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聖女視点 悪役令嬢を魔物の餌にすることにしました

「ちょっとあなた達、離しなさいよ! あの女は悪役令嬢なのよ」

私は必死に叫んだが、私の取り巻きの男どもはルードの言葉を恐れたのか、強引に私を外に連れ出してくれたのだ。

こいつらもいざという時に助けになってほしいのに、悪役令嬢の味方になって私を外に連れ出してくれてるなんて最悪だった!


聖女の私よりも悪役令嬢を優先するなんて信じられなかった。


そもそも、ゲームでは本来なら悪役令嬢が暗躍して私を配下の者に命じて、私の教科書や筆入れを隠したり、水を頭からぶっかけて嫌がらせをして、虐めるのだ。

私は悪役令嬢に虐められても、健気に振る舞ってルード様の心を引いてルード様と私は相思相愛の関係になるはずだったのだ。


でも、その悪役令嬢が私を虐めないと、私とルード様の物語が始まらないのだ。

何も仕掛けてこなければ、ルード様が私に同情することもないし、私の健気さが目立たない!

当然ルード様とお近づきになるイベントも発生しないのだ。

ゲームでは、入学式の後のレセプションパーティーでは、ルード様は聖女の私と踊って頂くことになっていた。それをあの悪役令嬢はパーティー会場からルード様を連れ出すという禁じ手で私とルード様が仲良くなる機会を奪ってくれた。

そして、更には私を虐めないことで、ルード様と私が仲良くなるチャンスを奪ってくれた。

私は転生者が優しい性格で私を虐めてこないのかと誤解していたが、そうではなかったのだ。

悪役令嬢が私を虐めないことで、ルード様の私に対する好感度も上がらず、ルード様の悪役令嬢に対する好感度も下がらなかったのだ。

私は悪役令嬢の策略に見どこに引っかかってしまったのだ。


そして、好感度が上がっていない状態で、いくら私がルード様にアタックしても上手く行かないのは当然のことだった。

全て、あの悪役令嬢が陰で糸を引いていたのだ。


せっかく大聖堂で誘拐したのに、あの悪役令嬢はゲームでは私を助けてくれる公爵令嬢のコンスタンツェまで取り込んで、結界を破壊してくれた。

私の味方だったシスターはその失敗でいなくなってしまった。


あの悪役令嬢、何も判っていないふりをして、体でルード様を釣るなど性格も相当極悪だ。


でも、聖女の私と皇子であるルード様の仲が上手く行かないと、スタンピードが起こった時に、教会と皇帝の仲がうまく行かなくなって、討伐の連携がうまく行かないのだ。下手したら帝国は大打撃を受けてしまうのに、それではよくないだろう!


国のためにもあの悪役令嬢は排除すべきだ。


でも、私の取り巻きたちはそれがよく判っていないみたいだった。




どうしようと私が悩んでいる時だ。


私の孤児院のバルトルトが私を訪ねてくれたのだ。

「どうですか? 聖女さま。ルード様とはその後うまくいっておいでですか?」

バルトルトは優しい瞳を私に向けてくれた。


「上手くいっている訳無いでしょう。あの悪役令嬢が私とルード様の邪魔をしてくれるのよ」

私が文句を言うと、


「高々、属国の男爵家令嬢風情が、教会の聖女様に逆らってくれるなんて、本当に罰当たりな女ですな。そのような女には天罰が下るやもしれません」

「そうよ。絶対に天罰が必要よ。何をすればよいの?」

私が聞くと、

「聖女様は何もせずとも大丈夫です。その罰当たりな女は魔物討伐訓練で魔物に襲われることになりましょう」

バルトルトが教えてくれた。


「まあ、魔物討伐の時に魔物に襲われるのね」

「そうです。いくらルード様を籠絡していようと魔物に食べられてしまっては、どうしようもありませんからな」

「本当ね。でも、他の生徒は大丈夫なの?」

私が悪役令嬢の周りの生徒のことを心配して聞いてあげると、

「聖女様。天罰はその者とそれを許していた周りのものにも下るのです。当然多少の犠牲は出るでしょう。聖女様の庇護を求めるものに対しては、聖女様の癒やし魔術などをかけてあげれば宜しいかと」

「私に逆らう奴らは?」

「ほうっておけば宜しいのではありませんか、魔物の餌もたまには必要でしょう」

極悪な笑みを浮かべてバルトルトは言ってくれた。


「まあ、そうね。私に逆らう奴まで救う必要はないものね」

私は安心してバルトルトと一緒に笑ったのだ。


「教会から帝国には聖女様を守るように依頼はしておきます。そうすれば恐らく同じクラスのルード様が聖女様を守って頂けるでしょう。聖女様がルード様と仲良くなっている間に、その女は魔物の餌となるのです」

「それは良いわ」

私達は顔を見合わせて笑ったのだ。


あの悪役令嬢は魔術も大したことはないと聞いていた。

そんな彼女が突然現れた魔物に慌てふためいた時には、魔物に食べられているのだ。

今まで散々私とルード様の間を邪魔してくれた悪役令嬢がいなくなると想うと私はホッとした。

私としてはルード様と一緒にいて、それが見られないのが残念だが、そこは諦めよう。


その邪魔な悪役令嬢さえいなくなれば私とルード様を邪魔するものなどいなくなる。

私とルード様はゲームの中のように相思相愛になるのだ。



ここまで読んでいただいてありがとうございます。

ブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾


皆様の応援のおかげで私の小説の第三巻がコミックシーモア様から先行発売されました。

果たして、お義兄様の想いはエリーゼに通用するのか?

山場です。

『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。【シーモア限定特典付き】』

二万字超の新規書下ろし、エリーゼとお義兄様の学園の幽霊竜退治のお話付きです。

シーモア限定SSはエリーゼの護衛騎士セドリックのお話です。

おだやか先生の素晴らしい表紙絵と共に楽しんでいただけたら嬉しいです

https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


10センチ下にはその表紙絵と各リンク張ってます

よろしくお願いします

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
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表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】

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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

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2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://ncode.syosetu.com/n6878ix/

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