表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

72/115

友人の部屋で今までの件を報告して、すぐにある魔物討伐では気をつけるように注意されました

私は徹底的にルードに絞られて、フラフラになって寮に帰ってきた。

そして、当然のごとく、御飯の時間には間に合わず、ルードは用があるとかで私をさっさと寮に送ってくれると、そのままあっさりと帰ってくれたのだ。


私はやむを得ず、そのままヘレナの部屋に突撃した。


「ちょっと、私はあんなたのお菓子供給係ではないのよ」

ヘレナは文句を言ってきたが、あっさりとクッキーを出してくれた。


「有難う、ヘレナ」

私はお礼を言うまもなく、ポリポリとお菓子を食べだしたのだ。


「で、公爵家はどうだったの?」

ヘレナが聞いてきた。


「そうだ。ヘレナ、あんたルードが皇子様だって私に教えてくれなかったでしょう」

私は思い出してヘレナに食ってかかった。

「はい? あなた、ルード様が皇太子の息子だって知らなかったの?」

唖然としてヘレナが私を見た。

「そんなのその辺りの犬でも知っているのに!」

「はああああ! 犬はいくら何でも知らないわよ」

「でも、子供でも知っているわよ」

私が文句を言うと、平然とヘレナは反論してくれた。


「私はカッセルの人間で継母に虐待されていたから帝国の常識には疎いのよ」

「でも、ゲームやっていたら馬鹿でも知っているでしょ」

「だから私はやったことがないって言っているでしょ!」

「そうだったわね」

やっとヘレナは納得してくれたみたいだ。


「でも、いくら何でも皇太子の息子が誰か知らないのはまずいんじゃない?」

ヘレナに言われてそのとおりだと反省も少しした。


「だってこの学園。名前呼びしかしないから大半の子がどこの貴族の子供か知らないわよ」

「まあ、貴族だったら入る前に教え込まされるけれどね」


ヘレナは肩を竦めると、

「じゃあ、今まで散々ルード様と一緒にたのに知らなかったんだ。じゃあ皇太子妃様と会っていたのも知らなかったの?」

「そうよ。ルードのお母様だとは聞いていたけれど、皇太子様に言われて初めて知ったんだから」

「えっ、あなた皇太子さまにお会いしたの?」

「そうよ、いきなり、頭下げられてびっくりしたわよ」

「えっ、あなた、皇太子さまに頭下げられたの?」

そこで私は金曜日の夜のことからあったことを話したのだ。


「そうだったんだ。悪役令嬢が属国の男爵家の令嬢っておかしいと思っていたんだけど、これで判ったわ」

ヘレナが言ってくれた。

「何が判ったのよ?」

「本来はあなたはお母様が亡くなった時に公爵家に養子にもらわれているのよ。それでゲームの始まる前までにルード様の婚約者になっていたんだと思うわ」

ヘレナが言ってくれたんだけど……

「ええええ! 男爵家の令嬢なのに?」

私が信じられなくて聞くと、

「だって、あなた、今のライゼマン公爵様からした、妹の孫よ。別に養子にしてもおかしくないじゃない」

「でも、実際はそうなっていないわよ」

私が言った。そう私はゲームが始まる学園入学の時は男爵家の令嬢だったのだ。


「まあ、誰かが邪魔をしたのかもしれないけれど、別にあなたがライゼマン公爵家の養子になることに問題はなかったわ」

「問題ないかどうか判らないわよ。だっておばあさまは皇帝陛下を振って結婚した末に生まれたのが私だし、陛下からしたら公爵家が私を養子にするのは嫌だと思うわ」

ヘレナの言うことに私が反論した。


「でも、問題ないって皇帝陛下はあなたの所領を戻してくれたんでしょ」

「まあ、結果的にはそうなったけれど」

「あなたが公爵家の令嬢になればルード様と婚約するのも何も問題ないじゃない」

「でも、エルザ様もライゼマン公爵家の出身だし、二代続けてライゼマン公爵家から出るのは流石にまずいんじゃない?」

「うーん、それはそうだけど」

「それに、ピザン公爵家にはコンスがいるのよ。学年も同じだし、普通はコンスがなるんじゃない」

「まあ、確かにそうだけど、でもゲームではあなたがルード様の婚約者だったのよ」

ヘレナは言ってくれるけど、でもそれってゲーム会社の勝手な都合ではないんだろうか?


「それに、最後はヒロインの聖女がルード様と結婚してめでたしめでたしになるんだから」

「えっ、あれとルードが結婚するの?」

私にはどうしてもその未来は見えなかった。


「あの聖女も変よね。ゲームではもっと純情っぽくて可愛いのに。あれも転生者だと思うけれど、ちょっと強引すぎるわよね」

「まあ、聖女があれだからゲームの中身も変わったんじゃないかな」

私は言ってみた。


「まあ、そうかも知れないけれど、もうじきある魔物討伐訓練気をつけなさいよ」

「えっ、騎士学校でもないのに魔物討伐なんてあるの?」

私が驚いて聞くと

「そうよ。王都の傍に魔物が出る森があってそこの魔物を討伐に行くのよ」

「それって大変じゃない」

私が言うと

「本当にあなた学園のこと何も知らないのね」

馬鹿にしたようにヘレナが言ってくれた。

「だって仕方がないじゃない。ギリギリで家からルードに助けられてすぐにクラス分けの試験だったんだから、学園案内もよく見る暇がなくて」

「少しくらい見たほうが良いわよ」

ヘレナに言われて、さすがの私も部屋に帰ったら見てみようと思った。


「それよりもゲームでは魔物討伐の時もイベントが有るわ」

「やっぱり」

私はうんざりした。


「悪役令嬢が聖女を亡き者にするために魔物を放つのよ」

「私はそんな事しないわよ」

ヘレナの言葉に私は即座に否定した。


「まあ、少しゲームが変わっているから、どうなるか判らないけれど、気をつけなさいよ。

このまえみたいに、狙われるのは聖女じゃなくて、あなたのような気がするから」

ヘレナに言われたけど、気をつけるってどうすれば良いんだろう?

この前の狼の魔物ですら、何も出来なかったのに!

私は不安しか覚えなかった。


ここまで読んでいただいてありがとうございます。

ブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾


皆様の応援のおかげで私の小説の第三巻がコミックシーモア様から先行発売されました。

果たして、お義兄様の想いはエリーゼに通用するのか?

山場です。

『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。【シーモア限定特典付き】』

二万字超の新規書下ろし、エリーゼとお義兄様の学園の幽霊竜退治のお話付きです。

シーモア限定SSはエリーゼの護衛騎士セドリックのお話です。

おだやか先生の素晴らしい表紙絵と共に楽しんでいただけたら嬉しいです

https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


10センチ下にはその表紙絵と各リンク張ってます

よろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

次のお話はこちら

『婚約破棄されたので下剋上することにしました』https://ncode.syosetu.com/n0747ju/

私の今一番熱い人気の作品はこちら

『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】

https://www.cmoa.jp/title/1101429725/

■【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://ncode.syosetu.com/n6878ix/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ