

大司教がルードと聖女の婚約は決まっていると話しているところに、皇太子妃が現れて私をもらってくれると言われました

食事の後も放課後までは私はコンスに守ってもらっていた。

一つ目巨人を倒したコンスの力は絶対でクラス内にはもう私を虐める者は一人もいなかった。

他クラスの面々もコンスのいる前で私を虐めようとする無謀者は聖女くらいだったのだ。


そして、放課後になった。

私はこれからルードの部屋まで移動しないといけない。

まあ問題ないと思うけれど、この途中でコンスがいないところで、今まではいろんな虐めを受けているのだ。

「どうする、クラウ、送っていこうか?」

コンスが言ってくれた。

「いや、でも、そこまでしてもらうのも悪いわ」

さすがにそこまでおんぶに抱っこは私はまずいと思ったのだ。

「いや、別に少し遠回りするだけだから問題は無いぞ」

コンスは何でも無いように言ってくれた。

「うーん、でも」

そこまでコンスに頼り切りになるのはまずいと断ろうとした時だ。


「クラウ!」

私は廊下から私に声をかけてきたルードに驚いた。


「ルード、どうしたの?」

私が驚いて聞くと

「迎えに来た」

と何でも無いようにルードが言ってくれた。


「迎えに来てもらって良かったな、クラウ」

「本当に、熱々ね」

コンスに次いでヘレナまで言ってくれるんだけど。


「いや、そんなんじゃないって」

私は少し赤くなった。


「何している。早く行くぞ」

ルードの声に興味津々なクラスメートの視線が痛くて私は慌てて廊下に出た。


「荷物を持とう」

「えっ?」

私は再度、驚いた。

「どうした。早く貸せ」

ルードは当然のように言ってくれるんだけど、

「いや、だって、今までそんなことしてくれたこと無かったのに」

私が言うと

「いや、まあ、やることにしたんだ」

「何なの、それ? 熱でもあるんじゃないの?」

私が慌てておでこに触ると

「あれ、別にないわね」

「あるか」

怒ったルードは私を置いて歩き出したのだ。

「ちょっと待ってよ」

少し怒ったルードが、私の歩幅も考えずにどんどん先に行ってくれるんだけど……

「ちょっとルード」

私がルードを呼んだ時だ。


「ああああ、ルード様! お会いしたかったです」

ルードの前に聖女が現れたのだ。


「何言っているんだ。クラスが同じなんだからさっきまで一緒だったろうが」

呆れてルードが言うが、


「でも、ルード様と二人きりではありませんでしたから」

そう言ってルードに体をすり寄せようとするのを鞄で避けようとしてくれた。


ええええ! でも、それ私の鞄!


「まあ、ルード様はこのように可愛い……何で鞄を二つも持っておられるのですか?」

目敏く二つの鞄を見つけるとやっと後ろの私に気づいたみたいだった。


「まあ、ルード様。私というものがありながら、何故その女と一緒にいますの」

きっとして私を睨み付けてくれるんだけど、


「何を言っている。デジレ嬢。君は単なるクラスメートに過ぎないだろうが」

「な、なんと言うことを言われるのです。私は聖女なのです。かつて出現した聖女は全て皇家と婚姻を結んでいるのです。私が将来的にルード様と婚姻するのは自明の理ではありませんか」

堂々と聖女は言ってくれた。

まあ、元々属国の男爵令嬢であった私がルードと釣り合うなんて思ってもいないし、何でも無いことだと思おうとしたが、何故か胸が少し痛かった。


「そんな前例など聞いたことはないぞ」

ルードが反対したが、

「私は教会でそう習いました。前回の聖女様も皇帝陛下と結婚したはずです」

聖女が言い張ってくれるんだけど。


「何を言って」

「その通りですよ。聖女様」

聖女の後ろから声がかかった。

そこには大司教が聖職者の一団を連れてやってきたのだ。


「大司教様」

聖女がその姿をみて微笑んだ。


「どうなさったのですか? 聖女様」

恭しく大司教が聖女に話しかけた。


「ルード様が聖女は必ず皇家の方と婚姻を結んでいるとお話ししたら、ルード様が否定されたのです」

悲しそうに聖女が話してくれた。


「なんと言うことでしょう。私の知る限り聖女様は皇家の方と婚姻を結んでいらっしゃいます。それも皇家から求められてのことだと記録にはございますが」

「ふんっ、それは教会側の都合の良い記録であろう。皇家の記録では致し方なくと書かれておるぞ」

「しかし、皇家としても聖女様のお力を取り込みたいのではありませんか?」

「ふんっ、そのようなことは無いと思うが。俺が読んだ書物では教会側が皇家の力を借りたいがためにいつも画策すると書かれていたぞ」

「ものは言いようですな。私としては聖女様が出現なさった6年前に陛下とお話ししたら、是非とも前向きに考えたいと陛下はおっしゃっていらっしゃたのですが」

「何だと、そんなのは聞いておらんぞ」

ルードが寝耳に水の話だと言い出したんだけど。

帝国としては属国の男爵家の令嬢よりも、聖女様と結婚した方がいいに決まっている。

というか、私とルードはそんな関係じゃないんだけど……


「まあ、その女と遊ぶなとは言いませんが、いずれ捨てられる身。そうなった時にその女をどうされるおつもりですか」

大司教がいやらしい笑いを浮かべてくれた。

何故否定しないんだろう。

私はルードとは単なる幼なじみで、今は勉強を見てもらっているだけなのに!

「本当に。かわいそうなクラウさん。ルード様に捨てられるなんて!」

「最悪もらい手がなければ教会で斡旋いたしますよ」

下卑た笑みを浮かべて大司教が言ってくれた。

こいつは絶対に変なことしか考えていない。

そもそもルードとは付き合っていないけれど、行くところなかったら大伯母様のところにやっかいになるから掘っておいてほしい。


「何を言っている。俺はクラウを捨てたりはしないぞ」

私が考えた時だ。ルードがいきなり言い出してくれたんだけど……


ええええ!

何言ってくれているのよ!

捨てるも何も私たちまだ付き合ってもいないじゃない!

というか、私たちは単なる幼なじみのはずだ。


「ほう、皇帝陛下が聖女様との婚約を決められてもですか」

嫌らしい笑みを浮かべて大司教が言った時だ。


「まあ、教会風情が何を言っているのかしら」

声がしたので慌てて後ろを振り返ったらそこには皇太子妃様が騎士を従えて仁王立ちしていらっしゃった。


「クラウちゃんは我が皇家がもらうと決めているのよ。勝手な推測で話すのはやめていただけるかしら」

私はエルザ様が何をおっしゃっているか判らなかったのだ。

もらうって何だろう? 養子にでもしてくれるんだろうか?

でも、養子って皇女様になるってこと?


私は全く理解していなかったのだ。


ここまで読んでいただいてありがとうございます

皇太子妃の言いたいことは?

続きは明日です。

続きが気になる方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾


皆様の応援のおかげで私の小説の第三巻がコミックシーモア様から先行発売されました。

果たして、お義兄様の想いはエリーゼに通用するのか?

山場です。

『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。【シーモア限定特典付き】』

二万字超の新規書下ろし、エリーゼとお義兄様の学園の幽霊竜退治のお話付きです。

シーモア限定SSはエリーゼの護衛騎士セドリックのお話です。

おだやか先生の素晴らしい表紙絵と共に楽しんでいただけたら嬉しいです

https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


10センチ下にはその表紙絵と各リンク張ってます

よろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

次のお話はこちら

『婚約破棄されたので下剋上することにしました』https://ncode.syosetu.com/n0747ju/

私の今一番熱い人気の作品はこちら

『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】

https://www.cmoa.jp/title/1101429725/

■【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://ncode.syosetu.com/n6878ix/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ